ヒロの独占欲。

その欲はどんどん膨らみ、歯止めが利かなくなっていった。


チャーがゆうと初キスをしたことがいつまで経っても悔しいのだ。


公園でのキス以来、たびたびその悔しさをゆうに押し付けてくる。

キスをするたびにヒロは。。。


ヒ:なんであんなヤツなんかとしたの?

ゆ:え~と。。なんでかな?

ヒ:なんでしちゃったんだよ~

ゆ:・・・・・。

ヒ:中2でするヤツなんていないよ~

ゆ:(いっぱいいるのに。。。)←心の声

ヒ:俺のゆうちゃんなのに。。。

ゆ:ねえ!どうやって相手がチャーって分かったの?

ヒ:教えない~♪

ゆ:なんで?なんで?

ヒ:。。。ゆうちゃんが誰と付き合ってたか聞いたら

  チャーってヤツの名前が出たから直接あって聞いた。

ゆ:え?会ったの?

ヒ:会ったよ!なんだよあんなヤツ。

ゆ:(チャー言わなかったんだ~助かった。)

ヒ:どうだった?

ゆ:どうって?

ヒ:どんな感じだった?初キスは!

ゆ:知らない!忘れた!


そう、ヒロは女々しい。

そして、本当にしつこい。

気になる事があれば我慢がきかなくなる。


でも、その言動はただゆうを追い詰めようとするものじゃなく、

純粋に愛する気持ちのあらわれだった。

ヒロの愛は痛いほどゆうに伝わっていた。


ゆ:じゃあ、どうすればいいの?どうすれば許してくれるの?

ヒ:分かってるんだよ!どうにも出来ないのは。でも悔しい。。

ゆ:・・・・・・・。


解決策のない会話はダラダラと続く。



ある日の午後。

ゆうがクラスの男の子とたわいもない話をしていた。

そこへヒロがやってきて、顔色を変える。


ゆうはヒロが来たからと、その男の子に断りを入れ、

ヒロの元へと駆け寄った。


ゆ:今日もあったかいね♪

ヒ:・・・・・・。アイツの事すきなの?

ゆ:は?全然、好きじゃないよ~

ヒ:凄い楽しそうだったけど。。。

ゆ:別に普通だよ?

ヒ:俺ヤダ!ゆうちゃんが男と仲良くしてるの見たくない。

ゆ:大丈夫♪ゆうはヒロがすきなの。

ヒ:。。。。もう。。。話しないで。。。

ゆ:はいはい、分かったよ~いいよ~ゆうはヒロがすきだから♪


本当にその男の子には恋愛感情もなくただ話をしてただけ。

別に話せなくなってもいいや~

なんて軽い考えで返事をしてしまった。


次の日。

話をしていたクラスの男の子に謝ろうと話しかけた。


ゆ:昨日はごめんね~話の途中で。。。


すると男の子は目も合わさずに片手をあげ挨拶をした。


(ん?なんか怒らせちゃったかな。。。)


心当たりはなかったけれどそれ以上は話しかけずに1日を終えた。


放課後、ヒロとデート。


ヒ:あ!昨日ゆうちゃんが話ししてたヤツに

  『もう、ゆうちゃんと話するな!って言っといたから~』


((>д<))だから、あんな態度だったんだ。。。



ヒロの嫉妬深さに異常さを感じた。


でもこんなことばかりではなく、楽しいことの方が多かったし、

ゆうを愛するがゆえの行動なんだろうと受け止めてしまった。


これが愛なんだ!


そういわれると信じてしまい、

どんどんヒロの世界に吸い込まれていくのである。