世界初のiPS移植実施 目の難病患者に、神戸の医療機関で | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

世界初のiPS移植実施 目の難病患者に、神戸の医療機関で

人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の難病治療を目指す理化学研究所などのチームは12日、iPS細胞から作った網膜細胞を患者に移植する手術を先端医療センター病院(神戸市)で実施したと発表した。iPS細胞が臨床に応用されたのは世界初で、再生医療での実用化に向けて大きな一歩となった。
同病院の平田結喜緒病院長、理研の高橋政代プロジェクトリーダーらが同日夜、神戸市内で記者会見し、手術の結果などを説明する。
理研などによると、移植手術を受けたのは「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑(おうはん)変性」という目の難病で、既存の治療法では効果がなかった患者。自分の皮膚細胞から作ったiPS細胞を使って、網膜の働きを助ける網膜色素上皮細胞を作り、シート状に加工して病変部に移植した。
移植は高橋氏らが進める臨床研究として実施。安全性の確認が主な目的で、1年間の経過観察と3年間の追跡調査で腫瘍ができないかなどを調べる。
チームは昨年2月、厚生労働省に臨床研究の実施を申請し、同7月に承認。厚労省の審査委員会は今月8日、使用する細胞の安全性に問題はないとして移植を了承した。
iPS細胞は体のさまざまな細胞に分化できる万能細胞の一種。京都大の山中伸弥教授が平成19年にヒトで作製に成功し、24年にノーベル医学・生理学賞を受賞した。
別の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)が受精卵を壊して作るため倫理問題を抱えているのに対し、皮膚から作れる利点があり、病気やけがで損傷した組織を復元する再生医療への応用が期待されていた。
加齢黄斑変性は、網膜の中心にある黄斑という部分が老化により機能低下を起こし、視力が低下する病気。患者数は近年、急増している。iPS細胞を使った移植治療でも視力はやや改善する程度だが、チームは根治療法になる可能性があるとみて研究を進める。
(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140912/scn14091217200005-n1.htm

iPS細胞:世界初の移植手術 目の難病患者に
理化学研究所などが進めるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を目の難病治療に使う臨床研究で、iPS細胞から作った網膜色素上皮細胞を70代の女性患者(兵庫県)に移植する手術が12日、共同研究機関の先端医療センター病院(神戸市中央区)で実施された。iPS細胞から作った細胞を患者に移植したのは世界で初めて。安全性の確認が手術の主な目的だが、視力の改善など有効性も調べる。iPS細胞の臨床研究はパーキンソン病や重症心不全なども控えており、今回の手術はiPS細胞を活用した再生医療実現への第一歩と位置づけられる。
臨床研究の対象は、悪化すると失明の恐れもある「滲出型(しんしゅつがた)加齢黄斑変性」。昨年8月、理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の高橋政代・プロジェクトリーダー(53)を中心に開始。目の網膜中心部(黄斑部)の傷ついた色素上皮細胞を摘出し、代わりにiPS細胞から作製したシート状の色素上皮細胞を移植する計画を進めていた。理研が、患者の皮膚細胞から作ったiPS細胞を使って細胞シートを作製し、先端医療センター病院が移植手術を担当した。
研究チームによると、投薬を中心とする現在の治療法では傷ついた網膜の修復はできず、今回の手術を受けた患者もこれまで治療を続けてきたが、症状が悪化していたという。
手術は、異常な血管ができて傷ついた色素上皮を専用の器具で取り除き、縦1.3ミリ、横3ミリの色素上皮細胞のシートで置き換えた。患者は3~7日後に退院し、定期的に検査を受ける。計6人の手術を計画しているが、2人目以降の時期は未定だ。
研究チームによると、色素上皮がiPS細胞治療の最初の臨床研究対象に選ばれたのは▽移植する細胞の数が少なくて済む▽がん化しにくい▽移植後の詳細な観察が可能--などが挙げられる。しかし、第1号だけに、iPS細胞や細胞シートの安全性の確認は慎重に行われ、患者の皮膚採取から細胞シート作製まで約10カ月かけた。
ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長(52)がiPS細胞を開発した当初は、がん遺伝子やウイルスを利用したためがん化が実用化への課題だった。今回は、山中所長らの最新の研究成果を生かし、がん遺伝子やウイルスを使わない方法を採用。マウスへの移植でがん化しないことも確かめた。
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20140913k0000m040001000c.html

