追記*マネーセミナーでユニットリンクをはじめとする変額保険を勧められるケースが多いようなので、さらに突っ込んだ記事を書いています。
ユニットリンクは本当にコスト高か、検証します  追記おわり*


ユニットリンクについてまとめようと思っていたのに、すっかり忘れていました。保険で貯蓄を考えている方へ騙されないでねって内容です。保険オタクみたいで長いですが、分けると意味がないように思うので一気に。

スクロールの女性のためのマネーセミナーから派生して、「個別相談」を行った結果、こんな保険商品をおすすめされました。
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アクサ生命のユニットリンク。ソニー生命のバリアブルライフの類似商品として最近名前が挙がっているみたいですね。

死亡保障をつけながら、積立金額を投資信託で運用ができ、運用が不調だったとしても死亡保険金では保障があるので安心できるというもの。
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私が投信で運用を行っていることを踏まえて、提案してくれたものです。

まず、商品説明の中でアピールされたところをまとめますね。
・ドルコスト平均法の活用
・特別勘定(投資信託の種類みたいなものです)が豊富
・スイッチングができて、相場によって運用スタイルを変えられる(お任せ運用ではない)
・解約時には一時所得控除が受けられるので、投信の20%課税よりお得?
・運用が不調でも死亡保障がついている

では、本当にお得か検証します。
この手の保険商品で見るべきところはまずひとつ。結局保障のために使っているお金はいくらなのか?です。
保障のために使っているお金は基本的には掛け捨てですね。終身保険だとしてもその保障費を債券等の利回りでカバーしているので長い年月をかければ支払保険料<解約返戻金になるけれど、保障費をかけずに債券で直接運用していたら保障費の分も自分の資産になりますよね。運用目的で保険に入るなら、保障のための費用は運用にかかる経費ということになります。
ちなみに私が「保障のための費用はどれくらいかかっているんですか?」と聞いたら「年齢や性別によって違うのでなんとも言えません」と言ったFP。最低ですね。自分で調べまーす!

出していただいた設計書より抜粋。28歳女性の場合の保障内容です。

◎保険期間65歳満了 払込期間65歳払込
 保険料 月額30,000円  保険金額18,855,000円 高額保険割引有
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保障にいくらかかっているかは、運用実績が0%で増えても減ってもいない場合の解約返戻金を見て計算します。
解約控除がかからなくなるのは10年後だそうですので、それ以降で見ていきますね。

経過年数/保険料累計/解約払戻金/保障に回っている比率
10年/360万円/256万円/28.9%
20年/720万円/506万円/29.7%
30年/1,080万円/750万円/30.5%
37年/1,320万円/928万円/29.6%

なんで年によって保障関係費の比率がまちまちなのかはよくわかりませんが(単位が万円だから切り捨ててる数字のせいかな?)、保険料として納める金額のうち、約3割は貯蓄に回っていない=保障や保険会社のために使われているのがわかりますね。普通に投信で運用していたら、100%投資に回せるのに。

でも死亡保障がついているんだから仕方ありません。問題はこの保障費は他社と比べて安いのか高いのかっていう点です。

比較はライフネット生命の定期保険で行いました。掛け捨ての死亡保障のみの保険です。
ライフネット生命がいいといっているわけではなくて、保険金額や払込年数をネットで細かく算出できるのはこの会社ぐらいしかないからです。保険業界、本当に不透明すぎ。

・65歳まで納めきった場合、保障には1320-928万円の392万円かかっています。
月々に直すと392万円÷37年÷12ヶ月=8828円
ライフネット生命で1900万円の保障を65歳まで受けるには月2777円、総額だと1232988円。

・20年だと720-506万円の214万円。
月々に直すと214万円÷20年÷12ヶ月=8916円
ライフネット生命で1900万円の保障を20年受けるには月々1699円、総額だと407760円。

なにこれ、とんでもないぼったくり保険なんですけど…私の計算間違っているんじゃないかと思って2回見直したけど、たぶん間違っていないです。ユニットリンクを販売している保険関係者の方、もし考え方など違っていたら教えてください。


