沼津アルプス

●沼津アルプス縦走    

   静岡県  大平山(356m)・鷲頭山(392m)・徳倉山(256m)・香貫山(193m)

       2008年9月28日(日) 曇り

香貫山の展望台から観た沼津アルプス

▲葛城山から見た沼津アルプス
<参考コースタイム>

 沼津駅→多比バス停→(35分)大平山分岐→(15分)大平山山頂→(55分) 鷲頭山山頂→(50分)志下峠→(25分)志下山→(20分)→志下坂→(15分)徳倉山→(25分)横山→(55分)香貫山頂→(40分)市役所

 ●歩行時間:5時間35分

 ●参考行程表 (伊豆漫歩登山会のガイド)はこちら

 ●沼津アルプス5月(2006年)のブログ
山   写真 温泉


沼津アルプスは、6山7峠からなる約10Kmに及ぶ、全行程5時間30分のコース(伊豆漫歩登山会のガイドより)。

駿河湾を眼下に望み、冬から初春にかけては冠雪の富士山、遠く南アルプスの連山を見渡せる景勝の登山コースでもある。

 

その景勝の登山コースに魅かれて、今回は3回目の山行となるが、これまでのショートカットコース(徳倉山から)ではなく、大平山(おおひらやま)から香貫(かぬき)山までの6山を縦走する予定。

前2回は春に登っているが、初秋は初めての試み。長閑な駿河湾の眺めを堪能することと、沼津駅付近のすし屋で一杯やるのが主な目的

今回は、米国から一時帰国のK君を交えて3名の山行となった。K君は、体調不良の上に、前日は遅くまで友人たちとの酒宴で、当日の登山は危ぶまれたが、根性で参加。親父さんが愛用していた、チャップリンもどきのか細いステッキを持ち颯爽たる?イデタチ。

沼津アルプスは香貫山をスタート地点にするのがスタンダードなルートなようだが、今回は反対側の多比(たぴ)を出発点にした。

9時半に、海岸に面した干物屋の前の多比バス停に着。住宅地を縫うようにして、ミカン畑に沿って登山道をゆっくりとしてペースで登り始める。徐々に視界が開けて、駿河湾の内浦が見えて期待が高まってくる。たわわに実ったミカンはいまだ熟してはいない。


出発してからおよそ40分で、一番目の大平山に着。この山は縦走コースからはずれているので、分岐点から往復することになる。
大平山山頂

頂上は全く展望が利かないので、早々に切り上げて分岐からウメバ樫の樹林を抜けて鷲頭山を目指す。

鷲頭山、そして小鷲頭山の上り下りが、沼津アルプス最大の高低差がある難所。真夏並みに汗びっしょり掻いて、ようやく山頂へ。


ウメバ樫の樹林

鷲頭山は、沼津アルプス最高峰の392m。頂上は開けていて、桜の大木が聳えていて眺望も抜群。桜の木の下の祠にひっそりと彼岸花が咲いている。

頂上で出会った地元の登山客に、「満開の桜の頃はきれいでしょう」と言うと、山桜だからさほどのハデさはないという。しかし登山家の岩崎元郎氏がお気に入りの山で、最近そのパーティを見かけたとのこと。

鷲頭山山頂


鷲頭山山頂から西伊豆の突端、大瀬岬を望む

鷲頭山で小休止して、志下(しげ)峠に向けて樹林の急坂を下る。超低登山と言え、ロープのある急坂の連続で、決して侮れないのが沼津アルプス。しかしせいぜい20分~30分辛抱すれば、山頂に立つことができるのもこの山の特長。

