●棒ノ折山  快晴

 東京都/埼玉県 棒ノ折山(969m) 2009年1月10日(土)温泉付

 

<参考コースタイム>

 青梅線川井駅→清東橋バス停→(1時間25分)棒ノ折山山頂→(25分)岩茸石→(1時間5分)河又・さわらび湯

 参考歩行時間:約3時間

 立ち寄り温泉:さわらびの湯
 

山   写真 温泉
1月の年始めの登山は例年怠っているが、今年は月1回の完登を目指して3連休の初日、奥多摩でも人気の高い棒ノ折山に向かうことにした。

 

日本列島は、2日前から低気圧がすっぽり覆われ、東京でも前日の夜明け前には、薄っすらと初雪が降ったようで、終日雨模様。

さぞ山は、この雨が雪になり、かなりの積雪では?との思いもあるが、半面、「雪山の新雪でも楽しもう」ということになって、ザックにロングスパッツとアイゼンを詰めて雪山に備えることにした。

なにせ、翌日の天気は折り紙つきの晴天なのだから・・。

予想通り、早朝起きると朝焼けの名残が薄っすらと東の空を染めている。願ってもない快晴で気温も平年並みという。

 

奥多摩方面に向かう列車は、さぞや登山客で賑わうだろうと予想したが、各駅停車の青梅線の車内は、ほとんど乗客がいない。山登りにしては遅い時間(9時頃)のせいなのかもしれないが・・。
山   写真 温泉

車窓から見える奥多摩の山々の頂は、薄っすらと冠雪しているが、果たして、目指す山の頂はどれほど雪が積もっていることか?山   写真 温泉

川井駅に降り立った登山客は20名弱。全員がバスで棒ノ折山に向かうのだが、大半が○○山岳会のパーティであるらしい。

 

バス停に降り立ったのは、9時40分頃。防寒着を脱ぎ、一服していよいよ登山開始。

やはり昨夜の雪が、民家の屋根に降り積もっていたが、春を思わせる陽光で雪が溶け始め、みるみる白い水蒸気と溶け水になって、青空と地面に向かって消えてゆく。

舗装された林道を少し登ると、茶屋(冬季は無人)がある。そこが登山口になるのだが、ガイドブックに”この登山口は見落としやすい”と書いてある。案の定、先行したパーティーが、標識を見損ない引き返してきた。

 

登山道から、ゴンジリ沢に沿っていくつかのワサビ田があり、青々とした葉を茂らせている。
山   写真 温泉
20分ほど狭い沢筋を登ってゆくと、山ノ神を祀った小さな祠があり、いよいよ本格的な登りとなる。

棒ノ折山は「どこの登山口から登っても、急坂は免れない」とあるが、やはりこのコースも、徐々に勾配がきつくなり、やがて階段状の厳しい急坂になってきた。

山   写真 温泉 本格的な登り開始

この日は一日快晴だが、登り始める頃から風が強くなり、ひのきの梢に降り積もった雪が、強風にあおられてバサバサと音立てて降り注いでくる。時おり、陽の光に反射した粉雪が舞い上がり、さながらダイヤモンドダストのようにキラキラ輝いて見える。

しかし高度を上げるにしたがって、あられのように氷結した白い塊が大きくなり、頭や顔に容赦なく振り落ちてきた。
山   写真 温泉
山   写真 温泉
氷結した雪の塊が地面に落ちて来る

山   写真 温泉

1時間ほど急坂を上り詰めると、雪の量も多くなり、やがて西側斜面の樹間から、川苔山辺りの峰峰の姿が現れてきた。
山   写真 温泉 山   写真 温泉

普段なら、50分程登ぼると疲労にかかわらず小休止するのだが、この日は風が強いせいもあって、頂上までイッキに登ることにした。

バス停からほぼ1時間10分を過ぎた頃、ようやく、見上げた頭上の狭い空間に、まっ青に澄んだ空が見えてきた。頂上はもうあとわずかだ。

 

歩き始めてほぼ1時間半ほどで、山頂に着く。  
山   写真 温泉
山   写真 温泉
ゆっくりと歩を進めると、見晴らしの良い、一面雪で覆われた広々とした山頂の景色に思わず息をのんだ。

