夏から続いていた修羅場を、どうにか昨日突破しまして、ようやく一息ついております。月末提出の校正がまだひとつありますが、昨日までの仕事にくらべれば、だいぶスケジュール的に余裕があります。
執筆と校正であわあわしているうちに、世間ではポケモンの新作も発売していたようで、ひさしぶりにちょっとやってみたいなあと思ったりもするのですが、始めたら確実に百時間単位で時間を持っていかれるのでやめておきましょう。次の仕事に差しつかえます。
そして気づけば11月の新刊第1弾、『パペット探偵団におまかせ!』の発売まで、あと10日ちょっとになっています。Amazonにもすでにページができております。
パペット探偵団におまかせ! (パペット探偵団 事件ファイル)
如月 かずさ 柴本 翔 偕成社 2013-11-02 by G-Tools |
本日はこの『パペット探偵団におまかせ!』の紹介をしようと思ったのですが、前の記事でも取りあげていて、また普通に紹介してもおもしろくないので、パペット探偵団の団長であるウサギのパペット・ホームズに、この本の紹介をお願いすることにしました。
それでは以下、ホームズによる『パペット探偵団におまかせ!』の紹介をどうぞ。
やあ、はじめましてだね。ぼくの名前はホームズ。世界的に有名な名探偵とおなじ名をもつ、パペット探偵団の団長だよ。
なんでもぼくたちの事件ファイルを本にするのに、宣伝が必要だって話でね、それでぼくが本の紹介なんてすることになってしまったわけさ。
こんなのは探偵の仕事じゃないんだけど、まあ、引き受けてしまったからには、しっかりと紹介をしないとね。
おっと、なにをおどろいているんだい。パペットが口をきくなんてしごくあたりまえのこと、たいしておどろくにも値しないだろう?
うふふ、いや、わかっているさ。あいさつがわりのちょっとした冗談だよ。普通、パペットといえば、手にはめた人間が腹話術でしゃべるものだからね。
だけどぼくはこのとおり、持ちぬしであるドイルの手にはまっていると、自由に動いたりしゃべったりすることができる。しかも探偵団のパペットは、ぼくも、ほかのふたりのパペットも、それぞれ特別な能力をもっているんだ。
パペット探偵団は、その能力で大人も顔負けの調査をおこなって、次々に起こる難事件を解決するのさ。
そうだ、ドイルのことも紹介しないとね。表紙のまんなかで、ぼくに手を引かれておろおろしているのが彼女、ドイルだよ。
本名は言問ルカ。ぼくたちの持ちぬしで、パペット探偵団の書記をしている。ドイルというのは、シャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルからとった、彼女のニックネームなんだ。
極度の引っこみ思案だけど、やさしい性格で、意外な特技をもっていたりもする。ぼくたちが自由にしゃべったりできるのが、彼女のおかげなのかどうかはわからないけど、とにかくぼくらにとっては特別な友人で、家族のような存在なんだよ。
続けてほかの仲間も紹介しようか。ぼくのほかに、しゃべるパペットはあとふたりいる。そのうちのひとりが、貴族を名のるオオカミのパペット・バロンだ。
ロシアの名門・ストロガブリ家の出身という話で、いつもいばっているのがたまにきずだけど、頼りになる団員だよ。特に追跡調査は彼の能力があってこそだからね。
そうそう、12月に発売される予定の事件ファイルの2巻は、まさにバロンが主役ともいうべき内容になっているんだ。そっちの宣伝は、彼にまかせてもいいかもしれないね。
そしてもうひとりのパペットは白猫のシルク。ピエロのような服を着ているけど、自称アイドルなんだ。彼女によれば、町内に8000のファンがいるらしい。
実際、近所の猫はみんなシルクにめろめろでね。彼女はべつに歌ったりおどったりするわけでもなくて、ただにゃんにゃんうるさいだけなのに、まったく、猫諸君の趣味は理解できないよ。
とはいえ彼女も、主に情報収集や見張りで活躍する、優秀な団員なんだ。猫に関する特別な能力をもっていてね。これでもうすこしおとなしくて、ひとの話をちゃんと聞いてくれたら、なおいいんだけど。
それから最後に、パペット探偵団のいちばん新しい団員を紹介しよう。ドイルの同級生で、探偵助手のシュンだ。
ドイルとは正反対の、活発で社交的な人物でね。口は悪いし推理力もまるでないけど、探偵助手としての素質はなかなかのものなんだよ。びっくりしたときのまぬけな表情とかね、ふふ。
ちなみに、探偵小説の伝統にしたがって、ぼくたちの事件ファイルも、助手のシュンが語り手になっているんだ。
『パペット探偵団におまかせ!』には、ぼくたちとこのシュンが知りあうきっかけとなった事件もふくめて、全部で三つの事件が収録されている。そしてそのなかでもメインとなるのが、謎のシール事件だ。
街中のあちこちに貼られた、不気味な鳥のシールにまつわる事件。電信柱や自動販売機の陰に、一枚ぽつんと貼ってあることもあれば、べたべたと大量に貼られている場所もある。
どうやらこのシール、ある時期いっせいに貼られたようなんだけど、どこかの店の宣伝というわけでもないし、ほかの街でおなじシールが目撃された例もない。
いったい誰が、なんの目的で、街中に不気味なシールを貼ったりしたのか。どうだい、なんだかわくわくしてこないかい?
実際に、ぼくたちが調査を進めていくと、この謎のシールには、思いもよらない目的があることがわかって……と、おや、ブッチーじゃないか。どうしたんだい、またなにか事件の知らせかな?
いや、そんなにぎやかに鳴かれても、ぼくにはわからないよ。今シルクを呼ぶから、ちょっと待っていたまえ。
さてと、話の途中で悪いけど、どうやら探偵団の出番のようだから、ぼくはこのあたりで失礼するよ。
来月発売の事件ファイル、ぜひとも読んでもらえたらうれしいな。それじゃあ、ぼくたちパペット探偵団の活躍を、たのしみにしていてくれたまえ!