後ろ指をさされながらの交際。
それでもゆうはヒロといる事を選んだ。
みんなの前で平気で怒鳴ったり殴ったりすることも許せる
というわけではなかったけれど、ヒロの笑顔を見ると幸せだったし、
ヒロの大きな愛に包まれているという思いもあった。
ヒロが嫌がることはしない。
ヒロが喜ぶ事をしたい。
ヒロは制服のスカートが短い事を前から凄く気にしていて
椅子に座るとき、立ち上がるときの指導をしてきた。
ゆうの周りをグルグルと回りながらパンツが見えないかチェックしてくる。
この時は見えずにすんでヒロも納得していたんだけど。。。
学校帰り、コンビニ前の階段にちょっと座ったとき
正面に回ったヒロが大騒ぎした。
ヒ:ゆうちゃん!見えてるよ!!!
ゆ:ホント?
ヒ:もう!何やってるんだよ!!
ゆ:ごめん~
ヒ:気をつけてよ!!
ゆ:分かった。
ヒ:ああああああ~もう!!!
ゆ:ごめん。気をつける。
ヒ:これから気をつけられるの?出来るの?
ゆ:うん。気をつける。
ヒ:ああああ~嫌だな~
ゆ:・・・・・・。
ヒ:今度から下に短パン履いてよ!
ゆ:え~。。
ヒ:履いてよ!!!!
ゆ:分かった。
ヒ:あとスカートも標準の長さにしてよ!
ゆ:え~ダサい。。。
ヒ:なんで?他のヤツに可愛く見られたいの?
ゆ:そういうわけじゃないけど。
ヒ:可愛く見られてどうするの?
ゆ:だから別に・・・
ヒ:俺はダサいゆうちゃんでも好きだからいいじゃん。
ゆ:・・・・・・。
ヒ:可愛くしないで!!
ゆ:はぁ・・・
ヒ:モテたいの?
ゆ:・・・・・・。
ヒ:ブラウスも透けないようにベスト着てね!
ゆ:・・・・・。はぁ。
ヒ:してよね!俺の事好きならしてよね!
ゆ:はいはい。
ゆうはしつこいのが嫌いで、ヒロの暴走が始るとつい黙ってしまう。
高校1年。
みんなお化粧をしたりオシャレをしたりと凄く可愛い。
そんな中ゆうは膝下のスカートを履き、下には短パンを履き
ベストを着て。。。ダサダサ。。。
まさに学校規則のお手本のような格好だった。
先生には褒められた。
反対にヒロは先生にはむかうし、この前のような暴走をするし
遅刻はほとんど、成績も悪かったから目を付けられていた。
ゆうはたびたび先生に呼び出されて
ヒロとの交際を考え直すように言われていた。
【ヒロといるとお前の価値が下がる】
【なぜ真面目な貴方があんなヤツと付き合うのか疑問】とも言われた。
ただ、先生に反対されれば反対されるほど
『そんな事ない!』とゆうの想いは強くなっていった。
家では親にも交際を反対されていた。
うちの門限は18時。
でも一緒にいたい!と離れようとしないヒロに付き合い、
いつも門限を過ぎてしまっていた。
怒られるのは当然。
だけど、高校生なのに18時の門限にも疑問だったし、
反抗期も重なって、親の言う事さえウザく聞こえるようになって。。
友達も先生も親もみんなが交際を反対する。
味方はヒロだけ。。。
そんな勘違いをしていた。