iPSで作った角膜移植、3~4年後めどに開始 | 再生医療が描く未来 -iPS細胞とES細胞-

iPSで作った角膜移植、3~4年後めどに開始

大阪大の西田幸二教授(眼科)は16日、東京都内で開かれた日本眼科学会の講演会で、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から角膜の組織を作り目に移植する臨床研究について、「3~4年後をめどに始めたい」と発表した。
臨床研究は、iPS細胞から作った角膜の細胞を増やしてシート状にした後、角膜が傷ついている患者の目に貼り、視力の回復をめざす。作製するのは角膜表面の「角膜上皮細胞」と、内側の「角膜内皮細胞」の2種類で、患者は目のけがや、角膜が傷ついて視力が下がる難病「スティーブンス・ジョンソン症候群」などの病気が対象となる。
また、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは同じ講演会で、iPS細胞を使って網膜の視細胞が減る難病「網膜色素変性症」を治療する臨床研究について、5年後をめどに始める見通しを明らかにした。同研究所は、iPS細胞を使って目の難病「加齢黄斑変性」の治療を行う臨床研究を、すでに厚生労働省に申請している。
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130516-OYT1T01290.htm?from=ylist

阪大、角膜治療でiPS臨床研究 3~4年後目指す
大阪大の研究チームは、角膜損傷の患者を対象に、様々な細胞に成長できるiPS細胞を使った再生医療の臨床研究を3~4年後を目標に始める。患者の血液をもとに作ったiPS細胞から角膜シートを作製し、損傷部に移植する。ドナー不足が深刻な角膜移植に代わる新たな治療技術として実用化を目指す。
臨床研究計画は日本眼科学会と日本眼科医会が16日に東京都内で開いた記者会見で西田幸二大阪大教授が明らかにした。
臨床研究では、採取しやすい患者自身の血液からiPS細胞を作る。角膜の上皮細胞と内皮細胞に育ててシート状にして角膜の損傷部に貼り、がんができずに視力が回復するかを確認する。
角膜に炎症が起きたり、薬剤で傷ついたりすると視力障害が起きる。治療には死亡した人からの角膜移植が必要だが、ドナー数は不足気味で、国内の待機患者数は約2600人とされる。
iPS細胞を使った臨床研究は、理化学研究所などが目の難病「加齢黄斑変性」で計画中。厚生労働省の審査が通れば今年秋にも始まる見通し。
(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1604X_W3A510C1CR8000/