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シリウスサイバネティクスの自動販売機gensym3141のすごいところは無限の種類の自動販売機が出せるところである.これ一台あればコーヒーだろうが車だろうがコンピュータであろうが買うことができる.この機械は自動販売機しか出せないが,コーヒーが欲しければコーヒーの自動販売機をまず買って,その自動販売機でコーヒーを買えば良いのだ.
しかし,無限の種類の自動販売機でも出せないものもあるのが残念なことである.無限の種類の自動販売機を出せる自動販売機ならばどんな自動販売機も出せると思っている人はマービンに怒られて下さい.でも,それでは不親切なので簡単な話をしよう.
自動販売機gensym3141はキーパットがついていて,1, 2, 3, ... といくらでも数を売ち込むことができる.というのは番号さえ決めれば無限の可能性がある.たとえばボゴン人の現代詩集を売る自動販売機は 157079632679489661923 である.しかし,イルカの作った金魚鉢を売る自動販売機は -111111 という番号がついているのだが,自動販売機gensym3141には - の記号がない.したがって,無限の数が入力できるにもかかわらず,買えない自動販売機があるのだ.とりあえず無限とは全部ではないということさえわかってくれれば良い.
もちろんシリウスサイバネティクス社の営業部長は無限の種類が出せるのだから,全部の自動販売機が出せるということを客に納得させるためのトレーニングを積んでいる.そして宇宙は広いので,それに納得してしまう馬鹿な客もいくらでもいるのである.したがって,宇宙は自動販売機 gensim3141 であふれているのである.
ところで,自動販売機gensym3141で買えない有名な自動販売機はいくつもある.まず,自動販売機gensym3141は自動販売機gensym3141で買えない.自動販売機gensym3141を出そうと考える,と自動販売機gensym3141に内蔵されているシリウスサイバネティクス社製のマインドコントロール装置が作動して記憶喪失になるのでくれぐれも考えない方が良い.ある人がシリウスサイバネティクス社製のマインドコントロール装置を無効にする装置を売る自動販売機を出そうとしたが,シリウス社は当然その場合には本人がシリウス社に忠誠を一生誓うというマインドコントロールにかかるような装置を自動販売機gensym3141に内蔵済みである.
これはシリウスサイバネティクス社の保有する大量の特許の一つで自動販売機gensym 3141はシリウスサイバネティクス社からしか買えないのである.特許を買う自動販売機は存在するが出せないらしい.詳細は不明である.誰かが犠牲になって試してみる必要がある.
また,ガイド社もガイドの専売権を持っているのでガイドを売る自動販売機も出せない.ガイドの専売権を売る自動販売機の専売権もガイド社が持っている.シリウスサイバネティクス社とガイド社はガイドの専売権を売る自動販売機の専売権を売る自動販売機の専売権がどちらにあるかで長年訴訟で争っているが,これはなかなか決着がつきそうにないのである.それが終われば次の訴訟が起こることは目に見えている.
gensym3141 の話は十分だと思うので,そろそろλの話に戻ろう.