あの日・あの日々の事、遠くなっていく。
あんなに怖かった事なのに。
時の薬か、薄れていく。
忘れた方が、進める場合もある。
忘れたら、また歴史は繰り返されるだろう。
フクシマだから、
大地震も原発事故も、セットになっている。
フクシマでなくとも、大きな問題。
だけど、生活上では前と変わらない。
いや、子供の外遊びの問題はある。
震災後すぐに第2子妊娠が判明。
私は不安を感じなかった。
単純に嬉しかった。
その本能だけで、自信があった。
ただ、どんな世界になるのかを考えた。
世界は変わるだろうと思っていた。
しかし、月日が経ち節電節水の意識も薄れたような世の中。
3.11になると振り返るだけでは、足りないだろう。
身近なところでは、私は子供達に語り継ぐ事は出来る。
自分が経験した事を。
妊娠した私に、
「こんな世界に生まれる子が可哀想だね」と、
言った人がいた。
私はそうは思わなかった。
生きる事は素晴らしい事だから。
どんな世界であれ、生きる素晴らしさを見つけないと。
受け身なのか、悲観主義者なのか、
そんな風に思う人もいるんだなと思っただけ。
いつか育児が落ち着いた時、
あの時何が起こったのか、詳しく知りたい。
あの時奪われた命の数を忘れてはいけない。
普通の生活の中に起きた事。
条件が揃えば、自分だったかも知れない事。
一度にたくさん過ぎる命の数。
悲しみが多過ぎて、癒すどころではなかっただろう。
未だに、あれは何だったのかという記憶。
後で知る恐怖も。
頭できれいに整理は出来ていない。
世界はすぐ変えられないけど、
人の意識は変える事が出来るだろう。
運動家になるつもりはない。
小さな事から。
忘れてしまうから、一生懸命覚えておこう。
起きてしまった事。
変えられない過去。
経験した事。
考えた事。
自然の怖さ。
辛いけど、悲しみも忘れてはいけない。
まだまだ辛い人達が、前を向いて進めますように。
自分だけがいい世界になりませんように。