「マジかよ!」2012スクリーミングアウト編 | REALies Rayka オフィシャルブログ 「-My Trip Theater-」 powered by Ameba

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「あれ?今って何時?」「いや何日?」「いやいや、いつからここに座ってるの?」「誰が塩をこぼしたんだ?」






やかましい声声が、俺の頭の中でガンガン、デストランス風に、気色悪く四分を踏んでる。







丁度キックの音、つまりローがとてつもなくカットされていて、まるで木魚みたいなキックが俺の腹部を、一定のテンポで踏まれているようなんだ。



せめて、ピーターをもう少し柔らかなものに…変えても同じだった。猛烈な吐き気がする。たまらない。



でもこのデストランスは俺の脳内から鳴り止まない。正直、心地いい。



家には水割りなんてものは無い。 ほら、そこにウォッカがあるだろう?


ちょっとボリュームさげておくれよ。。もう吐きたくてたまらないんだ。









それでなりやんだ。。かと思ったら凄い風が昭和風アパートの頼りない暑さ1.2センチの窓に容赦なく降り注ぐ。


窓はしなり、枯葉とか、飛んできたりしてる。しばらくしてると窓はデストランスに併せて踊り始めやがった。


そうしなって前後に。




そうか。ずっと俺の事見て、ただ洗濯物をあれこれする時意外じっと、ただじっとしてたんだもんな。


我慢してたんだよな。でもこのデストランスを聞いちまったらガラス窓でさえ踊りだす始末だ。こりゃあこいつにも一杯もってやらないといけないねえ。







はて、そんな事はどうでもいいんだ。勝手に踊ってろくそ扉が。






ボリュームを小さくしたらなんか聞こえてきたんだ。かぜだ「風」が窓にバンバンあたって聞こえる擬音だったんだ。


なんかいってる、確かに何か言ってる感じがした。俺は全神経を集中して唾を飲むのさえためらいそれを聞いた。


それがこれだった。






「あれ?今って何時?」「いや何日?」「いやいや、いつからここに座ってるの?」「誰が塩をこぼしたんだ?」








またデストランスが流れ出した。



しまった!俺はボリュームをさげたんじゃない!これは所謂「落とし」の部分であって別に音楽はなり止むことなんてなかったんだ!


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ぐぉぉぉぉおぉおおぉおおぉぉっぉぉぉぉおぉぉぉぉおおおぉおぉx








そこから音数は更に増えていき、心無しか、キックの音にローがたされてきた気がする。


曲も架橋をむかえ白人だか黒人だか知らないけどたどたどしい日本語のラップがはじまった





「吐けない酒なら酒じゃねえ」 「吐けない酒なら酒じゃねえ」 







それが上手くクロスビートして

ときおりブツギッタリ、激しいイコライジングやピッチをシフトさせて悪魔にも天使にもさせ






俺の目の前に19世紀のイタリアが浮かび上がる。



なんだ、みんなウィルキンソンのウォッカを片手に持ってやがる。黒いスーツの襟のきちんとしたあの黒ひげの紳士も、たまらず脱ぎだした。



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そうか、今夜は皆で踊ろうかって事か。




相変わらずピーターは俺の腹部で激しいキックをかましているんだけど

そんな事はどうでもよくなった。





紳士は脱ぎ裸に。婦人も脱ぎ、子供はベビーカーから身をよじらせ、赤い目をして多少興奮気味に奇声を発してる。








16分のなかでそれが上手くサンプリングされてるし…DJは誰だ?あ、仏顔のあいつじゃないか!



いや、誤解してた。仏顔だって思ってたんじゃなくて、あいつは仏様だったんだ。最高にイカすぜ!






よし、飲め!皆で飲もう!この水割りもロックもなんにもない!瓶そのままだ!






ほら、音が上がってきた。フィレンツェデスクラブは最高潮だ!


俺ももう一杯、いや、もう一瓶いかせてもらうぜ!


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吐き気は友達さ!そいつだけが俺の今の状況を教えてくれるんだから。



答えは単純明快さ。吐きたけりゃ、吐けばいい。俺はこの透き通る神の水「ソーマ」にとりつかれてるのさ



さあみんな楽しめ!さあ、今日は今日しかない!さああああああ!!!
















あれ?

















また「落とし」か?



静まり返る。。。













目を閉じた。そこにブッタが居た。


:बुद्ध



「ねえ、一つ聞いていいかい?」


「なんだね、若造」


「あなたは何故に、ブッタなの?」


「目覚めたからだ」


「俺も、目覚めたらあんたみたいになれんのか?」


「貴様は仏教を馬鹿にしている。まずその時点でむり。アウトー」


「馬鹿になんてしてないっすよ!ただ、実態がないっていうか、なんていうか」


「仏を作ったのは誰だ?」


「え、人間…はっ!!」


「そこからは自分で考えな。あ、ひとつだけ教えておいたる」


「なんや、体が薄くなって消えかかってきた!はよゆうてんかいな!ぶった!豚!こらぁ!」


「人間はいつも形在る者に絶望し、形ないものに救いを求める。なんちゃって」


「ええ?何!?さいごのん何?ちょっと遠くてきこえなかったry」








































は!












俺は…今…











一切の阿鼻叫喚はすぎていた。




俺はベッドの上だ。


夜中、何ども何ども、起きて、朝10時くらいに差し入れのレッドブルを全部飲み干した。

それでなんかしようと思ったら、なんともならなかった。

あんなク●CM詐欺だ。俺には翼どころか、目覚める事さえできなかったぞ。



時間をたどれば


その間の出来事だったんだ





「あれ?今って何時?」「いや何日?」「いやいや、いつからここに座ってるの?」「誰が塩をこぼしたんだ?」





これは俺のひとりごとだったんだ。

やばい。猛烈な吐き気がする。




こういう日って最高に胸糞悪い。俺は十時に起きたんだ。

でも8時間ある睡眠のなかで、本当に寝たのは30分くらいだろうか。




だから俺はリオのカーニバルに出かけてる方がずっとマシなんだよ。ん?リオ…



まあいいや。大団円。もうしめるぜ。








「素面には素晴らしい世界が待ってます☆キラン」


みたいな事言うやつの目をよく見てみな。ほら、あいつも「イって」やがる。





end