●毛無山~十二ヶ岳~節刀ヶ岳~鬼ヶ岳

  神奈川県  1500m/1683m/1736m/1738m 2008年7月19日(土) 快晴
<参考コースタイム> 河口湖駅

 毛無登山口バス停→(50分)分岐→(25分)毛無山頂→(1時間)吊橋→(35分)

 十二ヶ岳山頂→(35分)金山山頂→(15分)節刀山頂→(35分)鬼ヶ岳→(15分)

 雪頭ヶ岳(1時間20分)→根場民宿前

<歩行時間>  5時間50分

7月19日は関東も梅雨開け宣言をするほどの超快晴。気温も30度はゆうに超える暑さ。救いは都会と違って、空気が乾燥していることだが、やはり風のないこの季節の登山は体には相当応えることは必至。

しかも出発前の帰宅(当日)は、午前2時で睡眠時間はわずか3時間足らずの強行軍。深夜、コンビニで買出しをして、帰宅してからの準備で体力的な不安は増すばかり。前日買って置いたアミノバイタルPRO3600の効き目はいかほどか?


 

河口湖駅から西湖周遊のレトロバスに30分ほど揺られて、9時30分ころ毛無登山口バス停で下車。登山客は、バスで一緒のわれわれを含めた2組だけ。

登山口には駐車スペースがあり4~5台の車が止まっている。

登山道入口からはそこそこの登りだがすぐに勾配がきつくなる。出発地点の標高は900mで、第一目的地の毛無山は1500mだから、600mの標高差を約1時間半で詰めることになる。
登山道入口
かなり汗を搾って40分ほどで、やっと一息入れる鞍部にたどり着く。そこから15分ほどで長浜の分岐着。

相当なキツイ登りを踏んばりやっと頂上下の見晴らしの良い場所に出た。左に河口湖、右に西湖を見下ろし、雪のない富士山もくっきりと見渡せる。

眼下に河口湖

西湖をバックに、夏草の生い茂った山道を詰めて行く。

雪のない富士山でもやはり感動!右に西湖。まるで箱庭のよう

出発してから丁度1時間20分でようやく、毛無山頂に到着。頂上はさほど広くはないが見晴らしがきく。正面の富士山がやはり絵になる。

山頂

山頂から富士山が
山頂で小休止して、いよいよ本日最大の難コース、十二ヶ岳を目指して、11時25分出発。

毛無山が1500m、十二ヶ岳が1661mだからあまり標高差はないが、十二ヶ岳へのコースは名前が示すとおり12のコブがあり、アップ・ダウンの連続。そのアップダウウンのほとんどは、ロープやクサリを使わなくては上り下りできないほどの急斜面。ガイドブックにキレットとあるが、怖さより足腰と体力を徐々に奪ってゆくことは間違いない。滴り落ちる汗と異常な熱気。足もパンパンになる。

