文学フリマにも。
というわけでおるすばんなのである。主宰が家で寝ており書き手が現場にたつ、というのもおかしな感じがするけれども社会ではありふれた不条理であるし、余は猫なのだから、むしろ家で寝ていなければならない実際なのである。
だが日進月歩するテクノロジーの発達は余を、ただの猫ではいさせてくれない。山本清風がカリカリ代を稼いでいる間、余は文学フリマに向けこのようにタブレットをつついている、というわけである。これは爪とぎせねばなるまい。
日時:5/5(月祝)
場所:東京流通センター第二展示場
サークル名:文学結社猫
配置:B-02
ジャンル:純文学(合体配置)
主宰:猫(余である。名前はもうある)
◆◇◆◇◆◇◆頒布タイトル◇◆◇◆◇◆◇
『私はあなたに触れたいという欲求が私はあなたに触れられないという禁則から逆説的に生まれていることを知ったとき、私はあなたに生かされていると感じる。』

文庫版/500円
イラスト:いとうのぞみ
方言監修:菊池有里子
頒布ブース:[B02]文学結社猫、Amazon
―――星間の距離感をわたしたちは星座と呼び、心の距離感をわたしたちは恋愛と呼ぶのだ。かつて遠い昔の瞬きをわたしが星と認識するように、認識したときにはすでになくなっているかも知れない、そんな可能性がわたしの恋だった―――
浦崎(うらがさき)市という町を舞台に、関西方言を用いながらJK黒髪ポニーテール処女の川原明日架(かわはらあすか)がクソサブカルナイーブ野郎から告白されたり、女友だちのトイレに嫌々つきあわされたり、バスケ部のいかついヒゲメンからSNSでグイグイ来られたりしながら青春の中心で「わたしはあたしがわからない」を叫んだ、卒塔婆ムーブメントを牽引するヘヴィノベル。
『ニーバー、アイ ヘイト ユウ。 川町サーガ#2』

文庫版/500円
合作著者:栗山真太朗(少年憧憬社)
表紙絵:藤井久実子
頒布ブース:[B02]文学結社猫、[B14]少年憧憬社
本名クラスタ二人の仲が悪くなっただけの価値はあった!
最高のエンターテインメント×ユーモアの極北がここに完成。
再びあの川町を舞台に、事件が動き始める―――高井探偵事務所が、秋山クレハが、遍く人々や動物が縦横無尽に川町を駆け抜ける。文フリの本名クラスタ「栗山真太朗×山本清風」が捧ぐ殺しあいのようなリズムセッション。さあ、禁断の合作が幕を開ける。
『そして太陽は燦々と照っていて』

文庫版/1,000円
頒布ブース: [B02]文学結社猫
〝生れたくない〟それでも生れてしまっていた、いむるだい文学の爆誕。
夜の帳に腰掛けて、何処にも存在しないはずの高みから見下ろした世界は、なんて滑稽だったのだろうか。想像力が止まらない。騒々しい創造。自同率のオフ会。芥川賞が欲しい。少年の夢幻的世界が狂ったような筆致で綴られる『メロン』ほか、徹底したユーモアと新しい言語感覚によって謳いあげる『オタクの彼女はウエイトレス』『クリスタルチルドレンの時代』『いむるだいひと』などを収める前人未踏の人畜無害な処女選集。これは現時点で世界一、山本清風に詳しい文庫本である。(植本浩治)
『先読 【サキヨミ】』

文庫版/600円
表紙絵:西本愛
頒布ブース: [B02]文学結社猫、Amazon
〝仕事やめたい〟ロスジェネとゆとり世代に挟まれた私たちの生きる道。
社会は道徳を説くが、説いている社会が不道徳に満ちているのはどうしてだろう?
アルバイトの田西源五郎(たにしげんごろう)は毎朝恋人の殖栗(えくり)と同伴出勤するのだが、彼には視えざるものの視える能力があって―――貨幣版元株式会社株式会社の営業を通じてくり広げられる能力者たちとの熾烈なる社会人系能力者バトル。姿の透けている同僚、夢を操る得意先、そして謎の代表取締役ある秘密のため会社を暗躍する田西を社会の不条理が襲う。「やさしさとは何か?」
文学フリマで公開し賛否両論を巻き起こした大人向け荒唐無稽。
『菌 くさびら』

Kindle版/300円
表紙絵:西本愛
頒布ブース: Amazon
〝働きたくない〟ゼロ年代の空気感を封入したパンキッシュな口語文体。
下北沢界隈の働きたくない人々から絶大な支持を受けている表題作ほか、「自意識が大きくて割と男前な器用貧乏の文系男子」のみから局地的に人気のある『メロン』と、団地妻による『くさびら便覧』をカップリング。「働きたくない」ひとのための文学がここに。
無職のときにだけ輝く四畳半の想像力がある。その場から動くことなく、リモコンひとつで世界をひれ伏させ、あらゆる異性を虜にするその力。それは無色透明になるのとひきかえに神から与えられた、精神の玉座なのだ―――。
◆◇◆◇◆◇◆関わった本たち◇◆◇◆◇◆◇
『6×9=53+1』

著者:鈴木真吾、上住断靱、桜井夕也、犬尾春陽、栗山真太朗、山本清風
頒布ブース:[エ-57]C-ROCK WORK、ほか
90年代ロックアンソロジー『6×9=53+1』(ロックはゴミのひとつ上)に、V系をモチーフとした現代小説「死ぬほど君のクレイジーなヴォイスが、いつかまた、聴きたい。」を寄稿。けっこう魂込めた。
『絶対移動中vol.15 猫とにんげん』

著者:伊藤鳥子、霜月みつか、くりまる、業平心、添田健一、石井千湖、伊藤なむあひ、栗山真太朗、なかの真実、永島奈津子、志方尊志、ただのデブ、秋山真琴、三糸ひかり、有村行人、高橋百三、山本清風
頒布ブース:[イ-62]絶対移動中
小説中心の文芸雑誌『絶対移動中』猫特集に、明治文学的な空気のなか猫の愛らしさと男のエゴが綴られる「猫にかまれて」を寄稿。左手のみで書かれた実験作。
『文学フリマ非公式ガイドブック小説ガイド2014年春』

新書版/200円
最高責任編集者:高村暦
責任編集者:秋山真琴、山本清風
頒布ブース:[B01]文学フリマ非公式ガイドブックほか多数
文学フリマに参加する一次創作小説を対象に、有志で紹介する『小説ガイド』には二期目の責任編集者として参加、推薦と評定も担当。謝罪のメールをたくさん書いた。
―――では、余の自撮りでお別れである。あなたがたも文学フリマで山本清風と、馘首。
