祝日ごとに読み進めるという牛歩スタイルの指数オプションハンドブック、メモリアルデイの本日は2回目で、『指数オプションのメリット』と、『指数とは?』の2章を読んでおこうと思います。

まだ前置き的な段階ですが、基礎は重要なので、飛ばさずじっくり見ておきます。


(その1:イントロダクション/その3:まだ)

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指数オプションを理解する
(https://www.optionseducation.org/documents/literature/files/understanding-index-options.pdf)

p. 5 上場指数オプションのメリット

個別株オプション同様、指数オプションは、予想される市場の動きを有効利用したり、対象金融商品のポジションを保護したりする機会を投資家に提供する。違いは、対象となる金融商品が指数であることである。これらの指数は、広範な株式市場全体または市場内の特定の業界セクターの特性を反映し得るものである。

多様性
指数オプションは、投資家が1回の取引決定およびしばしば1回の取引で、市場全体または特定の市場区分に対する取引機会を得ることを可能にする。個別発行株または個別株オプションを使用して同じレベルの多様性を得るためには、多数の決定および取引が必要となる。指数オプションを使用することで、そうすることへのコストと複雑さの両方を満たすことができるのである。

あらかじめ決まっている買い手のリスク
リスクに上限がないような他の投資とは違い、指数オプションは買い手にとって既知のリスクしか存在しない。指数オプションの買い手は、絶対に、オプション価格すなわちプレミアム以上の資金を失うことはない。
※注コメント: 指数オプションに関わらず、個別株オプションでもそうですね。オプション取引の、極めて重要な利点だと思います

レバレッジ
指数オプションは、レバレッジを提供してくれる。つまり、指数オプションの買い手は、その契約に関連した市場取引の価値に対して、比較的小さなオプション価格を支払うことが可能であるということだ。投資家は、対象となる指数の、比較的小さい、自分に有利な数パーセントの動きから、大きなパーセンテージの利益を得ることが可能である。もし指数が予想通りに動かなかった場合も、買い手のリスクは支払ったオプション価格に限定される。しかし、このレバレッジのため、自分にとって不利な市場の動きは、買い手のオプション購入資金の大部分または完全な損失を招く可能性がある。指数オプションの売り手は、無制限ではないにしても、実質的により大きなリスクを負い得るものである。
※注コメント: これも指数オプションだけでなく個別株オプションにも完全に当てはまることなわけですが、個人的には、この段落の話がオプション取引の全てだと思います。特に最近実際に日々の取引で示している通り、上手く行けば数時間で5倍10倍も余裕ですが、しくじると数十分で80%90%の暴落も余裕、ちょっと無理して下手なポジションを引っ張ってしまうと数日で0になることもあっさりある、というのがオプション取引です。これを面白そうだと思う方には、オプション取引は非常にナイスな投資対象だと思いますが、言うまでもなくリスクは非常に大きいです。
ただしもちろん、改めて、前段落の通り、信用取引でレバレッジをかけたような取引とは違い、オプション取引では(少なくとも現物口座での取引のみならば)借金を負うリスクが完全に0なのは、非常に素晴らしい点だと思います


保証付きの約定パフォーマンス
※この段落は、以前読んだ個別株オプションハンドブックと一字一句同じ内容でした。コピペしておきます。
オプションの購入者は、OCCの付属定款とルールによって、オプション売却者のパフォーマンスに向けてではなく、オプション購入者のために作成されたシステムを当てにすることができる。このシステムを介して、OCCは契約相手の支払いリスクを排除することで、決済メンバーの売買に、パフォーマンスを保証している。

オプション取引所とOCCが存在する以前は、オプションの権利を行使したがっているオプション購入者は、そのパフォーマンスが、オプション売却者またはその証券会社の倫理性と財政的な健全性に依存していたと言える。さらに、契約が満期を迎える前に、ポジションを売却して畳むための便利な手段は存在しなかったのである。

全ての取引所取引オプションの公的決済機関として、OCCは、この困難を解決している。ひとたびOCCが購入者と売却者からマッチする取引を見出したら、両者の関連を断ち切るのである。事実上、OCCが売却者にとっての購入者、そして購入者にとっての売却者になるのだ。その結果、売却者は以前に売った同じオプションを普通に買い戻すことができ、最初の取引を畳んで、OCCに対して対象株を買い渡すまたはオプションの権利行使で請求される金額を受け渡す義務から解放されることになる。そしてこれは元々の購入者が自身のオプションを売却する・保有する・権利行使することに対して一切何も影響を与えないのだ。

