舞台を識る | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

舞台を識る

どうも遊木です。

絶賛原稿中です(白目)

 

 

さて、原稿中で白目になっていますが、先日久しぶりにサークル内で課題制作があったのでそれについて。

 

 

<企画全体の話>

 

今月1回目のミーティングでは「魅力的な舞台を考える」という議題で意見交換をしました。(創作に活かせそうな、「実在する(or 実在した)場所」をあげ、その魅力をそれぞれが語る…的な内容でした)

その繋がりから、じゃあ今度は具体的に制作に落とし込んでみよう、ということになり、次のミーティングまでに各自作品を用意する流れになりました。

サークルメンバー全員、過去に何かしらフィクション設定の世界観で制作をしたことがあるので、今回は「具体的な舞台イメージがあることで、制作にどのような効果が出るのか」という視点を中心に、せっかくなので「その場所に実際に行った事がある人の作品とない人の作品を比べる」という点からも講評が出来るように、全員共通の場所をモチーフにして制作に臨みました。

 

というわけで、モチーフになった場所は温泉街として非常に有名な「草津」です。

(草津なら私が資料写真をそこそこ持っているのと、5人中3人が現地を知っていて、2人が知らないという具合の良い人数配分だったので)

 

作業時間的に作品は完成させなくても良いということだったので、それぞれネームやらプロットやら下描きやらの状態でしたが、みんないい具合に個性が出たなぁと。

まず、「現地を知っているか否か」という差は顕著に出たと思います。草津を知らない2人の作品は、施設の雰囲気は勿論、ちょっとした場所の柵の高さや周囲の人ごみの様子など、現場を知らないが故に気付けない違和感を浮き彫りにした感じで、ミーティングではその“違和感”を逆手にとって、逆に作品の魅力に繋げる話し合いが出来たのは収穫だったと思います。

 

あとは「場所がモチーフ」という制作課題に対して、その具体的な場所の存在を作品内でどのくらい前に出すか、という点にも差が出たなぁと感じました。

取りあえずざっくりと「ガッツリ草津ありきのこの物語だよ!」タイプと、「下地に草津はイメージしてますが、物語の方が存在が上位」タイプに分かれた気がします。

 

メンバーの感想を聞く限り、企画の狙いは良い感じにクリアできたと思うので、今後もちょっとした隙を見つけてこういう企画は挟んでいけたらなぁと。

何と言っても今年のサークルの年間テーマは「画力」「シナリオ力」「企画力」ですからね。

 

 

<自分の作品について>

 

さて、ここからは私が提出した作品についてですか、なんというか、久しぶりに精神的難産作品でした。(内容について触れるので、事前に作品を見て頂いた方が良いと思います)

 

「画家と少女と温泉街」

 

 

もともと課題にたいして考えていたプランが二つあり、〆切24時間前になってふと「やっぱりもうひとつの方にしよう」と変更したのですが、当初進めていた方はもっとほんわかした内容のものでした。何がどうすッ転んで真逆のものになったのか。

でもまぁ、当初進めていた方は米原と内容がダダ被りの上にインパクトで圧倒的に負けているものだったので…結果的には変更して良かったのかなぁと。

 

メンバーからの感想は、当然ですがまず「重い」というのがありました。この辺りは描いている本人も重かったので「せやろな」という感じですね。

作中では具体的に描写していませんが、今作のコンセプトはお察しの通り「“皮膚病の湯治”という生っぽい題材を、フィクションとして描く」というものでした。

題材が題材だけに、制作中は「この漫画をつくったところで誰が幸せになるのか」という疑問とずっと対峙していましたが、ただこの機会に描かなければ、この先二度と描くことはないかもしれないと思い、今回形にした次第です。

フィクションと言いながら、当然のように私の実体験が大いに元ネタとなっているわけですが、私は作中の少女のように我慢を重ねられる性格ではありませんでした。

その辺りも含め、生々しい題材をそのまま受け止めるのではなく、あくまでも叙情的雰囲気を推したフィクションとして読んで頂ければと思います。

 

ミーティングでメンバーに貰った感想は、ざっと↓↓な感じでした。

みんな「重い」と感じつつ、作品に対してはマイナスイメージではなかったので良かったです。

 

・なかなか重いなと。他人事とは思えない題材。漫画として、普通に良いと思う。現地の雰囲気もよく分かる。
・重かった。6ページだけど、ストーリー、心情の変化が詰まっていて良かった。内容は重いけれど、漫画として読みやすかった。
・実体験を含んでいる、その場に行ったことがある雰囲気が、全体として伝わってくる。やっぱり、行ったことあるかどうかの違いは大きいのかなと思った。短いけれど、話としてもまとまっていた
思う。
・登場人物二人が、遊木の過去と現在を表しているのかなと思った。実際に行ったことがあるというのは、ここまで違いが出るのかと思った。説得力もそうだけど、背景とキャラの馴染み方でも違いが出ていると思った。最後、沈んで終わりではなく良かった。
・画家さんが描いている抽象画を見たいと思った。あ、一回も出てこないんだと。(見せようかとも思ったけれど、流れが切れそうでやめた)
・舞台を草津とするなら、そこである理由が求められるけれど、自分は観光しか思いつかなかった。湯治というのは、なるほどなと思った。
・現地に行くというのは、見たことがあるというだけでなく、体験がともなっているのが強い。

 

 

 

今作は自分一人であったのなら絶対につくらなかったと断言できるので、サークルという他人との活動が個人に与える影響はやっぱり大きいんだなぁと実感した次第です。

その実感を、早く外部の人の目にも見える成果として形に出来るよう今後も活動して参ります。

 

 

aki