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行快の墨書銘が見つかった木造阿弥陀如来立像(浄信寺蔵) 
( by 京都新聞 10月25日 )

長浜市木之本町 浄信寺にある木造阿弥陀如来立像(高さ82.5cm)
鎌倉時代仏師で快慶の一番弟子行快(ぎょうかい)初期であることが
大津市歴史博物館の調査でこのほど分かった
昨年 大津市 西教寺でも行快作の仏像が発見され
現存する8体中3体が滋賀県内にあり うち2体が初期の物と判明

浄信寺木之本地蔵院 


■ 快慶の一番弟子 西教寺と墨書類似

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像の足ほぞの側面(一辺10cm)に書かれた墨書銘。
左側は「法橋行」と読める


立像は浄信寺の蔵にあり 1990年代の調査で存在が確認されていた
同館が4月に本格的な調査を実施し 台座にはめ込む左足のほぞの側面に
「法橋行(ほっきょうぎょう)」と墨で書かれた銘を確認した
右側の2文字は「巧匠(こうしょう) 」の可能性が高い
西教寺の仏像でも「巧匠法橋行快」の銘が記されており
墨書と作風の類似から行快作と分かった
切れ長で涼やかな目の理知的な表情や耳の形に
行快の初期の特徴が表れているという

行快は快慶を支え 工房の中心仏師として活躍した
同歴史博物館によると 行快の銘文が確認されたのは全国で8体
「法橋」は朝廷から与えられる僧位で
行快が 法橋だった1216~27年ごろの作とみられる
多くはその後の「法眼(ほうげん)」時代の作品で
法橋の銘があったのは3体目

像内部の足の部分に巻物状の納入品が2巻あり
「南無阿弥陀仏 一万遍 為平能弘」(平能弘のため)など
数千人分の名が書かれていた
「結縁交名(けちえんこうみょう)」とみられ
像の制作に当たり多くの人が願いを込め寄進したことが分かる

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「行快後期の力強さはまだあまり濃くなく
品が良く端正な快慶の作風に近い頃の作
快慶との師弟関係や行快の作風の変遷を知る上で貴重」
( 奈良大 三宅久雄教授(仏教美術史) )


同館で開催中の企画展「阿弥陀さま」で初の一般公開
□ 阿弥陀展 -   大津市歴史博物館