企業の中に民主主義的な選挙制度を設け、社員の意向に副わない社長をリコールできるような制度を設けようとする思想を企業民主主義と名づけましたが、それに対して今までの、政治の世界で育まれてきた民主主義の名称についての考察です。
 最初は国家政治において育まれてきた民主主義ということで国家民主主義という名称を考えましたが、それは国家主義によって歪曲された民主主義という印象を受けるので、国政民主主義という名称に変えてみました。
 ところが、国政という用語は、地方自治に対する国家全体の政治という意味があります(これがソシュール言語学でいうところの範列関係です)。それゆえ国政民主主義という用語は国政における民主主義に限定され、地方自治における民主主義は含まれないことになります。しかし民主主義は、国政だけではなく地方自治にも存在します。そこで国政と地方自治の双方を含めた民主主義についての名称が必要です。その名称について、行政民主主義という用語を考え出してみました。以後はこの名称を用いることにします。