2歳重賞ほど難しいものはないと思う。それは、その馬の競馬の形も固まっていない馬ばかりが集まるレースだからだ。それも、函館2歳Sは、2歳馬にとって最初の重賞。しかも、重い洋芝が特徴の函館で最終週。荒れる要素は多分にある。


 アドマイヤカリブは、父サクラバクシンオーであり母父ゴーンウエスト。確かにアドマイヤカリブの緒戦の内容は素質を見せ付けたものであったし、デザーモもそれを感じ取ったのだろう。しかしながら、このレース質にあった血統の持ち主ではなかった。


 勝ったモエレジーニアスは父フサイチコンコルド×母父ダルシャーン。2着馬のラッシュライフはカリブ同様サクラバクシンオー産駒ではあるが、母父がデインヒル。ノーザンダンサー系(以下ND系)である。


 今年を含めた6年間で、ND系を父か母父に含んだ馬は、18頭中13頭が3着以内に入っている。一昨年、1番人気で5着に沈んだナムラビッグタイムも父サクラバクシンオーであったが、母父はGreen Forest(ハイペリオン系)だった。しかし、同レースで2着入ったフラワーサークルは父サクラバクシンオーであったが、こちらは母父がマルゼンスキー(ND系)だった。


 今年の2着馬ラッシュライフと共通するのは、母父がND系であり、牝馬であるということだ。これは来年以降も覚えておきたいデータである。



 血統は、そのレース質を測るものであるが、それは一つの要素でしかない。それだけに、このデータを盲目的に信じることは危険であるが、それも競馬の一つの楽しみである、そう思いたい。


 モエレジーニアス 牡2 父フサイチコンコルド 母シャルナ 北海道 堂山厩舎