当日は、まだ夏の名残で、蒸し暑いせいで、登山客にほとんど会うこともない。


小鷲頭山あたりから駿河湾の弧を描いたような海岸線がほぼ見渡せる。湾の向こうには富士市の工場の煙突の煙もハッキリ見える。

小鷲頭山の頂上からは、いよいよロープ伝いの急坂が待ち構えている。一体どこまで下るのかと、もったいない気分。

坂を下りきったところから、平重衡の慰霊の石仏のある中将宮に通じる道がある(往復10分)。

ここから、ゆるい登りを15分ほど歩いて、3つ目の山、志下山(しげやま)に着。鷲頭山からは、約180mも下ったことになる。志下山からはカヤトのなだらかな稜線歩きで気分は爽快。ミカン畑や駿河湾も見渡せる。





9月末とはいえ気温は高いが、ススキの穂が膨らみ、山中はすでに秋の気配が漂っている。ほんのわずかだが、赤く色付いたハゼやナナカマドも樹木の間から数本垣間見える。萩は都会では盛りを過ぎているが、ここではいまが見頃。しかし山栗はもう地面に落ちて、先客がすでにイガから実を取り出していた。
春に来た頃はこの稜線沿いの木々や潅木が枯れ、見晴らしが良かったのだが、草木が生い茂り、残念ながら天候もいまひとつとあって、この山の魅力も半減。

しかし、先を急ぐ山行でなければ、のんびりとこの山稜を堪能することはできる。




カヤトの稜線歩きを堪能して、細い山道を下ると、像の背に向かう急勾配の坂になり、「千金岩」を通過。

千金岩

志下山からアップダウンを繰り返し、40分ほどで徳倉山山頂の到着。この山頂も見晴らしが良い。運よく、富士山の山頂を覆っていた雲が流れて、その雄姿を現した。

山頂に着いたのは12時50分。登り始めて3時間15分。ここで遅い昼食をとる。

体調がイマイチのK君は、最初の大平山を省略した分、絶えず一人先行していたのだが、ここで3人が合流。

しかしここでも昼食をとると、一人先行したのだが、どこをどう間違ったか、この先で下山コースを辿ってしまった模様。



正面に富士山が朧に見えてきた

徳倉山まで来れば、行程のすでに2/3を歩いたことになる。しかしここからも依然として急坂が続き、足腰もそろそろきつくなってきた。

途中、二人連れのハンターに遭遇。私は気がつかなかったのだが、相棒が「イノシシでもう撃つのか」、と聞いたところ、この辺りにはイノシシのほかシカも出没するのだそうだ。この日は大きなイノシシとシカを射止めたとか。

市街地からさほど遠くない、このような山中にもシカが生息しているとは、沼津アルプスの山の奥深さを物語っている。

徳倉山から横山を超え、そろそろ本日のゴール香貫山を目指すことになった。

八重坂峠に下りると車道になり、ゴルフ場の脇の廃道を上り詰めて、ようやく香貫山の展望台に到着。展望台からは、今日歩いた沼津アルプスの連山がクッキリと見渡せる。

香貫山には頂上を示す表示がないので分からない。

ここは桜の名所で、その季節になると登山客以外にも多くの人が訪れるという。この日も数組の散歩夫婦やカップルが展望台付近を散策していた。

眼下には、沼津港や街並みが手に取るようにクッキリと見える。

展望台からの眺め

中央右端あたりが沼津駅
途中から下山コースを辿ったK君と市役所前で待ち合わせすることにして、霊山寺方面に下山。

合流後、予定では沼津駅前から日帰り温泉に行く予定だが、本日はその気力も失せ、あとは駅前付近のすし屋で祝杯の予定。

すし屋をしばらく探した挙句、入った店はラッキーなことに、開店3周年の記念キャンペーン中。550円で生ビール飲み放題!!、寿司も1貫オール100円という出血大サービス。

当然のことながら、心置きなく3人でビールを14~15杯ほど飲み干し、刺身盛合わせ、煮魚、揚げ物、肴、寿司など腹一杯平らげたのは言うまでもない。

ちなみにお勘定は、〆て8,980円也。一人3000円のあまりの安さにびっくり。

店員さんに誰が言ったか、「お釣り(20円)は取っといて・・」

 

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