姉がビデオを借りて来たと言うからタイトルを見たら「宇宙戦争」だった。せっかくなので又借りして見た。他にもあるらしくてどれどれと見たら「あぁこれは見た事あるよ」ってな感じだった(「スパイキッズ」とか)が、中に「コラテラル」があったからこれも股借りして見た。更にこないだテレビで「マイノリティ・リポート」がやってたからビデオに録画した。


で、まずは「宇宙戦争」。

トム(役名忘れた)は重機のオペレーター。10代後半の長男と小学1年生くらいの長女がいる。妻とはどうやら別れたらしい。妻は別の男性と結婚して、子供二人はトムが引き取った模様。このあたりは僕の想像なのだが、離婚原因は浮気とかではなさそうで、トムが家庭を顧みない浮ついた生活をしていた為に愛想を尽かされたと見えた。従って二人の子供はトムに敬意を払ってはいなくて、トムもトムで、子供たちを可愛がるマイホームパパでは決してない。そういう家庭。

ちなみに、この娘が安達由実の小さい頃にそっくりなのだ。これは生まれ変わりではないかとさえ思ったね。あ、彼女はちゃんとスピードワゴン井戸田君の妻として生きてますが。


おもむろに事態は動き出す。空が一転かきくもり、雷鳴がとどろいたと見るや辺りは黒雲に覆われ始める。人々は「何だあれは?」とばかりに黒雲と、その向こうにばちばちと光る何者かを見上げてる。そのうち、雷かと思えた光が辺りにやたらめったら降り注ぎ始めた。これは・・・レーザービームではないか?

大通りに集まる大勢の人達。道路の真ん中にぽっかり大きな穴が開いている。隕石でも落ちたのかと思っていたら、中から何やらどでかい宇宙船のような怪獣のようなものが出てきた!しかも、そいつはレーザービームを四方に撒き散らし、人々を片っ端から突き刺し始めた!こりゃたまらんっ!

命からがら逃げてきたトムは、娘と長男を抱えて車で逃げ出す。だが、車は電磁波なのか何なのかにやられて動かない。咄嗟に、プラグ?かコンデンサー?かを替えたばかりの人の車を見つけ、それを奪って逃走。さぁ、ゲームの始まりだ!

この辺りから、トムは遊び人のぐうたら親父を返上して子供たちを守る事に専心する。

「あんな怪物相手に、いったいどうすりゃいいんだい?逃げる以外に何か手があるとでもいうのかい?ただひたすら逃げる!それしかないだろ?アーハー?ワッチャネイム?ビッチ!(くそっ)」

ってな感じ。


その後はもうひたすら逃げ惑うのみだ。もし、トムが遊び人パパのままなら、「娘を愛していないのかって?そんな事聞く方がおかしい。愛してるさ、もちろん。シュア~?だけど見ろよ。自分が逃げるので精一杯さ。俺がヤツに食われちまったら誰が娘を守るんだい?自分が逃げるのが先さ。娘はきっと神様が守ってくださるよ。あぁもちろん運がよければだけどね?」

な~んて言いながら一人で行っちまうかもしれない。だけどそれではお話にならず、トムは娘も長男も必死で守るのだ。


逃げる途中、長男は血気盛んに怪物に挑み始める。「俺がやっつけてやる!」

無理だって、そんなの。

トムは懸命に止めようとするが、周囲にはパニック状態の、同様に逃げ惑う市民がいて、娘を放っとけない。仕方なく、長男のいかれた行動を止められずに安達由実を守る事に特化していく。


見ているほうは結構疲れたね。いったいこいつらは何なのだ?わけがわからないまま主人公は次々と危険にさらされる。

劇中、若干の解説が差し挟まれる。この怪物どもは人間が文化を形づくるずっと以前から地中深く潜ったまま潜伏していたという。つまり地球外飛来生物で、この時を待ってたとばかりに地球征服作戦を開始したらしい。


まぁ、結末としては、「星新一のショートショート」を思い切り贅沢に引き伸ばして映画にしちゃった的な、最後には環境問題に石つぶてを投げたっぽいラスト。僕としては、「二人の子を持つ」ただの男が、「最愛の我が子を命がけで守る」真の父親へ成長を遂げた物語、とみる事が出来ました。安達由実もちゃんと守りきったしね。

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