短編小説「TENKI NI NARE !!」完結。 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

短編小説「TENKI NI NARE !!」完結。

須々木です。

前のブログで書いた通り、小説の短期集中連載をしていて、それが本日完結しました。

全7話でさくっと読めます。




「TENKI NI NARE !!」

カクヨム版
小説家になろう版


※内容はまったく同じです。





以下、本作について、少し書き留めておこうと思います。

もちろんネタバレですし、小説を読んでいないとよく分からないと思うので、小説を読んでからだと嬉しいです。








すでに過去のブログで触れられているとおり、今回の作品は、先日のミーティングにおいて「他のメンバーの設定で作品をつくる」という趣旨で実施された企画によるものです。

僕は、霧島の設定が回ってきました(Wordで1ページくらい)。



「共通のお題でつくる」みたいなのは過去にもありましたが、互いに設定を渡すという今回のタイプは初めてでした。


とりあえず、設定をもらった段階で興味深かったのは「あ、この時点で凛ちゃんっぽいな・・・」というところです。

みんながみんなというわけではありませんでしたが、特に霧島の設定は、“ぽさ”が滲み出ていました。



もらった設定をざっと見てみると、ファンタジー系の児童文学的な要素を持ちつつも、キャラの年齢は高め(子供ではない)という感じで、なかなか調理がしにくそう(読者層を想定しにくそう)。。

しかも、ファンタジーっぽい要素を含む世界観なのに、「機械」とか普通に出てきてしまう。

そうすると、魔法的なもので誤魔化すことも難しい。




媒体の制約はありませんが、僕は普通に短編小説にするつもりだったので、こりゃどうしたものか・・・。

絵的には誤魔化せても、文章で表現する場合誤魔化せないことは多いので、描写するしないに関わらず、ある程度世界観は固めないといけないし。。





それでとりあえず、執筆の方針を固めました。

例えば、完全にSFにしちゃって理屈をこねていくという手もありましたが、今回は以下のような感じにしました。



① 「凛ちゃんっぽさ」を残したまま、自分がより面白いと思えるようにする

② 少年漫画的な分かりやすさ、メリハリをつける

③ コメディー要素を含んだ雰囲気で、ラストはハッピーエンド




今回の企画のルールは、「もらった設定に矛盾してはいけないが、設定を使いきる必要もない」となっていました。

よって、①みたいに“ぽさ”を意識する必要性はなかったのですが、せっかくなので、その方向で攻めてみようかと。

僕は、普段は方向がかなり違うので、試してみる良い機会かなあと。

②③も①と被りますが、設定提供者である霧島が描きたいんだろうなあという方向を勝手に推測しました(というか、読者をイメージできなかったので、そうせざるを得ない)。

そして、重要なのは、これらの要素を含みつつも、可能な限り自分が良いと思えるようにするということでした。




あまりやらない方向なので、感覚的にやるとはまると思い、今回は普段以上に理詰めで考えていきました。



具体的な話をすれば・・・


少年漫画的な分かりやすいオチをつけるために、前半で「○○は絶対ない」「△△は絶対無理」みたいなすり込みをして、最後にそれをひっくり返すという構成にしました。

作中で描かれている、「天上界には天気がない」「天気袋は地上の条件じゃないと炸裂しない」などの原則です。

これらは、もらった設定にはなく、勝手に追加しました。




主人公(カスミー)については、「ネガティブ」という設定が与えられていて、これは動かせなかったので、引き立てるために「ポジティブ」のイヨというキャラを投入しました。

また、職人気質の工場長(ヨシア)というのも与えられていたので、引き立てるために、インテリな感じのセノズを投入しました。

セノズについては、「機械製造 vs 職人製造」という構図(与えられた設定)を分かりやすくする上でも役に立ちました。

※キャラ名など、「ウェザーカンパニー」以外の固有名詞は、勝手につけた。



また、与えられた設定は「天上界」の話だけだったのですが、天上界を天上界として描くためには、逆に地上界の描写が必要だったので、それも勝手に追加しました。

これで、「天気はないけど天気を製造できる天上界」と「天気はあるけど天気を製造できない地上界」という対立項ができました。


「ウェザーカンパニー」「天気職人たち」など、組織の描写が必要な設定が含まれていたので、キャラは多少増えてしまいますが、どうにかいろいろと役割を兼任させて、圧縮しました。

あとは、設定に溺れないよう、最低限の“哲学”を落とし込んだ上で、さくっと仕上げました。





最初に設定を見た時点では、「これは厳しい・・・」と思ったけど、やってみると案外行けるもんだなあと。

普段、好き好んで短編を書くタイプではないので、こういう機会も貴重でした。





そんなわけで、連載中の他作品の続きをゴリゴリ頑張ります。





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