相互に排他的な事象と独立な事象は違うものである. | Chandler@Berlin

Chandler@Berlin

ベルリン在住

相互に排他的な事象(Mutually exclusive events)と 独立な事象(Independent events)とは全く違うので混同してはならない [1].最近,私は確率論に関係する本 [2] を読み始めた.この本の第二章で既に私は長年,間違って覚えていることがあることに気がついた.私は確率論は苦手である.多分,かなりの基礎を誤解していたからだろう.排他的と独立は同じものだと思っていたのもその一つである.ここではそれがどう違うのかを話そう.


相互に排他的な事象は同時にけっして起こらない事象のことである.定義は以下である.

Chandler@Berlin-exclusive

その例としては,

- コインの第一投で表がでる.
- コインの第一投で裏がでる.

つまり一回コインを投げた場合,表が出てかつ裏も出るということは起こらない.そういうものが相互に排他的な事象である.

しかし独立な事象は起こる可能性があるものである.定義は以下である.

Chandler@Berlin-independent

これは 0 ではない可能性がある. 独立な事象の例は以下である.

- コインの第一投で表がでる.
- コインの第二投で裏がでる.

これらの二つの事象は独立である.

しかし,この独立の事象の定義は結構難しいと思う.それぞれの確率を掛けたものが二つの事象が発生する場合の確率に等しいというものはどうやったらわかるのだろうか.観測からではそれぞれの確率を正確に知ることは難しいのではないだろうか.多分,どう定義するかによるのかと思うがが,この定義からどの事象が独立かを言うのは私には明らかではない.

参考文献

[1] 玉木久夫, 情報科学のための確率入門 アルゴリズム・シミュレ-ションへの応用のために,ISBN-13: 978-4781910123

[2] Malvin H. Kalos and Paula A. Whitlock, Monte Carlo Methods, Volume I: Basics, ISBN-13: 978-0471898399