校舎裏に呼び出されたゆうが見たもの。。。

それは左腕から血を流したナオキの姿。

右手には小刀。


何。。。それ。。。どうしたの?


黙るナオキ。

そしてジワリジワリとゆうに近づく。


ゆうはその迫力に押され、怖くなって、ついやめて!

って言っちゃったんだ。。。。


言った後、すぐに後悔したけどもう遅かった。


ナオキの頬を涙が伝う。。。


俺!本気なんだ!ホントに好きなんだよ!


泣きながら叫ぶナオキを見て心が揺れた。

でも付き合うと言う感情がゆうにはなかったから、

ここで優しくするわけにはいかなかった。


なかなか腕をみせようとしないナオキにゆうは、

見せないともっと嫌いになる!って言ったの。


うつむくナオキ。


怒らない?怒らないなら見せる。。。


怒らないから。。。見せて!


そっと差し出されるその腕を見た。

目を覆いたくなるような血の量。


そこにはゆうの名前が腕いっぱいに彫られていた。


なんで、そんなバカなことするの!


あ~。。怒った。


怒るよ!そんなに深く彫ったら消えないじゃん!


いいの!俺、一生好きだから。。。


ゆうは好きになれない。と言いかけてやめた。


なんと言っていいか分からないまま時が過ぎ、

部活が始る時間になった。


ナオキは大きなサポーターで腕を覆う。

じゃあ、またね~と涙でぐしゃぐしゃの顔で元気に手を振っていた。


ゆうも用意をして体育館へ。

部活の仲間に元気良くあいさつ!


今日も頑張ろうね(^-^)ノ~~


・・・・・・。


誰からの返事もない。聞こえてるのはずなのに。。。


昨日まで仲良くしてたはずの友達が、

昨日とは丸で別人のように睨んでくる。


ゆうが、後輩たちと仲良くしたから?

なにか、怒らせたなら言って!謝りたい!


何を言おうが返事はありませんでした。


この日から、ゆうは部活内ではいつも一人ぼっち。

それに気付いた顧問の先生が、ゆうだけ特に優しく接してきた。

それが逆効果。

さらに嫌われた。


ゆうが、後輩たちと仲良くしすぎたんだ。。。

もっと周りの事を気にして静かに過ごしていれば良かった。。。

また元の仲良しに戻りたいよ。。。


後悔しても、もう遅い。


目立った行動をすると、それを面白く思わない人もいるんだ。


気付いたときには遅いんだね。。。


クラスに戻れば、仲良くしてくれる友達はいたから

学校生活はそれ程苦ではなかったけれど、

部活の間はとても辛かった。


ゆうのせいだから仕方ない。

でも、仲が悪いまま中学校最後の試合に出て、いい結果も残せずに

引退を迎えることになった。


ナオキはゆうのそんな姿を見てどう思ってたんだろう。


相変わらず逢いにくることはあったけど、

部活を引退したゆうと現役のナオキでは時間もなかなか

あわなかった。


ゆうは高校受験に向け勉強の日々。

家庭教師をつけ、必死で勉強した。


が。。。あっさり推薦で受かり、

残りの中学校生活を精一杯楽しめることとなった。


友達と遊園地や公園へ出かけた。お泊りも楽しかった。


そんなのん気な毎日を過ごしていたある日。

聞いた事のない声でゆうに電話がかかってきた。


隣の中学の男の子から。。。。