(「エピソード・ナンパ」の続き)
髭の中年男は、続けてビナンシーに、
「私の名は、フェムト。他のホシから来た。」
ビナンシーには、テレパシーで そう聞こえる。
「ホシってなに?」
ビナンシーは、怪訝そうにな顔をして言った。
フェムト
「あーそうか。まだ分からなかったね。あなたたちは、
アースっていう まるいホシに住んでいる。私たちは
その外のホシから、この船に乗って来たんだよ。
宇宙や海の中だって航行できるんだ。 スゴイダロー。」
ビナンシー
「わけのわからないこと言って~。結局船の自慢をした
いのかな?このオヤジめ!!」
フェムト
「まぁ~そんなことはどーでもよい。ここでは、レーザー
光線を使って、位相変調型空間光変調装置というもの
だが、特殊なガラスに情報を焼き付けているんだ。」
ビナンシー
「レーザー? 位相・・変調・・・?さっぱりわからんよ。」
フェムト
「記録装置だよ。あなた方が筆を使って紙に書き残すものが
もっと進化したものと考えてよい。
大量の情報を集約して、何億年も伝え残すことができるんだ。」
ビナンシー
「へ~。 あっそうだ--!助けてくれてありがとう!まだお礼を
言ってなかったね。失礼! でも、なぜ俺を助けたの??」
フェムト
「いいところに気付いた! ほかでもない。あなたの親父さんは、
とってもいい人我々の゛アース人間人気投票"でも毎年1位か
2位を占めてる。」
ビナンシー
「マナンシー親父のことか?知らないところで、勝手にそんなコン
テストやってんだ---!本人には何の賞品も届いてないぞー。」
フェムト
「まあまあ。親父さんをほめてるんだから許してよね。話を先に
進めよう!あなたのホシでは、絶えず争いが起きている。
親父さんも、広い地域を統治するのに苦労されているのだ。
そこで、争いを鎮静化させるための知恵とも言うべき情報を
この特殊ガラスに焼き付けた。
これを親父さんに届けたいんだが、我々の姿を見せるわけには
いかない。
そこで、あなたに聞きたいことがある。親父さんがよく好んで行く
場所や好みの物はありますか?そこで、自然なシチュエーション
でモノが渡るよう、工作したいのだ。」
ビナンシー
「ナガーユ郷によく、温泉に入りに行ってるよ。毎週日曜日だな。」
「それから、健康食品にハマってるよ。でもそんなモノ渡しても使う
ことができるのかな~?」
フェムト
「だ~いじょうぶ~。作るのには、高度な技術と機械が必要だが、
中の情報を取り出すのは、ちょとしたコツさえわかれば簡単に
できるんだ。」
ビナンシー
「そんなもの??」
フェムト
「そんなもんです。」
「あと何か聞くことがあったら・・・・・。」
ビナンシー
「トリセツは全部ひらがなで書いておいたほうがいいかも。
親父は漢字とか苦手だし。」
フェムト
「了解!ありがとう!これで作戦が実行できる。」
ビナンシー
「あのう~、聞くことはそれだけ??俺この先どーなるの???」
フェムト
「私たちの存在を知られた以上、帰すことはできない。私たちと
一緒に仕事をしないか?」
ビナンシー
「これは誘拐だぞー、犯罪だぁ-------。強制労働か------?」
フェムト
「アースの人間の未来のために働くのだ。もっと誇りを持ってく
れい!
本拠地に戻れば、もっとすごい装置があるのだ。宇宙空間の
エーテル流の粒子に特殊な波動を当てて、空間に情報をイン
プットしたり、削除したりすることができる、
゛位相エーテル流変調装置"というやつだ。空間と空間との間を
光速を超えて情報を伝えることもできる。」
ビナンシー
「そんなモノ、一体なにに使ってるのか?
しかし、も----帰れないのね~。
しょーがない。人生あきらめが肝心。
過重労働にならないよう協定書つくってよね!!」
フェムト
「ご協力に感謝する。アース人に栄あれ!!」
この記事はフィクションです
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