全てのプレミアムと決済の支払いは、OCCと決済メンバーの間でなされる。それに続き、OCC決済メンバーは、自身の顧客(または顧客を代表している証券会社)と、独立して決済を行うのである。

※注コメント:個別株オプションハンドブックのこの段落の後でもちょうど似たようなことを書いていたのですが、この、『決済や取引後の支払いは確実に行われる』というのは、そんなの当たり前じゃんとしか思えなかったんですが、最近よくある仮想通貨取引やバイナリオプション取引なんかでよく聞かれるような、詐欺まがいの(詐欺じゃなくても、処理しきれずにパンクして破綻してしまうような)取引所が横行している現状、実はこれってめちゃくちゃ重要なことだったのかもしれませんね。
一般的な株取引での売買におけるお金の受け渡しが本当に大丈夫なのかを心配する人がほぼ存在しないのと全く同じように、オプション取引も完全に公明正大で、完璧に自分の思うような取引を、100%確実な決済が行われるという保障のもとで行えるので、これは非常に大きなメリットと言えるのかもしれません



p. 7 指数とは何か?

株価指数とは、いくつかの株価を単一の数値にまとめたものである。指数は様々な形とサイズで表示される。いくつかの指数は広いベース (broad-based) であり、これは、幅広い、多様な市場の動きを測定している。他のものは狭いベース (narrow-based) であり、市場におけるより特定の業界セクターを測定している。異なる株価指数は、異なる方法で計算され得るものである。したがって、指数が同一の対象証券に基づいている場合であっても、計算方法の違いにより、関連市場を異なる方法で測定することがある。

時価総額加重平均型 (Capitalization-weighted)
指数計算の重み付けが大企業の株価に偏っているように構成される指数が存在し、これは、加重平均型と呼ばれる計算方法である。この指数の計算では、各構成株式の市場価格に、発行済株式数を掛け合わせる。これにより、株式のサイズと総数とが、指数の価値に大きな影響を及ぼすことにつながるわけである。

等価加重型 (Equal Dollar-Weighted)
別のタイプの指数としては、等価加重と呼ばれる、各構成株式を同数ずつ割り当てるものが知られている。この指数は、その指数の全ての構成銘柄の市場価値を合計し、その後、この市場価値総額を各銘柄の現在の市場価格で割り算して各証券の株式数を決定することによって計算される。この計算方法では、より高度に資本化されている構成銘柄の価格変動に大きな重みが与えられることはない。

その他のタイプ
指数は単純な平均であることもある: 単純に、指数の銘柄の価格を足し合わせ、銘柄の数で割ることで、発行済株式の数を無視して計算されるものもある。別のタイプでは、その指数に含まれる全ての銘柄の価格変動率の平均をとって、日々の価格変動を評価している。

調整&正確性
構成銘柄の中には、合併や会社清算といったイベントや、特定の銘柄がもはやその指数を構成する株式を代表するものとは考えられなくなったために、その指数から除かれてしまうものまる。逆に時折、ある銘柄が指数に追加されることもある。そのような置き換えのため、または構成銘柄による新株発行のためといった理由で、指数の調整が行われることもある。このような調整やその他似たような変更は、指数の発行者の裁量の範囲内であり、通常、未払いの指数オプション契約への調整は行われない。しかし、調整委員会は、対象指数の発行者が、委員会の判断において指数レベルの著しい不連続を引き起こす可能性があると考慮されるような、指数の構成銘柄または計算方法を変更した場合に、調整を行う権限を有する。

最後に、株価指数の報告されるレベルは、以下の範囲においてのみ、正確となる:
・その指数の全構成銘柄が現在取引されている
・これら構成銘柄の価格が速やかに報告されている
・これらの構成銘柄の市場価格が、指数で測定されるように、関連する市場における価格変動を反映している

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…というわけで、別段新しい発見も驚きもない当たり前な内容のみでしたが、注コメントで触れた点などは、冷静に考えると大変重要な点かもしれません。

次回は7月4日、ジュライフォース・インディペンデンスデイ・アメリカ独立記念日に続きを読んでみようと思います。