まさにアンビリーバボー | 蜜蜂と銃 〜タロットと数の言霊〜

蜜蜂と銃 〜タロットと数の言霊〜

あの世とこの世と数とタロット占い。

UFOにも宇宙人にも縁のない柏木です。
(もしかしたら宇宙人かも?と思うような理解不能な知人なら数人います)

かれこれ16~7年程前に経験したノンフィクションのお話しです。

金曜日の夜、当時付き合っていた彼女を自宅まで迎えに行った帰り道。時間は24時まであと少し、というところでしょうか。まだ混雑の続く幹線道路を避け、走り慣れた抜け道に入ってしばらく走ると都内でも大きな川にぶつかります。

川は氾濫に備えて大きな土手が整備されており、ゆうに15メートルはあろうかという急な斜面。左手に壁のような土手を見ながら進む一方通行の道は暗く、街灯もまばら。右手にある町工場に人影はなく、ヘッドライトの明かりだけが頼りになる寂しげな場所です。

何度も通る抜け道は川の水位より低い土地でもあり、あまり気持ちのよい場所でないのは確か。2キロ程走って土手の上まで延びる坂を駆け上がれば交番があり、大きな橋がかかる交差点にでます。この交差点のはす向かいに女性の霊が立っているのは知っていたのですが、害を及ぼす存在でもないので今日はスルー。

少し戻して。
土手にぶつかって右に曲がり、暗闇をハイビームに換えて走っていました。500メートル程進んだ辺りで前方に光が見えたのです。「対向車が来た」と思い咄嗟にヘッドライトを下向き戻したのですが、ちょっと待った。そう、この道は一方通行なのです。「もしかしたら逆走してくるバイクかな?」とスピードを落とし注視すると、どうも様子がおかしい。

ヘッドライトの丸い光ではなく、レーザービームを思わせる鋭い直線の光。その『白に近い金色の光の棒』は真っ直ぐ垂直に立ち長さは2メートル程、地面から1.5メートル程浮き上がり上下は鋭利な刃物で斬り落としたかのように存在していません。まるで、Star Warsのライトセーバーや直管蛍光灯(棒状のタイプ)を垂直に立てた状態と想像してください。

どこからか放たれたレーザービームでも、車のライトでも、街灯でもないその異様な光が、ゆっくりと近付いてくるのをボーッと眺めていました。不思議と恐怖や嫌悪感は感じず、車は道に浮かんだ『白に近い金色の光の棒』に近づいていきます。

まるで吸い込まれるように近づくと『白に近い金色の光の棒』は消えることなく、バックミラーの辺りからフロントガラスをすり抜け車内へ。垂直の状態を保ったままゆっくりと私の左横を通り、助手席に座る彼女の右半身からすぅーっと身体をすり抜け、後部座席左側の窓から車外へ去っていったのです。

時間にすれば1秒以下でしょうが、まるでスローモーションの様にゆったりとした動きに感じました。宙に浮いた『白に近い金色の光の棒』はやはり下部が存在せず、上部は車の天井を突き抜けていました。20センチの至近距離で見た光は美しく、車内が一気に明るくなったのをよく覚えています。

程なく土手の上へと延びる道を駆け上がり、交差点の信号待ちで停車しました。
体験した現象をどう理解してよいのか整理が付かないまま、独り言のようにつぶやきました。

「…さっきの光って何だと思う?」

すると彼女が応えました
「ん、光?街灯なくて薄暗いよね。」

それから何度も同じ道を通りましたが、同じ光に出会うことはありませんでした。
あれから様々な経験や知識を得た今でも、あの『白に近い金色の光の棒』が何であったのか解りません。