我々の前に、一組(2人)の登山者のトレースが雪上にあったが、頂上にはひと気はない。すでに山頂を後にしているようだ。

そのお陰で、頂上の景色を我々だけで独り占めすることが出来る。
わずか海抜1000mほどの頂だが、地平線の遥か向こうを見渡す爽快感は、標高の高低差とは無関係に感動的だ。

山   写真 温泉
山   写真 温泉  

山   写真 温泉  

棒ノ折山は、東京都と埼玉県のちょうど県境にある山だ。登山口は奥多摩で、本日われわれが下山する名栗湖方面や有間ダムは飯能(埼玉県)になる。

したがって山頂からは、西側に雲取山など奥多摩連山、北側に奥武蔵の山々や、その背後に上州の谷川岳、榛名、東側には日光の連山も見渡すことができる。
 

山頂でしばらく景色を堪能していると、後続のパーティが次々に到着してきた。

陽が照っているとはいえ、時おり台風を思わせるような強風にあおられ、雪煙が舞う。ゆっくりと昼食をとるゆとりもない。中に、「手がかじかんで、カメラを出す気もしない」という登山者がいる。
山   写真 温泉
山   写真 温泉

東側斜面の向こうに、池袋、新宿のビル群が見えるはず
山   写真 温泉

山頂の東屋
山頂で40分ほど過ごし、寒さで凍えてきたので、12時少し前に出発することにした。

本日は、北側の斜面を降り下り、バス停に近いさわらびの湯に浸かって身体を温めるつもり。

山頂から雪が積もった狭い下山道を慎重に下り始めるが、氷結の恐れがないので、幸いアイゼンは不要だ。

そういえば、バスで一緒になった山岳会のガイド役の人が、奥多摩でアイゼンを付けたことがないと言っていた。なまじアイゼンを使うと危ないと言う。

もっとも大昔、春先に雲取山付近で、アイスバーン状態の峰でツルツルと滑った経験があるので、3月頃の春山にはこの辺りでもアイゼンは欠かせないだろう。
山   写真 温泉

山頂からゴンジリ峠まで、雪の下山道を滑るように降り、25分ほどで岩茸石に着く。さすがに北側斜面なので、雪が少し凍っていて歩くとシャリシャリという音を立てる。やはり凍るとアイスバーンになる恐れはありそうだ。

岩茸石は、岩茸石山の手前にある場所で、3つの分岐点となる要所。

われわれは分岐の真ん中の冬季ルートである、河又バス亭の道を採る。ちょっと分かりにくい道標なので要注意。
山   写真 温泉
岩茸石の大岩

ここからさらに急坂を下ることになるが、雪の下の太い根に足をとられて歩きにくい。

途中、見晴らしが良く、風のないところでバーナーを使って昼食を摂ろうと思っていたが、丁度いい具合の場所がない。
山   写真 温泉

結局、この下山コースもほとんど休むことなく1時間半歩き通して、目的地のさわらびの湯に着いた。

山   写真 温泉  

さわらびの湯

昼食は、さわらびの湯の入口付近の無人小屋の脇を借り、バーナで湯を温めた。

さわらびの湯は、さほど大きな湯船はないが、館内は広くロッジ風の建物で落ち着ける。残念ながら、食堂がないので、湯上りは自販機でロング缶のビールを買って祝杯。

しかし、なぜかこの日は、お酒がいまひとつハカがいかず、缶ビール1本でおつもり。相棒はさらにもう1本飲んで、帰りにバスに揺られながらワンカップ酒を1合。

日の踏破総数は約20,000歩なり。


 

帰り際、土産物売り場で、珍しいルパーブ(西洋フキ)のジャムの表示を発見。早速買おうと思ったら、あいにく売り切れとか。しかたがないので同じ棚にあった無農薬「甘夏マーマレード」という見慣れないジャムがあったので、ものは試しとこれを購入。


 

翌日(本日)は、やはり風邪気味で調子がいまひとつ。

お酒の量は、健康のバロメーター?

甘夏マーマレードはおいしかったのだが・・。