慈悲の心 | 人として生きる上で大切なこと 「こころのものさし」

慈悲の心


                    住職呼び掛け 影付
 

 

 仏道といいますと、人の道の延長上にあり、人が人らしくなっていくその先に仏になる道があります。

 

まず私たちが身に付けていかなければいけないのが敬いの心です。

 

親を敬う・主を敬う・師を敬う、そして人を大事にする・人を思いやる・・・そんな心を身に付けていくことです。

 

その敬いの極まった処に「慈悲の心」があります。

 

慈悲と一口にいいましても、ものすごく深いもので、慈悲の心を身に付けていくのが仏道であり、そこに修行があると云います。

 

今日は慈悲の心についてお話をしてみます。

 

慈悲の心を詳しくいいますと

 

「慈・悲・喜・捨」の心です。

 

慈(じ)とは、人を慈しむ心のことで、「幸せになってほしい!」という極まった心。

 

悲(ひ)とは、自分のことで悩み・苦しむのではなく、人が悩み・苦しんでいるのを見て「その苦しみを取り除いてあげたい!」という心。

 

喜(き)とは、自分のことで喜ぶ喜びではなく、人が苦しみから這い上がり良くなっていく姿を、我が事のように喜ぶ喜びで、そこには本音と建前もなく、心から純粋に喜ぶ喜び。

 

捨(しゃ)とは、「彼我(ひが)の二心を捨つる」と云われ、彼だとか我だとかいう隔てを捨てていき、どんな人に対しても大事にしていく心。

 

このような「慈悲の心」を身に付けていくところに真の人間形成があり、人のことで悩んだり・苦しんだり・共に喜んだりしていけるところに、本当の幸せがあるように思います。

 

このような人が多くなっていくと、世の中は暮らしやすくなっていくことでしょう。

 

そのような世の中を形成していくのも、私達一人一人の心掛け次第だともいえます。

 

そんな明るい未来作りを共にしていきたいですね!


        小牧清立住職のイラスト