【時系列】 日本のGDP、GDPデフレーター
みなさん、おはようございます。Jean Reloreloです。今日はちょっと違った角度から攻めてみたいと思います。
これまでいくつかの経済指標について、簡単にではありますが内容を見てきました。今日は参考までに実際のデータを時系列でアップしておこうと思います。データは日本の「GDP」と「GDPデフレーター」です。
日本のGDP
さっそく時系列データ(時間ごとに並んだ"縦方向"のデータ)を見てみましょう。
暦年 | 名目GDP | 実質GDP | GDPデフレーター |
---|---|---|---|
1996 | 2.2 | 2.7 | ▲ 0.6 |
1997 | 2.2 | 1.6 | 0.6 |
1998 | ▲ 2.0 | ▲ 2.0 | 0.0 |
1999 | ▲ 1.4 | ▲ 0.1 | ▲ 1.3 |
2000 | 1.1 | 2.9 | ▲ 1.7 |
2001 | ▲ 1.0 | 0.2 | ▲ 1.2 |
2002 | ▲ 1.3 | 0.3 | ▲ 1.5 |
2003 | ▲ 0.2 | 1.4 | ▲ 1.6 |
2004 | 1.6 | 2.7 | ▲ 1.1 |
2005 | 0.7 | 1.9 | ▲ 1.2 |
2006 | 1.4 | 2.4 | ▲ 1.0 |
2007 | 1.4 | 2.2 | ▲ 0.8 |
2008/ 1- 3. | 0.2 | 0.6 | ▲ 1.5 |
2008/ 4- 6. | ▲ 1.2 | ▲ 0.9 | ▲ 1.6 |
2008/ 7- 9. | ▲ 0.5 | ▲ 0.1 | ▲ 1.6 |
注意点をいつくか。
1年のデータを見る際に、「暦年」で見るか「年度」で見るかということがありますが、ここでは「暦年」のデータを採用していること。これは指標にもよると思われますが、GDPは第1四半期を1~3月、第2四半期を4~6月として発表していますね。そのため暦年のデータを採用しました。
「名目」「実質」「デフレーター」と掲載していますが、やはり一番重要なのは、実質GDPです。いずれも対前年比(四半期データは前年同期比)を掲載していますが、これがいわゆるGDP成長率(経済成長率)とされています。
平成不況――失われた10年
軽く「実質GDP」を見てみましょう。1996年からのデータですね。
90年代、日本はバブル崩壊後の長期不況に苦しめられてきました。日本型長期不況などと呼ばれています。これも発端は、日本の金融システムが異常をきたしたことが始まりでした。そしてその原因は、バブル時代に異常に高騰した不動産や投資商品と言われています。
今回の金融危機が、日本型長期不況を招くといわれているのは、こうした背景からです。まあ、似ているといえば、似ていますね。
この表からではわからないですけど(もっと過去のデータ、探しときます)、高度成長期以降日本の経済(実質GDP)成長率は、ずっと5%前後を維持してきました。高いときは10%以上にもなる成長率を見せています。唯一第1次オイルショック後の1974年にマイナス成長となりましたが、それ以外は着実に成長を続けてきました。
それが80年代に入り、経済成長に陰りを見せ始めます。1991年から2002、3年頃まで続いた日本経済の停滞を「日本型長期不況」「平成不況期」「失われた10年」などと言っていますね。2002年以降は緩やかに回復へと向かいました。
景気後退?
一般に景気後退とは、経済循環(経済は「回復、好況、後退、不況」の繰り返し)の中で景気が下降していく局面を指します。そして下降してしまった状態の経済を不況と言います。同じように使うことが多いかと思いますが、経済学では4つの局面に分けて、経済循環を捉えています。
経済学での景気後退期は、実質GDPが2期続けてマイナス成長となったときを指します。先月あたりから新聞紙上で各国の「景気後退入り」という記事を多く見かけますね。
日本も景気後退入りと言われていますが、実質GDPのほかに、「景気ウォッチャー(DI)」などの数値からも判断しています。DIが50%を割り込んでくると景気後退と判断されます。DIについては、いずれ解説記事をアップしますね。
経済の状態を見るとき、1つの指標だけを見て判断するのではなく、いくつかの指標から総合的に判断する必要があるわけです。
なんだか相場と同じですね。Jean Reloreloでした。