音楽家とリハビリ鍼灸 | リハビリ鍼灸@吉祥寺 いけちゃんのブログ

音楽家とリハビリ鍼灸

本日は、音楽家とリハビリ鍼灸についてお話します。

私が今まで臨床経験がある音楽家は、
ギタリスト、ピアニスト、バイオリニスト、声楽家、ゴスペルシンガー等ですが、みなさんに共通して言えるのは、
身体を使って表現する仕事なのに、
実は身体の事をあまりよく知らないで使っている

ということです。

スポーツの世界では、競技をするうえで身体を使うことが当たり前、
また怪我(=障害)は付きもの。
ゆえに、専任トレーナーや理学療法士がついているのは、
よくあることです。

しかし。
音楽の世界も、身体を使って表現しているにも関わらず、
トレーナーが付いているわけでもないので、
我流で身体を使い込んでいる部分があると感じるのです。
そのため、そのヒト自身の身体に合わない使い方をした結果、
使いすぎ障害や怪我が起こることになります。
また、演奏上の技術の部分で身体を使い込んでいるためか、
部分的な故障を訴えられる事が多いです。

しかし、この場合、局所の治療をすればいいとは言えないことが多いです。
たいてい、身体全体のバランスの不均衡が生じているのです。
例えば、右半身と左半身の筋力に差があるとか、
上半身と下半身のバランス不安定とか。
(音楽家独特の身体の使い方に見慣れてないトコロが、
症状の原因を見逃すのは、このあたりかと思います。)
私の場合は事細かに見ていくので、個々の筋力だけでなく、
その使い方のバランスの不均衡さが明らかになることがあります。

そこで、治療になるわけですが。
もちろん、故障している部分に治療を施します。
ただし、鍼灸だけでは、
筋力を増やしたり、
アライメント(関節や骨の均衡する位置関係)が改善することは難しいです。
やはり、身体のアンバランスさが原因なので、それを改善するために
運動療法を加える必要

が出てきます。

このため、私の場合は、鍼灸と運動療法がメインとした治療となります。
治療室で鍼灸をし、ご自宅で出来る運動療法を指導することで、
ご自身の身体の改善を促します。
リハビリ鍼灸@吉祥寺 いけちゃんのブログ-リハビリ手順
指導するのは、自宅にあるモノできる運動です。
(特別な機械などいりません(笑))
もちろん、奏法に影響する可能性があるのを考慮しており、
十分な動作分析の結果、
個々の身体に合ったキメ細かなプログラムを作成しております。
そして、ある程度身体が出来あがってくれば、故障する頻度も減るので、
あとは日々のメンテナンスとして治療していくことになります。

音楽家それぞれに専任のトレーナーがつくのが理想なのでしょうが、
今の日本じゃ難しいのでは…。
せめて、音楽家として、長く活動できる身体をつくる。
私は、そのサポートが出来ればと思っております。