落語好き覚え書き日記 -3ページ目

三遊亭白鳥・柳家喬太郎二人会

19:00~ @練馬文化センター小ホール 3500円 


喬太郎&白鳥 フリートーク 「ワルについて」 

柳家喬太郎 「牡丹灯籠~本郷刀屋から飯島討ち」 

 〈仲入り〉 

ナギプロパーティ ショート・コント3本 (部長の定年退職、漫才師の融資審査、ギャングのアダチくん)

三遊亭白鳥 「死神」(新・ダ・ヴィンチ・コード版)


寄席でしか見たことなかったふたりの二人会。

サブタイトルが

「デンジャラス&ミステリアス~ワルの法則」なので、

悪(あく)ではなく、ワルが登場する噺をするとのことだった。

フリートークは二人とも黒紋付きで登場した。

喬太郎はともかく、白鳥の黒紋付き姿って珍しいよね。

と思ってたら、今日初めて着たらしい。

しかもちゃんと三遊亭の紋だった(白鳥じゃなくて)。


牡丹灯籠は初めて聴くし、

怪談ということと、ものすごく長い噺だということ以外、

そもそもどんなストーリーなのかまったく知らなかった。

暗くて笑いどころはほとんどない噺だが、

凄みのある演技力にどんどん引き込まれていく。

これの続きもいつか聴いてみたいなぁ。


ナギプロパーティは初めて見たが、

世代が限定されるネタで、私はツボにはまった。

それぞれのタイトルはわからないので、

カッコ内は見た人にしかわからない私の覚え書きです。

年配の方の代表意見としては、

「真ん中のアレはなくても良かったな」と言ってる人がちらほら。

これはしょうがないね。


白鳥は「死神をやります」と言ったあと、

いきなり「サチコ・・・」と始まったので、

会場から思わず笑いが。

「あの、ちょっと待ってください。

まさかフツウの死神やるなんて思っちゃいないでしょうね」


いや、思っちゃあいませんけど、

途中からいったいこの噺はどこまで飛んでいっちゃうんだろうと、

ハラハラしながら聴いていました。

そして予想を遙かに超えて、

人類の歴史を覆す新説がサゲ(着地点)に。

まさに「新・ダ・ヴィンチ・コード」!


それにしても

「ミーちゃんケイちゃん叶姉妹、おっぱいムチムチ見ちゃいや~ん」

っていう呪文(と振り付け)を考えている白鳥を想像すると、

ますます愛しさが募りそうです(笑)

深夜寄席 6/10

21:30~ @新宿末廣亭 500円 


林家ぼたん 「のめる」 

桂才紫 「夢の酒」 

三遊亭天どん 「どくガス」 

春風亭栄助 「穴泥」 


ぼたんは初めて見るが、

6/1から始まった「インターネット落語会」の

ナビゲーターで顔なじみ。

声が通って聞きやすいね。


才紫は昨日池袋で聴いたばかり。

フツウに面白いと思うんだけど、

こじんまりとまとまっているところが

個人的には物足りない。


今夜は思いがけず天どんが代演でラッキー!

この前の深夜寄席では「紺屋高尾」をたっぷり、

だったが、今日は新作が聴けて楽しかった。

この日は同じ末廣亭の昼サラで上がってて、

そのまま夜まで新宿で時間をつぶしていたらしい。

昼の高座であまり反応が良くなかったのと同じ根多をかけてきた。

まあ昼サラ向きの噺じゃあないよね~。

深夜寄席ではどっかんどっかんウケてたけど。


そして今日いちばんのお目当て、栄助が登場。

今夜のキャッチコピーは、

「永遠の扶養家族、春風亭栄助です」でした。


「最近落語ブームらしいですが、全然実感がない」

何故かというと、ふつうの寄席などではギャラがほぼ定額なので、

お客さんが入っても入らなくても収入がほとんど変わらないからだそうだ。

なので、「皆さん落語会を開いてお席亭になってください」。

お席亭になるのは落語ファンの夢だけど、

実際にやったらいろいろ大変そうだよね。

でもいちどは開いてみたい気もする。


前回栄助を聴いたときは新作だったが、今夜は古典。

人のうちで料理の残りを食べちゃう場面で、

「味のIT革命や~」とか「鰻のアロマテラピーや~」といった、

いわゆる彦麻呂コメントを入れる人って、

これまでにも見たことある(昨日の馬るこ@ちりとてちんとか)。

でも栄助は意外と(?)食べる仕草が上手いので、

古典落語っぽい所作とのギャップがおかしい。

この人の落語会とか、一度行ってみたいな~。

新宿末廣亭六月上席 夜の部

19:00頃~ @新宿末廣亭 2700円 


古今亭志ん橋 「?」(番頭さん半人前) 

