参加レンズはAngenieux以外は前回と同じです。その代わりDagorが入ります。
Cine-Xenon25mmF1.4
Prototype Planar 32mmF2
まずは、Cine-Xenon 25mmF1.4から
中心部拡大
中心解像力とグルボケと四隅のケラレ。シネレンズの美味しいとこ取りなレンズです。
写りは独特で他に変わることがない点は前回の蝉の試写と同じです。
ProtoPlanar32mmF2
安定感の一言です。四隅まで破綻ない写りと解像力。拡大すればするほどその写りの良さがわかる驚異のレンズです。発色はややビビット。写りは硬め。後ろの玉ボケもシネレンズの良さです。
F2とは思えない深いボケも魅力です。
露出の関係もありますが、Planarより若干控えめな発色です。
画角が近いせいもあり描写はかなり似ています。
解像力はPlanarといい勝負でどちらもS級です。Planarと比べるとこのレンズの方がイメージサークルが狭いため四隅では結像がにじみます。
口径食がやや強く玉ボケが楕円をしています。
Cooke Speedpanchro40mmF2
セミの抜け殻編と同じく、ドイツレンズ陣とは異なる発色をします。
ヌケ感や情緒はさすがの一言です。
映画人に愛された理由がわかります。
解像力も大変なレベルです。
Cine-Xenon50mmF2
セミの抜け殻編ではやや不調だったこのレンズもこちらでは良さが出ています。
解像力も他のレンズに負けないレベルです。
後ろのボケも柔らかすぎずうるさすぎずで、いい塩梅です。
発色はややブルーですが、いわゆるシュナイダーブルーといったところでしょうか?
やはりシネレンズとしては普通クラスのこのレンズでも実力は一流です。
Dagor 130mmF6.8
110年前のレンズとは到底思えません。
これはこれで完成した写りです。
中心解像度は緩めですが、階調とコントラストがそれを補っています。
シャッタースピードが遅めだったためややぶれていますが、それすら味に見える懐の深さを持っています。つくづくレンズはスペックではないと思わせてくれる一本です。
まとめてみました。
パッと見Cine-Xenonの3本はカラーバランスと写りに共通点があるのがわかります。
この辺の統一感が業務用のすごさですね。
レンズを交換してもシーンがつながるためには必要なことだったのでしょう。
写り的には甲乙をつけがたいですがわずかにPanchroが抜きん出ているのがわかります。
全体を通してシネレンズの素晴らしさに改めて驚きました。