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 進リハの集いの精神科セミナーでは、「精神科作業療法の枠で診療報酬を請求しているセラピストも対象者の身体機能を評価し治療する必要がある」といったことの重要さを繰り返しお伝えしてきました。

 今回、再び精神科セミナー開催させていただくにあたり、精神疾患から考える身体アプローチの必要性を挙げてみました。

 

 高齢者の精神疾患といえば、気分障害が認知症と並んで頻度が高いと言われています。ある調査によると、高齢者のおよそ25%がうつ病ないし臨床的に明らかな抑うつ状態であると認められています。

 臨床的な特徴としては、不安・焦燥感が強い、心気傾向を示すことが多い、遷延しやすい、妄想形成しやすいことが挙げられます。

 また、背景因子としては、家族の死別といった人的な喪失、体力低下などといった身体機能の喪失、仕事の退職による社会的役割や安定収入の喪失という喪失体験が大きな特徴だそうです。

 ここまで聞いていて、臨床像的にも確かにそうだよな、でも年をとってくると当たり前のことじゃないのと考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 この当たり前の老化現象なのでは…という考えが大きな落とし穴なんです。当たり前に感じてしまうことで、周囲や自身もうつ病に対して過小評価をしてしまい、未治療のまま進行してしまうという人も多いそうです。そのほか、未治療を進める原因として、抑うつ状態は慢性疾患(腰痛など)や疼痛の存在、認知機能障害やアルコール乱用のからも生じるため、より診断や治療を困難にさせます。また、精神疾患に対する考え方として、自身よりも生活体験時間が少ない若者に状態を語っても理解は得られないだろうと考える方も多いため、中々治療を受けるという考えに至らないようです。

 

 皆さまの臨床や周囲の様子を振り返るといかがでしょうか。次回はいったいどのように評価をして治療を進めていくのかをお話しします。

 

 最後までお読みいただきありがとうございます。