柳家三語楼 「不精床」 

 (仲入り〉 

林家たい平 漫談(免許取得の話) 

翁家和楽社中 太神楽曲芸 

春風亭一朝 「祇園祭」 

古今亭菊丸 「宗論」 


池袋でちゃんとした噺が聴けなかったため、

たい平を追って新宿へ。

でも食いつきだから結局漫談かも・・・と思っていたら、

案の定、8割がた池袋と同じ内容の漫談だった。


だめだ・・・このままでは家に帰れない。

池袋で本当は「青菜」をやるつもりだったと聞いてからというもの、

私の頭の中は、

たい平の「青菜」が聴きたい

たい平の「青菜」が聴きたい

たい平の「青菜」が聴きたい

ということしか考えられなくなってしまったのだ。


そうだ!

たい平の最新CDには確か「青菜」が入っていたはず。

紀伊国屋2階のCD屋が開いてるうちに買って帰らなくっちゃあ。

そう思いたったらトリまで居られず、

末廣亭を出てミュージックテイトに向かう。


まっつぐ落語のコーナーに向かって

林家たい平の見出しを探すと・・・ない。

いや、あるにはあるが・・・あ、少ない。

(1と2の)2枚しかない。

あんなにおっきな3のポスター貼ってあるのにぃ~。


仕方がないので、

たい平で聴いてみたかった「湯屋番」が入っている2を買って帰った。

今聴きながら書いている。

いや~こういうひとりキチガイというか妄想系のキャラって、

最高にうまいよねー。

4月に池袋で聴いた「七段目」も大好きだった。

やっぱ1と3も買っちゃおう(笑)


林家たい平, HIRO WATANABE
林家たい平落語集~たい平よくできました その2~

池袋演芸場六月上席 夜の部

16:45~ @池袋演芸場 (昼の部から引き続き) 


柳家生ねん 「子ほめ」 

桂才紫 「平林」 

鈴々舎馬るこ 「ちりとてちん」 

伊東夢葉 奇術 

林家たい平 漫談(免許取得の話)~「粗忽の釘」 

柳家三三 「釜どろ」 


生ねんを聴くのは3回目くらい。

以前聴いたときより、ぐんと良くなっている。

何か迷いがとれたというか、

いきいきとしてやっているように見える。


才紫はこの前わか馬で聴いたばかりの「平林」。

ストーリーがわかってしまえば、

その人の定吉(のキャラ)を

好きになれるかどうかが勝負の噺なのかも。


馬るこが登場したとき、

メクリが後ろを向いていた。

妙な雰囲気の客席に(わざとらしく?)気づいて

メクリを見た馬るこ。

前座に文句を言いながらひっくり返したメクリには、

「うんこ」と書いてあった。

「メクリで遊んでみよう! のコーナーでした」と言いつつ、

馬るこのメクリと入れ替えて、

イラン人のサラムさんと中国人のチャンさんが登場する

腐った麻婆豆腐の「ちりとてちん」へ。

面白いかどうかはともかく、

いろいろやってみようという姿勢は個人的に好きだ。

「ちりとてちん」は実際ウケてたし。


たい平は六月上席夜の部で、池袋と新宿に出ているので、

どっちに行こうか迷ったんだけど、

たぶん池袋の方がちゃんと落語をやってくれるだろうと思ってこっちにした。


しかしとりあえず始まったマクラ(?)がなかなか終わらない。

「今日は『青菜』をやろうと思ってたんですが、

根多帳を見たら『ちりとてちん』が出ちゃってたんで、

食べ物の噺じゃまずいな~と思いまして・・・」

なんて言ってるうちに残り時間はあと5分。

「だんだん残り時間でやれる噺が少なくなってきましたが・・・」

と言いつつ始まったのは何と「粗忽の釘」。

こりゃあ5分で終わらないんじゃ・・・と思いながら聴いてたら、

釘を打ったあと、いきなりお隣の家へ。


「あれ? お向かいのうちにはもう行ってきたんですか?」

という隣の主人のセリフで、

仲人の話もくっつきあいも一気に端折って仏壇の場面へ。

この噺を初めて聴いた人は何が何だかわからないだろうが、

(まあいちばん面白い部分を飛ばしただけで、ストーリーはつながっているが)

知ってる人にはその大胆な飛ばしっぷりが妙に笑えて、

とりあえず古典落語が聴けた満足感は(多少)ありました。

でも、やっぱりちゃんと聴きたかった。


「釜どろ」は何となくあらすじは知っていたけれど、

改めて聴くと意表をついた面白いサゲだなぁ。

第2回落語と蕎麦を愉しむ夕べ

19:00~ @柳屋(ひばりヶ丘) 3000円 (ソフトドリンクともりそば付き) 


古今亭菊朗 「悋気の独楽」 

古今亭志ん弥 「寄合酒」 


こういうお蕎麦屋さんでの落語会って、

いちど行ってみたかったんだよね。

座敷にあるテーブルが高座で、

お客さんとの距離も近くて

地域の人がたくさん来ている感じで、

アットホームな雰囲気。

落語の後のお蕎麦がまた美味しかった。

黒龍と板わさを別オーダーして、

同じテーブルの人と落語談義。

こういう会が近所の蕎麦屋で定期的に開かれていたら、

もうたまんないね。

(私がいちばん遠距離参加?)


