餡麺麭男
昨日ケイジさんが、リレー小説を終わらせてくれました。
ほんと、ありがとうございます。
ってことで、完成したリレー小説を、どうぞご覧ください。
「それは、俺がフランスパンを食べている時だった。
いきなり隣から俺にアンパンをぶつけてきたそいつは、宣教師だった。
よく見るとそいつは・・・ザビエル!!
っと思ったが見間違いで、ハゲ方が似てたので間違ってしまった。
よく見ると、ジャムおじさんだった。
新しい顔じゃ、とか言っている。
「アンコが少ない。焼き直せ」
おっさんは黙っている。
はみ出たあんこをフランスパンにつけながら食べつつ、俺は幕府に向かった。
これでも武士(もののふ)ですから。
っとか言ってみたりして、パンを投げられたイライラを紛らした。
だが、そんな事で紛らわせれるわけがなく、ますますイライラしてきた
隣で「まあまあ、そんなにいらいらしなさんな」とジャムおじさんがなだめてくれている。
うるさい、元はと言えばお前のせいだ。
そいつを縄で締め上げると、そのまま幕府へ連行した。
これでも武士(もののふ)ですから。
だが、油断していたせいか、逃げられてしまった
「お、おい!!待てぇ~!」
ただ、今のは俺の声じゃない。
前から来た俺の友達、武者小路実篤の声だ。
「お~!!さっくんどうしたん?」
「実は拙者、おなかがすいて、これ以上動けないでござる」
すると、ジャムおじさんは「仕方ないなあ、僕の顔を半分あげるよ」
さっくんはジャムおじさんの顔の半分を食べると、すぐに全部吐き出し、ジャムおじさんを切り捨てた。
ちなみにさっくんこと武者小路実篤は、武士(もののふ)ではない。
さっくんはだんだん周りを気にしだした
俺はその2人を縄で縛り上げると、幕府に連行した。
幕府に行くと、見た感じキウイっぽい「武士」(もののふ)が対応してくれた。
このキウイっぽいやつ
どこかで見たことあるような…
俺が油断してる隙に、キーウィはベギラゴンで2人を焼き殺そうとした。
しかしベギラゴンをくらう瞬間、2人ともアストロンを使用したので、無傷だった。
「あ、お前はキウイパンマンマン!!」とジャムが叫んだ。
キウイパンマン……それは鳥のキウイのミンチ肉を混ぜたパンで顔を構成された武士(もののけ)の総称である。
「そうか、お前はあのキウイパンマンマンだったのか!」とジャムおじさんが叫んだ。
キウイパンマン……それは鳥のキウイのミンチ肉を混ぜたパンで顔を構成された伝説の武士(もののけ)のことであり、ジャムがつくったパン戦士たちの中で上から30番目くらいに強い。
ちなみに、17番目に強い戦士はアンパンマンである。
そんなことを妄想していたら、奥からラスボスっぽい人、というか、徳川ランボルギーニ将軍が出てきた。
将軍には俺と武者小路実篤が見えてないらしく、ジャムとキーウィと面白おかしく話し始めた。
ちなみに、将軍のフルネームは、ヌオーヴァ=アウトモービリ=フェルッチオ=ランボルギーニである、と読者のために注釈を脳内で付け加えていると、将軍がこちらに気付いたご様子だ。
何故か、3人が話している光景を見ると無償に腹が立った。
将軍は俺らに向かって何かを言っているが、ギリシャ語だったので分からなかった。
ジャムに通訳を頼んだが、ジャムは「バイバイキ~ン」としか言わなかった。
仕方なく、「それはバイキンマンの台詞だろ!」と突っ込んであげたのにジャムは無視だ
あまりにもムカついたので、ジャム(人物)をミンチにして、砂糖加え、加熱濃縮してジャム(この場合のジャムはブルーベリージャムとかのジャムのほう)をつくった。
こうして完成したジャムジャムを将軍に献上したところ、将軍はジャパニーズを話せるようになった。
将軍が言うには、「とりあえずジャムジャムはデリシャスデシタ。ところどころキーウィのフレーバーがして、食べやすかったデス。」だそうだ。
ふと将軍の隣に目をやると、まだアストロンがとけていないさっくんこと武者小路実篤の姿があったが、何故か、目だけが動いていた。
さっくんは部屋の隅にいた異形の人物を見ていたのだ。
それはペリーだった。
これはグラビア界の黒船じゃない!!浦賀に来た黒船だ!!
なんの条約を結びに来たんだろう!?
よく見るとそれはペリーのお面を被ったバタコさんだった。
そして、将軍は、お面を被ったバイキンマンだった。
じゃあ、アンパンマンも出てくるんじゃないかと、ドキドキしながら待った。
アンパンマンはいくら待っても現れなかった。
いや、正確には最初からそこにいたのだ。
オレがアンパンマンだったのだ。
新しい顔に変えた後の副作用で、少しの間だけ、記憶喪失になっていたらしい。
「ハヒフヘホー。やっと、正気に戻ったかアンパンマン」
バイキンマンは立ち上がって、
「今日こそ正々堂々、決着をつけてやる。この天守閣でな!」
「望むところだ」
拳に力が入る。
バタコは空気を読んで、既に立ち去っていた。
「今日はメカもカビルンルンも使わない。拳で語り合うのみだ」
今日のバイキンマンはかっこいい、そう思った。
蝋燭の火が消えた。
その刹那、戦いの火蓋が切られた。
バイキンマンが飛び出してきた。
まっすぐなストレート。
迷いが無い。
だが、それ故に読みやすい。
上半身を傾けて、パンチをかわし――きれなかった。
パンチの起動が曲がったのだ。
オレはまともにパンチを喰らい、3つほど壁を突き抜けて、地面に転がった。
地面は斜めを向いていた。
どうやら外の屋根の部分らしい。
バイキンマンがすぐ横に立って、オレを見下ろしていた。
「どうした、アンパンマン。本気を出せ。今日のオレは本気だ。」
オレは口元の血をぬぐい、立ち上がる。
「ならば、オレも本気を出させてもらう!」
叫ぶと同時にバイキンマンに殴りかかる。
バイキンマンは避けることもできずに、アンパンチを顔面に喰らう。
しかし、バイキンマンは微動だにしない。
その刹那、バイキンマンの姿が消えた。
残像か!?本体はどこだ!?
前後左右を確認するがどこにも姿が見当たらない。
ならば、上か!!
直感で上に拳を突き上げる。
当たりそうになったバイキンマンは寸前で軌道修正したが、体勢を崩した。
その瞬間をオレは見逃さなかった。
ありったけの力をこめて、アンパンチをバイキンマンに突き入れた。
バイキンマンの体は、衝撃に耐え切れず、殴られた反対側の皮膚が裂け、贓物が噴き散った。
バイキンマンと一瞬だけ目が合ったが、すぐにバイキンマンは、吹き飛んで見えなくなった。
そして、大気摩擦で彼は燃え尽きてしまった。
バイバイキーンということもできぬままに。
こうして、長かった江戸時代は終焉を迎えた。
その後、すぐに駆けつけてきた武者小路実篤が見たものは、アンパンマンの安らかな死に顔だったという。
Fin.」
・・・いい、すごくいいよ、これ。最後の場面が特に。
さて、タイトルなんですが・・・
・・・やっぱり、「餡麺麭男」がいっかなぁ