トキはガロに言われた通り、北へ向かうことにした。

人気のない道を5分ほど歩いていくと、小ぎれいな宿がポツンと

建っていた。雨でよく見えないが、看板にはよくよく見ると、

薄く消えかけた字で "ソレイユ"と書かれていた。

トキは、 "ソレイユ" に入ってみることにした。

足早に駆け込むと、にこやかな若い女性が出迎えてくれた。

「いらっしゃい。ひどい雨だったでしょう?」

そう言ってタオルを手渡される。

「ありがとう。」

トキは濡れた体を拭いながら言った。

                                       by 卑弥呼



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