せもてもの救いは、狭隘な山道に咲く、色とりどりの草花。線香花火にように繊細な花弁が、岩間から覗いているのは、あたかも一服の清涼剤。

十二ヶ岳へのコースのコブには、二ヶ岳、三ヶ岳、四ヶ岳といった標識があるのも励みになる。急な下り、這い登るような急斜面、大きな岩をクサリを頼りに悪戦苦闘の連続。




左端に見えるのが、十二ヶ岳のコル。ひときはこのコルが独立峰のように屹立しているのがよく分かる


十一ヶ岳の先から急坂を下るとキレットに出る。ここに金属製の吊橋があるが、谷はさほど深くはないが、揺れるので慎重な歩みが必要だ。

吊橋を無事渡り終えても、さらに急坂が続く。やけに十一ヶ岳と十二ヶ岳の距離が長い。




急坂を登り終えると、展望のきく場所に出て、少し進むと、西湖湖畔の桑留尾に降りる分岐に出る。そこから十二ヶ岳の頂上は間近。

稜線に出ると、向かいに中藤山、破風山、黒岳の山なみ、さらにその向こうに釈ヶ岳の主峰も遠望できる。


十二ヶ岳の山頂

毛無山頂を出発して1時期間35分で、ようやく十二ヶ岳山頂を極める。

十二ヶ岳山頂からは、ブルーに染まった西湖とその向こう仁富士山がくっきり。

変化の激しい上り下りを繰り返したせいで、足腰はパンパン。

遅めの昼食を摂るが、あまり食欲が湧かないのは、疲れのせいか、水分の摂り過ぎか。


真青の西湖に夏の冨士山

本日は、ひとつの山を極めても、そのあとは稜線歩きののんびりした気分とは無縁の山行。

山間で出会った登山客はわずか5組の8人程度。やはりこの季節にこの山を選ぶ人は少ないのだろう。山頂で30分ほど休憩を取り、ここから金山(1688m)へ。そこから15分ほど離れた節刃ヶ岳に。節刃ヶ岳は標高1736mと、本日の山塊では最高峰。

十二ヶ岳から金山までは約30分。途中もやはりロープやクサリの厳しいアップダウンが待っている。もはや足だけでなく、腕や胸部の筋肉にもハリが出てきたのは言うまでもない。



十二ヶ岳から金山35分程度。そこから節刀ヶ岳まで15分。稜線沿いと思いきや、やはり頂上直下はキツイ上りが待っている。

金山の頂上、ここから節刀ヶ岳へ立ち寄り


節刀ヶ岳の山頂。左橋のコブが、十二ヶ岳
金山から節刀ヶ岳を往復し、ここから本日の最高峰鬼ヶ岳(1738m)に向かい、後は、雪頭ヶ岳を通って西湖の湖畔、根場(ねんば)への下山コースをたどるだけ。

雪頭ヶ岳の急で、長い鎖場を通り過ぎ、見晴らしの良いお花畑に出くわした。

180度全開の開放感のある牧歌的な景色。色とりどりの山野草が咲き乱れ、穏やかな西湖の景色は感動的。

なにせ本日は平坦な道を歩いた記憶がほとんどないので、こんな牧歌的な山道をいつまでも歩いていたい。だが残念ながら、それもほんの束の間。

そのあとは、下りいっぽうだが、肉体的にも精神的にもコタエル傾斜のある下り坂が延々と続く。途中、とうとう2人とも足がつるほど限界が近くなった。

鬼ヶ岳から早足に歩いたせいか、コースタイムを20分ほど短縮して、なんとかゴール地点の根場の民宿のバス停に16時:45分着。途中、西湖のキャンプ場の水場を借りて、頭と顔を冷水で冷やす。

本日は時間的に温泉をあきらめたので、あとは冷えたビールを飲むことに専念。

麓は穏やかな山里の景色

バス停近くで、ビールの自販機や酒屋を探しても見当たらず、ようやく湖畔を望む絶景の場所にあるレストハウスで「生ビール」の幟を見つけてに飛び込んだ。

即、生ビールを大声で注文。ギンギンに冷えた生ビール(枝豆、柿ピー付1杯500円)は、当然のごとく本日最大の収穫。

西湖の最西端にある根場というリゾート地は、河口湖や山中湖のような賑わいがない分落ち着いた雰囲気で、夕暮迫る湖畔の佇まいがなんともいえない趣のある風情。

村をあげて音楽の合宿を誘致しているのか、湖畔で三々五々、合奏の練習にいそしむ若者の姿があちこちに・・。

レストハウスのデッキでビールを傾けながら、景色に溶け込むようなトランペットの音に耳を傾ける。なんとも穏やかで心安らぐ時間。
瞬く間に2杯平らげて、バスの時間になったので、重い腰を上げてバス停までぶらぶらと・・。



夕方5時40分、河口湖駅に向かって西湖周遊のレトロバスに乗り込んだ。

本日の永い永い一日もこれでようやくフィナーレか。

 

 

<参考情報>

 

 根場民宿

 西湖レストハウス