知っておきたい骨転移。~診療の現状と課題 | 74のブログ

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2013年4月27日
乳ガンと告知された33才乙女とおばはんのはざま女子の闘病記です

2014/02/08(土)
@中之島フェスティバルタワー12階 アサコムホール

『知っておきたい骨転移。~診療の現状と課題』
NPO法人がんと共に生きる会

プログラム
13:00開演・挨拶 大阪府立成人病センター病院長 左近賢人氏
13:15『こつこつ学ぶ骨転移 自由に動ける体を守るために』大阪府立成人病センター 整形外科副部長 橋本 伸之氏
14:15小休憩
14:30骨転移診療の現状と課題 大阪府立成人病センター、チーム医療では
乳腺内分泌外科;主任部長 玉木 康博氏
呼吸器内科    ;診察主任 奥山 貴子氏
放射線治療科  ;主任部長 出島 昭樹氏
心療・緩和科  ;副部長   濱   卓至氏






会場は200人超の椅子が足りなくなる程の超満員。
このセミナーは今日の大阪をかわきりに全国へと回られるそうです。



今回のブログはこのセミナーで聞いてきた情報の中でも、なるべく乳ガンに関する骨転移についてレポートしたいと思います。




まず知っておいて欲しいのが

★骨転移は生命を脅かさない★

ということです。
汚くて間違えた字で例外と書いていますが、骨髄癌症や高カルシウム血症といった末期の症状では命を脅かす危険性もありますが、骨転移で心配しなければならない事は
①骨折
②麻痺
の二点です。
直接的に命に関わる事ではないのですが麻痺はとても重大です。

骨折は一般的な整形外科でも初期の治療は可能だそうです。
しかしながら麻痺が発生すると歩行できなくなり下半身不随に陥り、寝たきりとなるのです。

そうすると患者や家族の生活の質(QOL)が著しく低下してしまうのです。

※骨転移の治療が目指すもの※
~少しでも人間らしい生活を維持すること

骨転移とは
①命は脅かさず
②尊厳を奪う
③先に学ぶべし
というわけで、寝たきりとならないよう③先に学ぶべしにスポットをあてたいと思います。

そもそも近年では新薬(分子標的薬…ハーセプチン等)の普及によりガンと共に生きることが可能になってきました。
しかし骨転移の年間発生数に至っては、ガンの治療成績の向上に伴い着実に増加しています。
推定骨転移患者数は全患者の10~20%
骨転移しやすい乳ガンの骨転移は30%となっています。乳ガンの末期患者さんに至っては8割の方に骨転移が発生しています。

※骨転移の治療が目指すもの※
少しでも人間らしい生活を維持すること

先程も同じことを書きましたが、命はあっても麻痺による不随になってしまっては残りの人生楽しめません。
そうならない為にも、骨転移が発生し痛みが出ればまずレントゲンをとってもらい、主治医に骨転移の検査してもらうのがええかと思います。ガン検診と同じく、早期発見は完治に繋がるということを忘れずにいておいて下さい。
~痛みは素晴らしい警報システム~
①何か変やな(違和感)
②グワッと力がかかったら痛いかな?
③や、やっぱり痛い
④ほんまに痛い、しかもしょっちゅう
⑤何もしてへんのに痛い
⑥あかん、もう痛うて動かされへん
歩行不能に陥った時のエマージェンシーラインは48時間と言われています。

回復のタイムリミットが48時間です!!!

しかしながら、あたしのようにクリニックに通っている場合や、腫瘍整形外科とのラインがない場合歩行困難から48時間以内の通院治療開始は困難だと思います。
普段から何か異常はないかいつもの診察で相談しておくことが必要です。
ステロイド点滴で急場をしのぐことができるのです。

ただまだ…安心することなかれです。
先程も話しましたエマージェンシーライン48時間以内の最終歩行能力は以下の通りです。

【入院時の麻痺の程度→
          →一人で歩けるようになった割合】
一人で歩ける→→→→→→72%
支えてもらって歩ける→→38%
歩行不能→→→→→→→→17%

歩行不能から48時間以内の治療でも100%の人が再び歩けるようにはなれないのです。

なので日頃から『痛み』には気をつけて足のふらつき、歩きにくさを感じたら一両日中には病院へ行って下さい。
①とくにケガもしていないのに痛みだした
②週から月を追って徐々に悪化する痛み
③我慢できるかどうかで判断しないこと
④とくに背骨とふともも周り。
通院中の方は予約を早めて主治医の診察を。
その他の方はまずは近くの整形外科へ。
その際必ず『骨転移が少し心配なんですが』と言ってください。
予防の検査は大事です。
我慢強い日本人の美徳は×です!


