篤です。

 

企業理念のブログにようこそお越しくださいました。

ありがとうございます。

 

企業理念から応援したい会社を見つけたり、

世の中を支える会社をご紹介したりしています。

 

今日は会社の紹介ではありません。

 

会社をよくしようとして、

企業理念を刷新し、

さぁ浸透させよう!とした時に、

今までの在り方、風土、

考え方などを否定するところから

始めてしまうのはいけません。

 

たくさんの古い家や、

放置されている花壇があるとこに、

新しい旗を立てて、

さぁまずは更地にしよう!と言われても、

「はい、そうですね」とはなりませんよね。

 

放置されていても

愛着があったりするのです。

 

「さぁ、新しく素晴らしい家を建てるんだ!」

と言われても、

「いや、別に困っていないし・・」

となるかもしれません。

 

福沢諭吉翁は、

教育制度が刷新される時でも、

今までの延長線上で進めることを

是としていました。

 

例えば、

ひらがなとカタカナと

どちらから教えるのか、

という問いには、

ひらがなを勧めています。

 

ひらがなは今までも

よく使ってきた文字だけれども、

カタカナは馴染みが少ない

という理由です。

 

また、

あいうえおと教えるのか、

「いろは」と教えるのか、

という問いには、

「いろは」からを勧めています。

 

今まで「いろは」で教えてきて十分なのだから

変える必要はない、ということです。

 

人の行動から変えていく時には、

ガラリと変えるよりも、

延長線上でわかりやすく、

その上に新しい知識を積み上げていくことを

是としたようです。

 

企業理念の浸透も、

全く白黒が逆転するようなものに

刷新するならともかく、

創業の想いを大切にして、

今までの在り方に感謝し、

変えていくところと、

変えないところを明確にして、

肯定の上に浸透させていくことが

肝心だと思います。

 

否定は、拒絶につながります。

 

今までの否定は、

そこで今まで働いていた人たちを

否定することと同じなのです。

 

否定する気持ちが

少しでも透けて見えたら浸透することはない、

と思ってください。

 

人の心はそれほど繊細でもろくて、

よくないことへの感知は高いのです。

 

何のために企業理念を浸透させたいのか、

そこにフォーカスすれば、

無用の障害の発生には至らないでしょう。

 

現状を変えることは、

現状を更地にすることではありません。

 

最後まで読んでくださいまして、

ありがとうございました。

福沢諭吉翁の方法は、

斬新主義というそうです。

教育内容を大きく変えようとする

急進主義に対して、

当時の人々の学びの状況に

合わせる教育内容を是とし、

現状から段階を踏んで

徐々に進めていくという主義です。

人が関わる事は、斬新主義がいいですね。

もっと後の時代ですが、

教科書を塗りつぶすような方法は、

人の心に傷を残しますもの・・・。