ばんえい記念目前に思うこと。 | Do You Want to Know a Secret?

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馬に乗るズワイガニのブログです

新年ぶりですにゃかにだよ。

今年もこの季節がやってきましたね。ああ、年度末。

本当は前日に記事を書きたかったのですが、明日卒業式+研究室追いコンで、明後日は予想動画の収録やらその準備やら(そもそも二日酔いで動けなくなっている可能性も)で、ちゃんと書けそうなのが今日しかなかったみたいで。

ちなみに去年書いたばんえい記念関連の記事がこれで、
一昨年書いたのはこれです。
どっちにも書いてあるけど、ファンファーレマジでかっこいいから。ほんと。ファンファーレ聴きにいくためだけにでも行く価値があると思います。出だしのソロパートがふっと消えてドラムロールに入るあの一瞬の隙間にはっとする。そしてドラムロールが消えて本題に入ってからの…って書き出すときりがないですね、来れる方はぜひ現地で。現地に来られない方は、動画でも。日本一のファンファーレです。

あとね、スペースがないからしゃーないみたいなのもあるのかもしれないですけど、演奏者と観客の距離も超近いです。演奏のかっこよさだけじゃなくて、この距離感も日本一じゃないでしょうか。

ファンファーレの話は終わりにして、競馬の話をしましょう。

2年前、わたしはほとんど何も知らずにレースを見ました。一応普段お世話になっている服部先生のキタノタイショウを応援してたかな。
人の数、ファンファーレ、レースの迫力、最後にシベチャタイガーがゴールした瞬間のあの拍手、すべてが鮮烈でした。それぞれの馬の背景とかなんにも知らなかったけど、なんだこれすごい!!ってすっごく感動したのを覚えています。それで、数日後の締め切りに向けてあらかた書き上げてあったGallopのコラム原稿を全部消してばんえい記念のことを書いたんですよね。あ、競馬の文章書く人として、このレースを見たのにこのことを書かないのは失格だって、そう思って一気に書いた覚えがあります。で、書ききれなくてブログに追記まで。


翌年、少しだけばんえいに詳しくなってレースを迎えました。応援していたのは前年と変わらず、でも以前より愛着が増したキタノタイショウ。障害ではだめかと思ったけど、あの末脚。かっこよかったなあー!!あのころから河さん信者になってきてた気がする。たのむー!差しきっててくれー!って思って(2階ベンチで見てたからよくわからなかった)、ちゃんと差してたのがわかったとき、どんなにうれしかったか。表彰式でみんなに祝福される服部夫妻を見て泣きそうになりました。


今年も応援するのはタイショウと河さんです。でも、フジダイビクトリーをはじめとする8歳3強やらオレノココロとの6歳コンビでおなじみのコウシュハウンカイやら、一昨年の覇者インフィニティーや・・・って結局みんな気になっちゃって、もうみんながんばってくれ。馬券もタイショウの単複以外何をどう買えばいいのか皆目見当がつかない。もういっそ全頭同着でいいよ

でも、こんなに好きな馬がたくさんできた上でこのレースを見ることができるのは、とっても幸せなことじゃないかと思います。幸せなことです。

ばんえい記念は、ファンにとっては同窓会みたいなもんだよということを聞きました。
普段は全国各地で生活している人たちが、年に一度、この10分足らずの時間のために帯広に集まってくる。みんな好きな馬を買う。もう、こいつが勝つだろうみたいな予想じゃなく、この馬にがんばってもらいたい、と夢を買う。なんか、素敵じゃないですか。卒業後、わたしもこの同窓会の輪に入れてもらえたらうれしいなあ。


あんな重量背負わせて最後まで歩かせるのがかわいそうだという声も聞きます。
確かに、たぶんあれめちゃくちゃしんどいと思います。わたしが馬だったら第一障害目前で諦める気がする。あ、そもそもわたしが馬だったとしてもオープン馬にはなれないか。


馬は諦めることができます。去年のファーストスターとか、叩かれても引っ張られてもびくともしなかったのは、馬が「いやこんなん無理に決まってるからもう無理だって」って思って諦め状態だったんだろうなって思ってますが、とにかく、手綱で叩かれても口引かれても、馬は動きたくないと思えば動かないでじっとしている自由があります。
厩務員さんが出てきて引っ張ろうとしても、ほんとに動きたくなくてああもうこいつ邪魔ってなったら思いっきり噛み付いて振り回したり前足で蹴ったりして遠ざけられるはずで、しかもそれはソリを引くよりずっと少ない労力でできちゃうわけで。

ばんえい記念は他のレースと違ってどれだけ時間かかってもゴールまで待ってもらえることになっていますが、でももし30分とか2障害に居座られたら次のレースどうなるんだよってなるしさすがに人間側が諦めてソリ外してもらえると思うんですよね。でも、みんな障害を越えて、ゴールに向かっていく。それがかっこいいんだよなあ。

そのかっこよさをどう捉えるかは人それぞれだと思うんですけど。馬の闘志を人間が後押ししていると見る人もいるし、その前向きなパワーに力をもらう人はけっこういるんじゃないでしょうか。

わたしも半分くらいはそうなんですけど、残りの半分は、馬やさしいなー!っていう感動です。

わたし自身がそんな闘志に満ち溢れた蟹じゃないので、やっぱり心のどこかで馬もこんなのほんとはやりたくないんじゃないかって思ってるわけです。でも、ソリを引くのを嫌がっているようには見えない。こんなの進んでやりたいことじゃないけど、いつも大切に世話してくれる人たちががんばれっていうから、そしてゴールすればえらいぞって褒めてくれるから、その期待にこたえてやろうじゃないかって思って馬が動いている、その結果がレースなのだとしたら、馬すげー!やさしー!かっこいー!ってなるし、実はばんえい記念はすべての完走馬とそれにかかわる人たちの絆を最大限に示す舞台なんじゃないか、なんて思ってしまうのです。

そしてきっと、他にももっといろんな解釈でばんえい記念に感動する、力をもらう人たちがいるんですよね。



ほんとにねー、ばんえい記念は、すごいよ。うん、すごい。
みんな、ちゃんと見てよね。
3月20日(日)、17時15分発走です。