さて。治療の話へと進みますね。
乳ガンが原発の骨転移治療は乳ガンと同じ治療をしていきます。
しつこいようですが、骨転移の症状は
*疼痛
*骨折
*高カルシウム血症(乳ガンの場合は骨が溶ける。)
治療
*病状のコントロール
・手術
・内分泌治療(ホルモン療法)
・化学療法(抗がん剤)
・抗HER
・放射線治療
*予防
骨転移の進行を遅らせる→ゾメタ・ランマーク
*疼痛の改善→痛み止(オピオイド・NSAIDs)

50才台女性 乳ガン頸椎転移
上記治療により放射線治療後6ヶ月で骨修復
2年8ヶ月で完治

乳ガン骨転移の場合は約70%の症例に骨修復が生じるとされています。

希望を持って下さい。

乳ガンは骨転移しやすいけど、骨修復もしやすいガンです!
ガンの顔つきにもよりますが完治も夢ではないのです!!!

嬉しくて感涙してしまいました。
希望がもてたのです!!!
私の大切な人もまた元気になるんだと思うとはりさけそうです!椅子から立ってジャンプしたかった!


骨転移の進行を遅らせる薬も普及してきました。しかしながら、このお薬は非常にきつい副作用があります。

2004年11月 乳ガン骨転移に対して『アレディア』が保険適応となる→4時間以上の大きな点滴
2006年04月 ガン骨転移に対して『ゾメタ』が保険適応→15~20分の点滴
2012年01月 ガン骨転移に対して『ランマーク』が製造承認→皮下注射

特に乳ガンの骨転移の場合この『ゾメタ』というお薬が大変よく効くので使われるそうです。
副作用が腎機能の低下、顎骨懐死。
治療開始前に歯科医で検査して口腔内に問題がなかった場合でもゾメタの2年間の投与で歯槽濃漏の外漏で口腔外科にて二日に1回は洗浄してもらわなければならなくなった。


恐ろしい副作用です。

ここで患者としての選択肢は
①出来る限りの治療をしたい
②顎骨壊死をわかってるならゾメタはやめたい
③緩和ケアのみをしたい

ここで問題になるのが闘う為の気持ちです。
度重なる抗がん剤の投与で体や心がボロボロです。そういったガンによる心の辛さを和らげるのが緩和ケアチームです。
ガンと告知された時から行き場のない不安を和らげてくれる専門のスタッフさんがいてはります。
治療しながらこの緩和ケアを受けると3か月後にQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)がよくなるという結果も出ています。
相談しても仕方ないと思うこと、我慢しない。
相談してみて下さい。
ガン拠点病院に必ずある科です。
(参考までに…)
福島区:関西電力病院・大阪厚生年金病院
西区:日生病院・多根総合病院
北区:済生会中津病院・北野病院・住友病院
東成区:大阪府立成人病センター
堺市堺区:市立堺病院
堺市中区:ベルランド総合病院
堺市北区:大阪労災病院
八尾市:八尾市立病院・八尾特洲会総合病院
西宮市:兵庫医科大学病院

昔は緩和ケアというと、お医者さんが『手術も抗がん剤も手をつくした。もうできる治療はない』と手をあげた先はホスピスでありました。そういった治療が緩和ケアと言われていたのが10年前。
今は心の痛みから体の痛みまで不安を受け止めてくれるのが緩和ケア科らしいです。


さて。放射線治療についても書きたかったんやけど、どの項目に入れてええのかわからなくなってきたので、サラリとここで書いておきます。
放射線治療の目的は骨折の予防と鎮痛です。
但し、放射線治療の判断もケースバイケースの為、ガンの顔つきや全身状態によってかわるそうなので主治医の方針に従ってください。
ただし、放射線は今の段階では同じ箇所に2度と当てれない(粒子線は除く)ので放射線の照射は慎重に見当されるそうです。
また一度だけという限定の照射ではないストロンチウム治療というのも存在するそうですがまだ実験段階で症状の軽いガンから実験的に行われてる治療で今回の講座では特に詳しくは話されませんでした。

それからハーセプチンのような新薬『パージェタ』も使用承認されました。
これで生存年数がグングンのびるはずです!

あまりわかってないので詳しい事は書けないので検索してください。あと『ガドサイン』って書いてるように見えるのですが自分の字が汚すぎて読めない上に検索にひっかかりませんでした(笑)

長文になりすぎて最後まで読んでもらえへんかもしらんけど、気になる言葉は検索しまくって自分なりの理解して知ってください。
知ってもらうことが一番うれしい。

命へ希望の光が差し込み昨日は大変ええ勉強できました。

会の中でも質問があがりましたが、乳ガンの治療で使われるパクリタキセル。
シビレや関節痛の副作用が残り、骨転移との判断はどうすればええですか?との事ですが、痛みが続くのが骨転移です。でも見分けが非常に難しいので不安であれば検査に行くことを薦めてはりました。
私もパクリのあと、手の指が元に戻りにくいのと末端のシビレ、左膝の痛みが残ったままで不安です。次の診察は来週なので先生に聞いてみたいと思います。


正しい知識を得るために参考までにURLリンクはっときます。

日本乳癌学会 骨転移について

大阪がんええナビ

NPO法人 がんと共に生きる会

日経BP社 がんナビ



今日の先生、大阪府立成人病センターの橋本伸之部長の患者が解りやすく噛み砕いた書籍『骨転移リテラシー』\1470

皆様も是非ご確認、ご検索くださいませ。
情報は糧です♡