東京ラブストーリー  その34 | 岩崎公宏のブログ

東京ラブストーリー  その34

病院に到着したとき赤名リカ(鈴木保奈美)は「さとみちゃん、剃ったかなあ」と呟いた。「何を?」と聞く永尾完治(織田裕二)に「盲腸のとき、普通はさあ・・」とリカが答えた。完治は少し怒って「おまえ、あいつにそういうことを言うな、あいつ照れ屋なんだから」と言って、すたすたと歩いて先に病院に入って行った。その姿を見て「カンチがでしょ」とリカは笑って後に続いた。

2人が病室に入るとベッドで寝ている関口さとみ(有森也実)のそばに三上健一(江口洋介)がいた。三上が「永尾は電話では心配してなさそうだったのに・・」と言うと、リカは「カンチは真っ青な顔して心配してたの、さとみちゃん、剃ったかなあって」と答えたので、さとみは恥ずかしそうな表情になった。それを見た完治が慌てて「あっ、おまえいつ俺がそんなこと言ったよ」と怒ると、「そんなにムキにならなくたっていいじゃん、照れちゃって、子供みたい」とリカが答えた。リカは怒っている完治を無視して「ここって、三上君に病院でしょ?付きっきりなんだ」と言った。

三上はさとみに向かって「腹減ってないか?」と聞くと「何か食べたい」と彼女は答えた。三上が何か買ってくると言って、病室を出て行こうとしたので、リカも「私も行く」と言ってついて行き、2人で一緒に出て行った。

外の果物屋で買い物をしているときに、三上はリカに完治を似合っていると言うと、彼女は嬉しそうな表情になり会話が弾んだ。

病室では完治とさとみが話していた。さとみは夜のことを謝っていた。気持ちが落ち込んでいたとはいえ、前日の夜に完治と普通に話していたのに、急に盲腸で手術を受けたという不自然な状況が許容されるのはドラマならではだ。さとみは完治の話しを聞いてもう一度三上君を信じてみると自分に言い聞かせた。

ドアがノックされた。長崎尚子(千堂あきほ)が花を持って入って来て「お加減はいかがですか?」と尋ねた。

部屋の外に三上とリカが戻っていた。三上が「ノックしたほうがいいよ、2人がベッドで抱き合ってるかもしれないしな」と言うと、リカはやや心配したような表情になった。それを見た三上は「心配すんなよ」と笑いながら言った。「そっちこそ」とリカも笑いながら答えた。

2人が入ると室内に尚子がいたので三上は驚いた。「どうして?」と聞くと「同級生の友だちの見舞いに来ちゃいけないの、こないだ彼女に誤解されたみたいなのでお詫びに来たの、そのかわり私の結婚式に花を持って来て・・、私結婚するの・・、本当を言うとそれを言いに来たの、それで疑いは晴れるでしょ」と尚子は答えた。三上はやや戸惑った表情になりながらも、口では「ああそうだよな、結婚するんだよな、それ最初から言えば誤解されずに済んだんだよ、うっかりしてたよ」とごまかした。「私も他の人と変な噂が立ったら困るし、それじゃ、お先に」と言って尚子は病室から出て行った。

さとみは三上と尚子の会話を聞いていても、不安な表情を消すことはなかった。

「なっ、俺が言ったとおりだろ」と完治がさとみに言うと、「何?」と三上が尋ねた。「三上君は浮気するような人じゃないって、励ましてくれたの」とさとみが答えた。さとみの言葉を聞いたリカは「そんなこと言って、本当はさとみちゃんの上に乗ろうとしていたくせに」と完治をからかった。



岩崎公宏のブログ



岩崎公宏のブログ



岩崎公宏のブログ



岩崎公宏のブログ