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函数の適用は左からというルールを前回述べた.まず,左結合とか右結合とかいうことをどうして考えるのかというのは,同じ式でも処理の方法で答えが違うのは困るからだ.1-2-3 を (1-2)-3 (=-4)と計算する場合と 1-(2-3) (=2)とする場合では答えが異なる.答えが毎回違うという計算機でも使えるという人もいるかもしれないが,普通はそうでは困るということは賛成してもらえると思う.式が同じならば答えが同じ計算機を使いたい場合には,どう計算するかを定義しておかねばいけない.それが左結合とか右結合とかいうことを考える理由である.
左
結合か右結合を決めなくてはいけないのは上記の理由によるが,なぜ左結合なのかとか思った人がいるかもしれない.これも定義で右か左かはどちらかに決まっていればかまわない.左結合にするというのは,誰か人が決めたのである.どっちにするかは最初に決めた人次第だが,慣れのせいだろうか,これが私には自然に感じるので不思議なものである.しかし,自然に感じるというのは不自然な気がする.まあ,定義なので,そのものにはあまり意味がないと思ってもかまわない.右結合の書き方でも定義は可能である.左結合なのは,現存する数学の記法がヨーロッパで発達したものであり,既存のヨーロッパの言語が左から右に書くからであろうと個人的に推測する.