未練がましいったら、もう! | ■RED AND BLACK extra■舞台と本の日記

未練がましいったら、もう!

今日、家に帰ったら友だちからはがきが来ていた。この間、お互い電話がすれ違ってしまったので、わざわざ便りをくれたのだ。普通ならメールをするところだが、彼女はインターネットはおろか、携帯電話もやめてしまったので、こんなふうに手書きでやりとりをすることが多い。


「今も芝居を観ていますか? 一時的に夢中になるものもあるけれど、長く続く趣味こそ、本物なんでしょうね」


彼女にも、静かに長く続いているものがある。ある人への想い。最後に話を聞いたのは、冬だっただろうか。相手に会うこともままならないらしい。何て返事を書いたらいいかと考えたら、こんな文章が浮かんできた。


「私が好きな『レ・ミゼラブル』に出てくる女の子は、想像の中で好きな人と街を歩きながら『雨の舗道は銀色 川も妖しく光る…』と歌っています。いまTちゃんには、どんな風景が見えているのでしょう」


あれっ? いまだに思考の基準がレ・ミゼラブルのままではないか。公演が終わったのをきっかけに気持ちを切り替えようと思って、このblogを立ち上げたばかりなのに。

…そう、実は今日も、レ・ミゼラブルのことを考えていたのだ。千秋楽の5/29までつけていたblogを、何度となく読み返してみたり。まずいな。このままでは、過去の思い出にしか生きられない化石になってしまうかも。


好きだからこそ、距離を置かなくちゃいけない。友だちの便りのおかげで、未練たらたらの自分に気づいた。

明日は、違う舞台の話を書こう。