iPS細胞の移植手術を実施 理研、世界で初めて
理化学研究所などのチームが12日、目の難病患者の皮膚から作製したiPS細胞(人工多能性幹細胞)を網膜の組織に分化させ、患者に移植する手術を実施したと発表した。iPS細胞を使った治療を人で試すのは世界初。手術の安全性を確認するのが目的で、計6人に実施する予定だ。同日夜に記者会見する。
理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の高橋政代プロジェクトリーダーを中心に研究を進め、先端医療振興財団(神戸市)の先端医療センター病院が手術を実施した。
手術を受けたのは、網膜の下の細胞が傷み、視力が落ちたり視界がゆがんだりする難病「加齢黄斑変性」の患者。兵庫県在住の70代の女性という。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG9C5QJKG9CPLBJ005.html

理研、目の難病にiPS細胞で世界初の手術
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと先端医療センター病院(ともに神戸市)は12日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った網膜細胞を、目の難病「加齢黄斑おうはん変性」の患者に移植する臨床研究の手術を行ったと発表した。
様々な組織や臓器の細胞に変化させられるiPS細胞を用いた治療は世界で初めて。
理研の高橋政代・プロジェクトリーダーらが移植用細胞の作製を、同病院の栗本康夫・眼科統括部長らが移植手術を担当した。
発表によると、患者は兵庫県在住の70歳代女性。数年前から症状の進行を食い止める治療を受けたが効果はなく、視力が徐々に低下していた。
手術計画では、全身麻酔をかけた後、目の表面に穴を開け、傷んだ網膜組織や、異常な血管を除去。その部分に、管状の特殊な器具を使って網膜細胞のシートを貼り付ける。手術は同病院でこの日午後1時40分頃に始まり、午後4時20分に終了した。
高橋氏らは患者の選定基準に従い、女性を第1例患者に選んだ。女性から採取した皮膚細胞に6種類の遺伝子を入れて、iPS細胞を作製。さらに特殊なたんぱく質を加えて約10か月かけて培養し、長さ3ミリ、幅1・3ミリの短冊状の細胞シートに加工した。
加齢黄斑変性は、網膜の中央にある「黄斑」を構成する細胞の一部が傷み、視界の中央がゆがんだり黒く欠けたりする病気。注射薬やレーザーで治療するが、完治はせず、患者によっては効果がないこともある。
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140912-OYT1T50105.html

世界初iPS手術、目の難病に実施 理研と先端医療財団
理化学研究所と先端医療振興財団(神戸市)は12日、神戸市にある同財団先端医療センター病院で、iPS細胞を使った世界初の臨床研究として目の難病患者に手術を実施した。京都大学の山中伸弥教授が世界に先駆けてマウスの細胞からiPS細胞を作り出したのが2006年。いよいよ医療応用に向けた動きが本格化する。
手術をしたのは「加齢黄斑変性」と呼ぶ難病を持つ兵庫県に住む70代の女性。この病気は年齢とともに視力が低下し、症状が進むと失明することもある。
理研の高橋政代プロジェクトリーダーを中心とする臨床研究で、細胞を移植する手術は同病院の栗本康夫・眼科統括部長が主導した。今回は移植した細胞が体内でがん化しないかなどの安全性の検証を主な目的としているが、症状改善にも期待を寄せている。
iPS細胞は病気やケガで損なわれた臓器などの機能回復を目指す再生医療の「切り札」といわれる。国も日本発の先端技術の実用化と普及を積極的に後押ししている。iPS細胞を作製した山中教授は12年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
今回の目の難病に続き、手足などが震えるパーキンソン病や、脊髄損傷などでもiPS細胞を治療に役立てようとする計画が進んでいる。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGG1200D_S4A910C1000000/

iPS、世界初の移植手術 目の難病患う70代女性に
理化学研究所と先端医療センター病院(神戸市)は12日、さまざまな細胞に成長できる人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞を、目の難病「滲出型加齢黄斑変性」を患う兵庫県の70代女性に移植した。iPS細胞から作った細胞を人体に入れる手術は世界初。
がん化などの問題が起きないか確認するのが主な目的。京都大の山中伸弥教授が開発したiPS細胞を利用する再生医療の今後を占う手術として注目される。
理研などによると、患者の女性の皮膚から採った細胞に遺伝子を導入し、iPS細胞を作製。さらに目の網膜の色素上皮細胞に成長させ、移植用のシートを作った。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014091201001410.html

