iPS臨床研究、厚労省部会も了承 世界初の臨床研究へ | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

iPS臨床研究、厚労省部会も了承 世界初の臨床研究へ

理化学研究所などが計画しているiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った「加齢黄斑変性」という目の病気治療の臨床研究について、厚生労働省の厚生科学審議会科学技術部会は12日、計画を了承した。国の審査はこれで全て終了し、厚労相が今月中にも正式に承認する。iPS細胞による世界初の臨床研究となり、来年夏にも患者への移植手術が行われる。
臨床研究は同省の審査委員会が6月下旬に了承しており、上部機関の科学技術部会が妥当性を再確認した。厚労相は近く厚生科学審議会長の答申を受け、承認を文書で通知する。
臨床研究は理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらが計画。移植を行う先端医療センター(同)とともに2月、厚労省に申請した。
加齢黄斑変性は光を受け取る目の網膜の中心にある黄斑部が、老化でできた異常な血管によって傷付き、視力が落ちる難病。臨床研究は日本人に多い「滲(しん)出(しゅつ)型」の50歳以上の患者6人を対象に行う。
患者自身の皮膚を採取してiPS細胞を作製し、網膜の働きを助ける網膜色素上皮細胞に分化させて移植する。研究は安全性の確認が主な目的で、経過観察を含め約5年間実施する。
(SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130712/cpc1307121709002-n1.htm

iPS細胞:臨床研究の実施計画を了承…厚生科学審部会
厚生労働省の厚生科学審議会科学技術部会(部会長・永井良三自治医大学長)は12日、理化学研究所などが申請していた、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を目の病気「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の治療に使う臨床研究の実施計画を了承した。同部会の下にある審査委員会が移植前に遺伝子異常の有無を審査するなど、安全体制を盛り込んだ。世界初のiPS細胞の臨床応用に向け、近く厚労相の了承を経て手続きが完了する。
実施計画は、理研などが今年2月28日に厚労省に申請し、6月26日に審査委が承認した。将来的にがん化するリスクを減らすため、iPS細胞の詳細な遺伝子解析をして研究機関の倫理委員会と厚労省の審査委に報告し、さらにがん研究の専門家から評価を受けることなどを理研側に求めた。iPS細胞の作製から患者への移植実施までの間に、改めて安全性を審査する体制を盛り込んだ上で、同部会として了承した。
幹細胞を使った臨床研究で、国が移植前の段階で研究機関に詳細な報告を求めるのは初めて。審査後、永井部会長は「iPS細胞は未知の細胞。とにかく慎重に進めてほしい」と述べた。
iPS細胞を使った臨床研究は、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーらが計画した。目の網膜中心部の「黄斑」が傷ついて視野がゆがんだり暗くなったりし、悪化すると失明に至る「加齢黄斑変性」の患者のうち、網膜の裏側に余分な血管が生える「滲出(しんしゅつ)型」が対象。薬が効かない患者6人を選び、早ければ来年夏にも移植が実施される。
(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20130713k0000m040111000c.html

iPS臨床研究を了承 厚生科学審、来夏にも移植
厚生科学審議会(厚労相の諮問機関)の科学技術部会は12日、理化学研究所などが申請していたiPS細胞を使う臨床研究計画を了承した。7月中にも厚労相が正式承認した上で、目の難病の加齢黄斑変性の患者を対象に、来年夏にも移植手術が実施される見通しだ。
同省の審査委員会が6月26日に臨床研究計画を承認した。今回は上部組織である科学技術部会で、臨床研究計画が妥当かどうかを審議した。
iPS細胞から作った組織は移植すると患者の体内でがんになりやすい問題がある。委員からは対処法などについて質問が出たが、反対意見はなく、了承された。永井良三部会長は「未知の細胞を使うため、とにかく慎重に研究を進めてほしい」と注文をつけた。
厚生科学審議会への報告を経て厚労相に答申する。2~3週間後に厚労相が了承の意見を出す見通し。これを受けて理研などが移植手術を実施する患者の選定を始める。
臨床研究は理研の高橋政代プロジェクトリーダーらが計画している。加齢黄斑変性の患者の皮膚から作ったiPS細胞を目の網膜の細胞に育て、シート状に加工したうえで、患部に移植する。手術や細胞の安全性を確かめるのが主な目的だ。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1203W_S3A710C1CR8000/