そしてそれ以外の視点からの考察。
・運用レポートを見るに、インデックスファンドと変わらない運用状況で、特段優れているわけじゃない
・ドルコスト平均法の活用→投信の積み立てでよくないか?
・特別勘定の種類が豊富→8種類でしょ、投信なら何千種類の中から選べるし、新しい投資対象にも対応できます
・スイッチングできる機能→これはいいと思います。月1回無料なら妥当ではないかと。ただイデコなら回数制限もないし節税メリットもある。
・儲かった分に対しては一時所得控除が受けられる→NISA枠100万円で投資額は今のところ十分
・運用が不調でも死亡保障による最低保障→これちょっと掘り下げます

他に思い付いたいいところ
・生命保険料控除が受けられる→年間8万円までの控除枠をまだ使っていないなら。
・運用関係費(信託報酬)が安い→けど保障でこれだけお金吸い上げてますからね^^;

〈追記〉コメントで教えて頂いたいいところ
・保険の形にするので、途中で死んだら受取人にスムーズに渡せる→投信だと遺産分割協議が必要ですが、決めた人に必ず渡せるのは保険ならでは。


さて、一番アピールして来られた運用が不調でも死亡保険金で最低保障がある、という点。
これは保険期間の間だけです。上の例なら65歳まで。65歳になると運用結果の金額で返ってきますね。そして、設計書は運用実績0%しか載ってませんが、本当は下限はなし。運用が下手なら誰も保証はしてくれていない仕組みですよ。そして65歳までに死亡するリスクは今の統計だと10%以下ですね。

投資額の30%は欠損するのが確定している運用なんて、怖くてできないです。税金のメリットだけで加入するには、投信よりリスクが大きいと思います。

よって、結論!!
ユニットリンク入るぐらいなら、つみたてNISA、iDeCoを使うべし!!


私は保険で得る保障と貯蓄は分けるべきだと思っています。ちゃんと死亡保障は逓減型で加入していますよ。→生命保険のまとめ。保険料総額は80万円程度で、もっと大きい保障をたててます。
今回のFPはユニットリンクに加入することで得られる保障の分、既契約の保障を減らしてもいいんじゃないかなんて言っていましたが。そしたらユニットリンクが好調で利益確定したら減らした保障はどうなるの?改めて高い掛け金で入り直すの?って話(笑)
保険販売を生業としている方って契約させることしか考えてないことも多いから困りますね。


今は保険の見直しをしてもらって、保険料が節約できたとかお得な保険を知れたとかっていう話も多いですが、販売する側だけに知識の提供を頼ってはいけないと思います。必要な保障や、他の商品との比較、保険の内容の矛盾点について、自分で考えられるようになるためには勉強するしかないです。今はインターネットでいくらでも情報収集ができる時代!私もいろんなHPやブログで保障の考え方などを勉強しました。そしてこれからも勉強していきます。保険商品も世の中もどんどん変わっていきますから٩( ᐛ )و
みなさんの資産形成が明るく楽しいものになりますように

本当に長くなりましたが、今ユニットリンクをはじめとする各種保険の加入で迷っている方などに考えの一助になったらいいなと思います。そして私が気付いていないユニットリンクの魅力があったら教えてください。
販売店の収益率が高い以外に、おすすめされている別の理由があるんでしょうか…

*追記*
①積立投資をするにしてもどうしたら?とコメントいただくので、ネット証券口座開設~積立投資まで記事にすることにしました。
まずは口座開設編です→SBI証券の口座開設
そして投信積立開始編→SBI証券で毎日少額積立

②コメントにてえふぴぃしぃさんより分析いただいた、パンフレット7Pの「積立金額がいきなり払込保険料を上回っている図」です。
{CED81F67-1194-4867-BBF7-18D67B1178F3:01}
言うまでもないですが、直線が払込保険料累計額、ピンクの曲線が積立金額。
積立金がいきなり払い込み保険料を上回るには30%以上の利益を上げないといけないのですが…この図だと簡単に増えそう♪って勘違いする方も多いんではないでしょうかね。

③コメント数が膨大になっていますが、ぜひ最初から目を通してみてください。訴えたら契約取消できた方などもいらっしゃるので、ご自分がどのように提案されたか?商品の内容を正しく伝えられていたか?も振り返ってみてください。


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