やきもち系の噺はいくつか知ってるけど、

「悋気の独楽」は初めて聴く噺。

菊朗の定吉はキャラが確立されているので、

いろんな噺で出てくると、

同じ定吉があっちでもこっちでも登場しているみたいで、

何だか楽しい。


「寄合酒」も初めて聴く。

金のない若い衆が集まって・・・という噺にも

いろいろあるんだなぁ。

鐙の会 6/6

19:30~ @GALLERY ノラや(高円寺) 1000円 


鈴々舎わか馬 「平林」 「羽織の遊び」 


今夜も会場いっぱい20名のお客様。

“伊勢屋の若旦那”という新キャラも見られて楽しかったな~。


わか馬は先週から怒濤の連日落語会で、

私も1週間で3日聴いたというわか馬ウィークだったが、

しばらくお休み。

私的には22日の「落語と音楽の夕べ」 が楽しみです。


雷蔵八百夜 第243夜

18:45~ @お江戸日本橋亭 1500円 


三遊亭遊馬 「試し酒」 

(春雨や雷蔵 「お化け長屋」 「船徳」) 


思いがけず仕事が早く上がれた珍しい日。

今日がいたらくの日だってのは知ってたんだけど、

かわら版に名前が載ってたんで

もしかしたらダブルヘッダー?

なんて思っちゃってこっちに出かけてしまった・・・。

日本橋亭に電話して確認したら、

「鈴々舎わか馬さんって、載ってますけどね」

って言われたし。

三越前から大山までは30分ちょいで行けるから、

出番が終わってから移動して、

向こうがトリだったら間に合わないことはないし・・・。

なんて考え、二馬を追って一馬をも得なかった私でした(泣)


