今日も、子ども達と「パパが倒れてから明日で3年になるね。」と言う話になりました。

「でも。病気の前のパパと今のパパだったら、今のパパの方が優しくて好き。あの頃、めちゃくちゃイライラしてすぐ切れていたよね。」


確かに、倒れる直前の主人は、ちょっとしたことにもイライラして、私達は腫れ物に触るように過ごしていました。

今考えると、仕事のことや、具合のこともあって爆発寸前だったのかもしれません。


病院からは、「家で待機していてください。」と言われてから、数時間たっても連絡がありませんでした。

電話がないと言うことは、きっと意識も戻って良い方に向かっているのかもしれない。と思ったり、もしかしたら今、夫が今かかっている病院に搬送されているのかもしれない。と思ったり。

でも、あまりに電話がないので、思い切って搬送先の病院に電話をしてみました。


「向こうの病院に問い合わせをしたら、ベッドがいっぱいということでしたので、こちらでみることになりました。奥さん今から来られますか?」

取る物もとりあえず病院に向かいました。

今思い出しても、夜の病院は本当に嫌な物です。

最初、1階の処置室に行ってみると「4階のICUにいらっしゃいますので、そちらに行っていただけますか。」と言われ、4階に・・・。そこは私がかつて経験したことがないくらい重苦しい場所でした。

4階の病室の前でブザーを押すと、「入っていただく前に、担当医からお話しがありますのでちょっと、待合室でお待ちください。」

時間が、時間だったせいか、待合室には人もいず、暗い気持ちで1時間ぐらいも待ったでしょうか。看護師さんがいらして「どうぞ。」と案内してくれました。

対応してくださった先生は、30代の若い脳外科のお医者さんでした。

夫の頭のCTの画像を見ながら

「いろいろ、調べていますが、まだ脳梗塞も起きていませんし、なぜ倒れているのか分かりません。ただ、意識はありません。脳梗塞は、時間がたって画面にあらわれてくることもあるので。」

それから、夫のもとへ

そこには、今朝会った夫とはまるで別人が、顔も手もパンパンに腫れ上がり、痙攣で時々ピクピクしながらいろいろな機械に繋がれて横たわっていました。

口から出血もあり、真っ赤なタオルや、はさみでジョキジョキ切られた夫の洋服も血で染まっていましたが、恐くて恐くて「何で血が出ているのですか?」とは聞けませんでした。

よくテレビで観る、呼吸数や心拍数を計る機械の音だけが印象的でした。

夢の中にいるような感じもしました。

その夜は、病院からどうやって帰って来たか、いまだに思い出すことができません。