iPS医療、2年で承認 治療・創薬の安全基準統一
政府、開発期間短く

iPS細胞を用いた再生医療や創薬の実用化に向け、官民による開発や環境整備の動きが加速してきた。政府は再生医療と創薬で異なっていた安全基準を統一し、開発期間を最短2年と今よりも3分の1に短くする。武田薬品工業など35社・団体はiPS細胞の創薬に関する基礎試験データを共有し、実用化までの期間を短くする。
日本はiPS細胞の研究で先行しており、世界に先駆けて開発を急ぐ。再生医療は医療産業の競争力強化の中核で企業の参入が相次ぐ見通しだ。昨年ノーベル賞を受賞した山中伸弥京都大学教授が開発したiPS細胞は心臓や肝臓など体の様々な組織に育つ性質を持つ。がんや難病治療への応用が期待されている。
経済産業省、厚生労働省、文部科学省は10日、iPS細胞をつくる際の安全基準を定めるための産官学による初会合を開いた。今秋までに基準の原案をつくり、2014年中には施行する。
これまでは医師法が細胞の移植など再生医療の安全基準を定める一方、薬事法が製薬の基準を定めていたが、基準の一部を統一する。
iPS細胞は再生医療と製薬の双方で実用化される可能性がある。細胞の培養などの安全基準が違うと「開発が二度手間になるおそれがあった」(経産省)ためだ。基準そのものも簡素にすることで、治療法の開発から承認にかかる期間を7年から2年に短縮できるという。
政府はiPS細胞を用いた治療法の開発にかかわる安全基準を世界標準とすることもめざす。国内メーカーの海外での競争力が高まり、医療機器の輸出拡大につなげたい考えだ。
民間企業でも創薬応用に向けた動きが加速してきた。武田薬品、第一三共などは、各社が実施するiPS細胞を用いた薬の安全性の評価試験結果を共有することにした。産学の連携組織を設立し、京大iPS細胞研究所や大阪大学などの専門家らが助言する。
各社が膨大な数の化合物の中から新薬候補を絞り込むには時間やコストがかかる。一部のデータを共有すれば、その分、開発期間が短縮でき、コスト削減につながる。
厚労省の審査委員会は6月下旬、理化学研究所などが申請していたiPS細胞を用いた目の難病治療の研究計画を承認した。早ければ14年夏にもiPS細胞を用いた国内で初の治療が始まる。さらに細胞の培養の委託先を医療機関だけでなく企業にも広げる法案が今秋の国会で成立し、医療機器メーカーなどが開発に参入する動きが相次ぐ見通しだ。
再生医療が実用化に至った件数は12年末時点で欧州が20品目、韓国が14品目に達した一方、日本は2品目にとどまっている。一方、再生医療の世界市場規模は50年には38兆円に達するとの試算もある。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF1000R_Q3A710C1MM8000/

初のiPS臨床、厚労省部会も了承 来夏以降、移植へ
iPS細胞(人工多能性幹細胞)を初めて人に使う臨床研究について、厚生労働省厚生科学審議会の科学技術部会が12日、計画を了承した。近く、了承の正式な意見書が厚労相から実施機関の理化学研究所(神戸市)などに送られ、研究が始まる見通しになった。
臨床研究の対象は、目の難病の加齢黄斑変性。この日の部会では、実質的な審査を担当した下部組織の審査委員会からの質問と理研からの回答が公開された。審査委は6月に「計画は科学的、倫理的に妥当」との意見をまとめて終了しているが、非公開だった。
計画では、患者の皮膚の細胞からつくったiPS細胞を、網膜の色素上皮の細胞に変化させ、シート状に加工して手術で移植する。移植した細胞ががんにならないかなど、安全性の確認が主な目的。患者6人を対象にし、最初の移植は来夏以降になる見込み。
(朝日新聞)
http://apital.asahi.com/article/news/2013071200016.html

世界初のiPS臨床実施を承認、6人の網膜再生
厚生労働省の厚生科学審議会科学技術部会(部会長=永井良三・自治医科大学長)は12日、理化学研究所などが申請していたiPS細胞(人工多能性幹細胞)で目の難病「加齢黄斑変性」を治療する臨床研究の実施を了承した。
山中伸弥・京都大教授がiPS細胞の作製を発表してから約7年。世界初の再生医療が月内にも厚労相の承認を得て早ければ来年夏に始まる。
加齢黄斑変性では、目の奥にある網膜の一部に異常がおき、視界の中央がゆがんだり黒く欠けたりする。
理研の高橋政代・プロジェクトリーダーらは、患者の皮膚の細胞からiPS細胞を作り、網膜の細胞シートに変化させて、目に移植する臨床研究を計画。2月末、厚労省に申請した。対象患者は薬などによる既存の治療法で効果がない50歳以上の6人となる。
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130712-OYT1T01117.htm

