今日の夕方(4月29日です)、TBS系列のニュースを見ていた。あの尼崎列車脱線事故のニュースがトップだった。106人の方が亡くなっていることを思うと、胸がしめつけられる思いを強くする。事故については専門家諸氏が語っているし、今後きちんと原因の究明や調査が行われると思う。

僕が違和感を覚えたのは、そのニュースが伝えられたあとだった。確かに、事故から4日が経過し、現場にはもう誰かはいない。原因究明の手がかりであり、またスクラップと化した鉄の残骸が残されているだけで、現場から伝える事はもうそう多くはないのだろう。それよりも今伝えるべきは、悲しみの告別式や奇跡的に死を免れた方々のインタビューだとばかりに、遺族の声が伝えられていた。 そして問題はそのあとなのだ。

今日はGWの最初の日であるということで、行楽地の様子が伝えられたのだ。それはないだろうと僕は思った。もちろん全国ニュースだから、そういう話題を提供するのもありだろう。伝えるべきことかもしれない。けれども、亡くなった方々はもとより、事故の為に入院を余儀なくされている多くの負傷者(約450人)や、遺族の方々、そしてあまりにも唐突に近しい友人を失った人々には、GWなんてないはずだ。絶対無いはずだ!! 行楽地の様子を伝える前に一本違うニュースをはさむとか、優先順位的にそれができないのなら、民放なんだからCMで一息入れてもいいではないか!沈痛な面持ちだったキャスターが、ころっと表情を変えて明るい日差しの下ではしゃぐ子供たちの姿を伝えるサマは、僕には理解しがたかった。TBSというテレビ局の倫理観を、僕は疑わざるを得ない。 それに比べて、事故から3日目だったと思うが、報道ステーションの河野アナは、亡くなった方々の名前を読み上げながら、あれは間違いなく嗚咽をこらえていた。僕だって彼女の気持ちに同感した。こんなニュース、冷静に伝えるなんてことは、人としての感情を持った人ならすごく大変だと思う。大変なことです。

かけがえのない命を一瞬にして奪われた方々に・・・・・黙とう。