2009年以来のコント・ラフォン訪問。
ドミニク・ラフォン氏ご本人が応対してくださり、樽熟成中の赤15年のモンテリーとヴォルネイ・サントゥノ、マコンのラインナップ15年を瓶で(ヴィレ・クレッセは熟成が長いのでこれから日本に出荷される14年を)、続いて樽熟成中の白15年をムルソーから順にすべてのプルミエクリュ、モンラッシェまで!
流石にモンラッシェでは誰もが言葉を失い、一日中でも続きそうな余韻の美しさと戻り香の勢いにうっとり。。。
98年に所有畑全体をビオディナミに移行してから、ワインには明らかに違いが生まれたそうです。ドミニク氏曰く、
「ピュアさがいっそう引き立ち、畑の個性がよりくっきりと現れるようになりました。ワインが生き生きとして瑞々しく、余韻の伸びがちがってきました。」
2015年は暑く乾燥した気候から一般に重たくなりがちですが、ラフォンのワインはまったく違います。
「重たいワインは個人的に嫌いです。何杯でも最後まで美味しく飲めるようなワインにしたいと思っています」
と、酸を綺麗にとるために収穫は8月に開始。
そのため、15年らしいふくよかさとタップリした飲み心地に、フレッシュな爽快さが加わって、絶妙なバランスになっています。
それにしても、今日もっとも驚いたのは2016年の素晴らしさ!
「1週間前に樽詰めしたばかり」のヴォルネイ・サントゥノは、まだ濁りも落ちていない、もちろんマロラクティック発酵も始まっていない、まさに「ブドウそのものの質」を素顔で見せている基盤のワインでしたが、
「果実の濃さと強さ、滑らかで口解けのよいタンニン」
と、ご本人も思わず笑顔を見せるほど。「繊細さの意味では15年を上回るかもしれない」とのことで、苦しい仕事の末に、玉手箱を開けた瞬間、夢のように流れ出した、まさに飲み手を誘惑するワインでした。
試飲したワイン:
赤ワイン
◆ モンテリー 15年 (来年2~3月ごろ瓶詰め予定。)
モンテリーはもともとタンニンや野性味が出やすいので、抽出し過ぎないよう、他のキュヴェに比べて仕込みを短めに。瓶詰めも少し早めにしているそうです。
◆ ヴォルネイ・サントゥノ 15年 (来年7月ごろ瓶詰め予定)
甘美な、精妙な、絹のような、官能的なといった表現がピッタリのワイン。
◆ ヴォルネイ・サントゥノ 16年 (一週間前に樽詰めしたばかり!マロラクティック発酵と熟成はこれからです。)
厳しい自然条件に耐えた選りすぐりのブドウによるキュヴェ。果実の強さとタンニンの柔らかさに特徴づけられる酒質。将来が楽しみ!
白ワイン
◆ マコン・ミリー・ラマルティーヌ 15年
ミリー・ラマルティーヌはマコンの村の名。いくつかの区画を合わせたキュヴェ。15年らしくタップリとして飲みやすく、それでいて喉越しもよいワイン。1年後(2017年)がちょうど飲み頃とのこと。大樽(3分の2)と、600リットル入りのドゥミ・ミュイ(3分の1)、新樽ゼロで翌年の収穫直前まで寝かせるキュヴェ。
◆ マコン・シャルドネ 15年
シャルドネは、マコンの村の名。15年らしくタップリとして飲みやすく、それでいて喉越しもよいワイン。1年後(2017年)がちょうど飲み頃とのこと。大樽(2分の1)と、600リットル入りのドゥミ・ミュイ(2分の1)、新樽ゼロで翌年の収穫直前まで寝かせるキュヴェ。
◆ マコン・ミリーラマルティーヌ クロ・デュ・フール 15年
クロ・デュ・フールは、ミリー・ラマルティーヌの区画を分けて醸造、熟成した結果、最も優良と見極めた畑で、単独キュヴェにしている。すべて600リットル入りのドゥミ・ミュイで熟成。
◆ ヴィレ・クレッセ 14年
先の3つのキュヴェが、ブルゴーニュ・ジェネリックを造る産地なら、ヴィレ・クレッセは村名に相当する産地。プイィ・フュメに似ていて、複雑性が高いため、熟成期間も長めにとり、他3つと比べて、ヴィレ・クレッセは1年後にリリースされる。(つまり先3つの15年と同時にヴィレ・クレッセの14年がリリースされる。)
マコンの畑も99年からビオディナミに移行しはじめ、2002年に完全にビオディナミに転向。醸造所は現地にあり、若干32歳の女性エノログ(キャロリーヌ)とともに意見を交わしながらワインを造っているそうです。
村名
◆ ムルソー15年
ムルソーの中心をとりまく4つの区画から成るキュヴェ(En la Barre, En Luraule, Les Crotots, Le Clos de la Barre)
◆ ムルソー クロ・ド・ラ・バール 15年
ムルソー、ムルソー クロ・ド・ラ・バールとも、いかにもムルソーらしい昔を彷彿させるコクのある豊かなムルソー。
プルミエクリュ
◆ ムルソー ブシェール 15年
空気感があり、繊細さとエレガントさが際立つムルソー。
◆ ムルソー ジュヌブリエール・デュシュ 15年
フランソワ・ジョバールのすぐ上の区画。
◆ ムルソー シャルム・デュシュ 15年
ソゼのコンベットのすぐ隣の区画
◆ ムルソー レ・ペリエール 15年
これはグランクリュと言いたくなります。アペラシオン制度が出来る前は「テート・ド・キュヴェ」に格付けされ、最高値でワインが取引されていた区画の一つです。
グランクリュ
◆モンラッシェ 15年
まさに最高峰。余韻の長さ、戻り香のリピートがとにかく圧倒的。午前中の試飲でしたが、午後もずっと口の中に余韻が感じられ、毎日晩酌する私もさすがにこの日だけは他のワインを飲む気持ちにはなれませんでした。。感無量。