iPS臨床計画を承認=月内にも正式決定-目の難病で・厚労省
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の難病患者を治療する世界初の臨床研究計画について、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会は12日、公開審査を同省で開き、計画を了承した。早ければ今月中にも厚労相が正式承認し、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)などが臨床研究を始める。
部会では、下部組織の審査委員会が3~6月に非公開で行った審議の概要が示された。
永井良三審査委員長は、(1)患者の細胞に遺伝子を送り込んでiPS細胞を作る際に使う物質が安全か(2)目の細胞に変えた後、この物質が残らないか(3)がんになる危険性(4)外部のウイルスが混入しないか-を集中的に議論したと報告。がん化の危険性を判断するため、作製した細胞の全遺伝情報(ゲノム)を調べ、移植前に委員会に報告するよう理研に求めたと説明した。がん研究者の意見を聞くことも要求したという。
部会は研究者のほか、日本医師会幹部や報道関係者も委員を務めている。委員らは「患者が不安を感じた時に相談する態勢はあるか」などと質問した上で、計画を認めた。
(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a3%e9%a3%d0%a3%d3%ba%d9%cb%a6&k=201307/2013071200551

世界初のiPS臨床研究を了承 厚労省部会、安全報告求め
厚生労働省の科学技術部会は12日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って目の病気の患者の網膜を再生する世界初の臨床研究を了承した。早ければ7月中に大臣が了承意見を出し、臨床研究に向けた手続きは終了する。
大臣意見を受け、理化学研究所と先端医療センター(神戸市)は研究に着手、患者への移植手術は来年になる見通し。科学技術部会の下部組織である審査委員会が6月26日に承認し、実質的に審査を終えていた。
科学技術部会は人の幹細胞を使う臨床研究としては初めて、開始後にも安全対策の実施状況を国に報告するという条件を付けた。
(47NEWS)
http://www.47news.jp/CN/201307/CN2013071201001763.html

iPS臨床研究 条件付き了承 厚労省部会
iPS細胞を使って目の網膜の一部を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させる世界で初めての臨床研究について、厚生労働省の科学技術部会は研究の課程を国に報告しながら慎重に進めることを条件に実施を了承しました。
この臨床研究は、「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者の網膜の一部をiPS細胞を使って再生し、失われた視力を回復させようというものです。
神戸市にある理化学研究所などの研究チームが実施を申請し、先月26日、厚生労働省の専門家で作る審査委員会が了承したのを受けて、12日は法律家なども入った科学技術部会で審議が行われました。
部会では、研究計画の妥当性を検討した結果、移植する細胞ががん化しないかなど、研究の過程を国に報告しながら慎重に進めることを条件に、研究の実施を了承しました。
これで国による審査は事実上終了し、数週間後をめどに田村厚生労働大臣が了承する意見を出す見通しです。
今後、研究チームは臨床研究に参加する患者を選ぶ作業に入り、来年夏にも、神戸市にある先端医療センター病院でiPS細胞から作った目の網膜の組織を「加齢黄斑変性」の患者に移植する世界で初めての手術が行われる見通しです。
(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130712/k10013013871000.html

世界初のiPS細胞を使った臨床研究、事実上決定
世界初のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った臨床研究が事実上決定した。
この臨床研究は、加齢とともに網膜の一部が変化して視力が低下する、加齢黄斑変性を、iPS細胞を使って治療するもの。
厚生労働省の専門部会は12日、臨床研究の計画を認め、研究実施が事実上決まった。
今後、厚生労働相から正式決定の通知が出され、2014年夏にも世界初となる臨床実験が始まる見込みとなっている。
(FNNニュース)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00249781.html

世界初のiPS細胞を使った臨床研究、2014年夏にも開始へ
世界初のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、目の難病の加齢黄斑変性を治療する臨床研究の計画が、12日の厚生労働省の専門部会で了承され、臨床研究が2014年夏にも始まることが事実上決定した。
加齢黄斑変性は、年齢を重ねるとともに、目の網膜の一部が変化して視力が低下し、失明に至ることもある病気。
理研などによる臨床研究は、iPS細胞から作られた網膜細胞シートを最大4年ほどで6人に移植し、移植後、1年間の観察を行うもの。
厚生労働省は、12日に開かれた厚生科学審議会科学技術部会で、この臨床研究の計画を最終的に議論した結果、計画を了承することが決まった。
来週にも田村厚労相から正式決定の通知が出されることになる。
iPS細胞から移植に使う網膜細胞シートを作るには、およそ10カ月必要になるため、早くて2014年夏にも世界初の臨床研究が始まる見通し。
(FNNニュース)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00249788.html




iPS臨床研究を了承 厚労省審査委 来夏にも世界初の移植へ
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