まあせっかく来たからには最後まで聴いて帰ろうと思ったんだけど、

「試し酒」聴いてる途中で、

今日中にやんなきゃいけなかった仕事をやってなかったことに気づいて、

終わるやいなや会場を出て会社に戻ることにした。

外に出てから、いたらくの会場に電話して出番を確認したら、

「わか馬さん? ああ今出てますよ」と言われて、

更にがっくし。

まあ、明日聴けるからいいんだけどね。

深夜寄席 6/3

21:30~ @新宿末廣亭 500円 


春風亭朝也 「猿後家」 

林家たけ平 「宮戸川」 

三遊亭司 「蛙茶番」 

鈴々舎わか馬 「犬の目」 


今日はここ数ヶ月の深夜寄席の中でも、

いちばん楽しみにしていた顔付け(のはず)だった。

わか馬&歌彦がいちどに聴ける(予定だった)からね。


でも、末廣亭に着いてみたら看板に歌彦の名前がない。

えーっ、って感じでちょっとがっかりだったけど、

まあわか馬が出てるからいっかと思った。

3人目の司が登場したところで22:15。

このままいけば、わか馬はトリだから、

まあ定席のサラ口よりはたっぷり噺が聴けるだろうと、

わくわくしながら登場を待っていたのだ。

それがまさかあんなことになろうとは・・・。


司も出だしはけっこう良かった。

客席の反応もいい感じで噺に入っていったのだが、

それが「蛙茶番」だとわかったとたんに、

「うーむ、この噺は確かこの先けっこう長いぞ」と

次第に悪い予感がしてきた。


以前菊朗で聴いたことがあるけれど、

今の時間でこのあたりということは、

あとどれくらいかかるだろうか。

これから定吉が半次を迎えにいって、

いったん店に戻ってからまた迎えに行って、

半次が湯屋にいってフンドシを忘れて、

帰りに親子連れに出会って、

芝居小屋に着いて・・・と。

ああ、わか馬の持ち時間がどんどん少なくなっていく。


そう思っていたのは私だけじゃないようで、

というか、

それを一番わかっていたのは演ってる司本人で、

時々時計に目をやりながら、

内心ものすごーくアセっているのが伝わってくる。

順番に仕込んでいかないとサゲまでいかない噺だから、

途中で端折るのも難しいだろうしなぁ。


だんだん客席の方も、

「この話、いつんなったら終わるんだろう」

っていう空気になってきた。

先を知ってる私でさえ気が気じゃないのに、

この噺を知らないお客さんも多いであろう客席は、

どんどん重い雰囲気になっていく。


結局終わったのは22:50。

トリのわか馬が高座に上がり、

座布団に座って扇子を前に置いても

なかなか拍手が出なかったくらい、

客席は鉛のようにどんより重くなっていた。

ああ、こんな中でやらなきゃいけないなんて可哀相、

と思う反面、

わか馬はいったいどうやってこの場を切り抜けるのだろう、

という興味も湧いてきた。


あ、いや、決していぢわるでいってるんじゃなくて、

わか馬ならきっと何とかしてくれるであろうという、

期待の表れですから、ええ。


さて、残り時間はあと10分。

「寄席でトリといえば、主任ともいって、

いちばん最後に出てきてたっぷりやるものです。

定席の寄席の場合は・・・ですね。

この深夜寄席では前の3人が好き勝手やって、

トリが時間調整するという・・・そういうことになってます。

しかしこれほど・・・こんな時間になるとは思っていなかったので・・・」

なんて言いながら、何をやろうか考えている風のわか馬。

医者の話から「犬の目」に持っていった。


これじゃあ浅草のサラ口だよ~なんて思いながらも、

沈んでいた客席に徐々に笑いが増えていくのを感じながら、

私もうれしい気持ちになった。

終了したのは23:04。

深夜寄席のトリの役目をきっちり果たしたって感じですかね。


わか馬の噺をたっぷり聴けなかったのは残念だけれども、

「最後の人すごいよね~。

あーんなちょっとの間にぱぱっと何やるか考えて、

時間通りに終わっちゃうんだもんね」

「うん、面白かったね~」

という声が、あっちでもこっちでもそっちでも聞こえてきて、

わか馬の好感度が大いにup!したことに満足して帰途につきました。

第3回吉祥寺寄席

19:30~ @吉祥寺第一ホテル1階チャペル 1500円(予約) 


鈴々舎わか馬 「やかん」 

大八木元(紙飛行機全日本チャンピオン) 

 〈仲入り〉 

林家彦いち 「青菜」 


ずっと行きたくて日程が合わなくて行けなかった落語会。

やっと行けたよ~。

準備会を含めたすべての回に、

わか馬か菊朗のどちらか(あるいは両方)が出演してるんだよね。

主催者の好みなのかしらん。

次回はその私的ツートップが出演するので、

さっそく帰りに予約してきました。


それはそうと、

今日のわか馬の演目は「やかん」。

先日の末廣亭で途中までしか聴けなかった噺ですね。

マクラをふりながら、客席を見渡しながら、

何をやろうか決めかねている風のわか馬でしたが、

知ったかぶりをする人の話から愚者愚者と始まって、

“やかん”の由来も聞けてうれしかったです。


彦いちは池袋で2回観ていて、

2回とも新作だったが今日は古典。

お客さんの反応が良くて、

女子校ネタのマクラから会場は爆笑の連続だった。

この夏初めての「青菜」を堪能しました。

「しゃべれどもしゃべれども」エキストラ参加

TOKIOの国分太一くんが主演する映画、

「しゃべれどもしゃべれども」のエキストラに参加してきました~ニコニコ

伸び悩む若手落語家の恋と青春を描いた映画・・・なのかな?

太一くんは今昔亭三つ葉という二つ目の役です。

でもって、私は一門会のお客さん役。

江東区の某ホールに200人近くのエキストラが集められ、

拍手したり、笑ったり、してきたわけです。


太一くんに落語を指導しているのが柳家三三で、

「火焔太鼓」をやるシーンで所作や間の取り方をアドバイスしていました。

古今亭菊朗も現場にいてちょっとびっくり&ラッキー音譜


部分だけとはいえ、かなり難しいと思われる噺ですが、

ちゃんと落語家に見えるし、

なかなかサマになっていたと思います。

太一くんの表情を観ているだけで、

特に演技しなくても自然に笑いが出るくらい。


ただ、朝9時集合だったので、

夕方頃にはさすがに笑いのテンションも下がってきて、

「クライマックスの部分なので、もっと爆笑系でお願いしまーす」

と指示が飛んでいました。


三つ葉の兄弟子役の人は「猫の災難」をやってました。

お客さんの入った状態で高座に上がってすごく緊張している様子。

「いちおう兄弟子なんで、三つ葉よりも偉いんですよ」

なんて言いながらお客さんを和ませつつ、

自分でテンションを高めていたところに、

「芸(の力)で(その差を)示してくださいね~」という菊朗の突っ込みが・・・。

きっつー!(笑)

しかしその後の本番では、

熊五郎が酒を全部飲んじゃう場面を

中堅落語家らしい落ち着きと貫禄で演じて、

きっちり“芸の力”を見せていただきました。


公開は来年だそうです。


佐藤 多佳子
しゃべれども しゃべれども