もう誰も愛さない  その42 | 岩崎公宏のブログ

もう誰も愛さない  その42

沢村卓也(吉田栄作)は王小龍(伊武雅刀)のオフィスに乗り込んで、王の前に黒い手帳を投げつけた。「おまえが持っていたのか」と王は言った。続けて「父親を殺すつもりなのか」と聞いた。「知っていたのか」と聞く卓也に元春が死んでから知ったと答えた王はこれまでのことを話した。香港に逃げていたときも妻や息子の心配をしていたこと、妻は自殺したこと、元春は樫村健三の息子を育てていることを戸川に悟られないために卓也を自分の息子として育てたこと、田代裕二が自分を救ってくれたこと、彼の娘の美幸と卓也が知り合ったこと、元春の娘の小百合と卓也が親しくなったことなどはすべて運命だったと語った。そして卓也の本当の名前は「樫村満」だと告げた。

そこに卓也の名前を呼びながら田代美幸(山口智子)が入ってきた。卓也が彼女の方に振り向いて王に背中を向けたときに王は卓也を撃って逃げた。卓也は負傷した体で王を追いかけた。卓也は王をビルの屋上に追い詰めた。拳銃を向ける卓也に「金ならやる」と王は言った。「金はいらない」「お前は金のためなら何でもやる男じゃなかったのか」「変わったんだ、これも運命じゃないのか」と叫んだ卓也は拳銃の引き金を引いて王を撃ち殺した。

卓也に駆け寄ろうとした美幸は苦しさで蹲った。卓也は彼女を助けるために体を支えてビルの外に出た。「最初から何もかもやり直したい、そうすれば美幸にも小百合にも会うことはなかった、人を殺すこともなかった」と呻くように言う卓也に「私も宮本さんもあなたに会ったから人を愛することを知ったのよ」と美幸は応じた。

卓也は道路に倒れこむようにして強引にタクシーを停車させて美幸だけを乗せて病院に行くように命じた。美幸は車の窓から卓也の名前を叫んだ。

歩道に倒れこんだ卓也は血で汚れた千円札を手で握り締めた。かつて運転手だったころに蔑まれるように渡されていた千円札のことを思い出したのか、自分をあざ笑うような表情を見せて最期の瞬間を迎えた。

病院に担ぎ込まれた美幸のそばには西条安代(江波杏子)が付いていた。

歩道に倒れて亡くなった卓也と近くに聳え立つ都庁舎の俯瞰の映像に続いて、産まれたばかりの赤ちゃんの姿でエンディングとなった。

ドラマの冒頭の湖での死体の発見から始まって最後に亡くなった沢村卓也まで主要な登場人物の大半が亡くなっていく中で、最後に新しい命の誕生で終わったことが唯一の希望といったところだろう。




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