iPS臨床、初の移植=目の難病患者に-安全性、効果検証・理研など
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた世界初の臨床研究を進めている理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)などのチームは12日、目の難病を患う兵庫県内の70代女性に、iPS細胞から作った網膜の細胞を移植する手術を行った。
臨床研究の主な目的は安全性の検証。移植した細胞が根付くか、がんになる危険がないかなどを4年かけて確認する。視力回復の効果があるかも合わせて調べる。
研究代表は高橋政代理研プロジェクトリーダー。手術は先端医療センター病院(同)で栗本康夫医師らが担当した。
移植の対象は、網膜に異常な血管が生えて視力が低下する「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者。薬など従来の治療では効果が得られない人を選んだ。
手術では、網膜のうち光を感じる「神経網膜」に栄養を送る「色素上皮」の傷んだ部分を除去。患者の皮膚から作ったiPS細胞を色素上皮の細胞に変え、シート状にしたものを代わりに移植する内容だ。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014091200694

山中教授が全面支援=発表前に提供、ゲノム解析も-iPS臨床
iPS細胞を使った世界初の移植手術が実現するまでには、開発者でノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京都大教授の全面的な支援があった。
山中教授が所長を務める京大iPS細胞研究所は、iPS細胞を作る際に必要な環状DNA「プラスミド」を理研に提供した。理研の高橋政代プロジェクトリーダーは「論文の発表前から、前よりいいプラスミドができたら提供してもらってきた」と明かす。
さらに同研究所は、臨床手術で用いるiPS細胞の全遺伝情報(ゲノム)解析を実施。山中教授は今月、厚生労働省の審査委員会で解析結果を報告した。審査委は報告内容を検討し、移植実施に問題がないと判断、手術が可能になった。
高橋氏は山中教授がノーベル賞の受賞後、臨床研究をPRしてくれたと紹介。「常に精神的にも応援してもらっている」と話している。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014091200713

iPSから網膜細胞 世界初の移植手術実施 神戸
先端医療センター病院(神戸市中央区)と理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(同)は12日午後、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から網膜色素上皮細胞を作り、目の難病患者の網膜を再生させる臨床研究で、1例目の移植手術を実施したと発表した。iPS細胞から作った細胞が人の体に移植されるのは世界初。
患者は失明の恐れもある難病「滲出型加齢黄斑変性」で、兵庫県内の70代女性。同病院などは皮膚組織を採取してiPS細胞を作り、網膜色素上皮細胞に変化させシート状にして移植した。今後、腫瘍ができないかなどの安全性や、視野の改善などの効果を検証する。
(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201409/0007324118.shtml

世界初iPS細胞使った手術実施
神戸市にある理化学研究所などの研究チームは、iPS細胞を使って目の網膜の組織を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させようという世界初の臨床研究の手術を、12日実施したと発表しました。
手術を受けたのは「加齢黄斑変性」という重い目の病気の70代の女性で京都大学の山中伸弥教授が開発したiPS細胞が、実際の患者の治療に使われた初めてのケースになります。
(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140912/t10014562731000.html

世界初の手術 iPS細胞の網膜を移植
ノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授が開発した万能細胞「iPS細胞」から作られた組織を患者に移植する、世界で初めての臨床手術が12日に神戸で行われた。
世界で初めての手術は、神戸の理化学研究所の隣にある病院の中で行われた。この手術は患者の目の網膜にiPS細胞から作られた組織を移植するもので、手術は無事に成功した。
患者は70代の女性で、片方の目の網膜組織に傷がつき、視力が急激に低下する「加齢黄斑変性」という難病を抱えている。
この手術は、目の再生医療の第一人者である理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらが計画してきた。高橋氏たちは、患者の皮膚からiPS細胞を作製。約10か月間培養して、シート状の網膜組織に変化させた。
シートを移植する手術は、眼科医をはじめ、8人ほどの医療チームが、3時間弱かけて行った。高橋氏は執刀はしていないが、手術室で見守ったという。順調にいけば、患者は2~3か月後に症状の改善が見られるようになる。現在、患者は麻酔から目覚め、容体は安定しているという。
iPS細胞を使った臨床研究は神経細胞や血小板など他の組織でも進められており、今回の1例目の治療の行方に注目されている。
(日テレNEWS24)
http://news24.jp/articles/2014/09/12/07259042.html




久しぶりにブログ更新したらえらいビッグニュースが飛び込んできました!!
ついに始まったようです。

今後に期待しつつ、冷静に見守りましょう。