2010年もまもなく終わりです。
いろいろな話題がありましたが、その中にはこんなものも。
ソニー、カセットテープ型ウォークマンの生産・販売終了

ipod や ケータイで非劣化音楽を楽しんでいる今の若い人たちは、カセットテープを手に取る機会がどれだけあるのやら。こと我が身に照らしてもプライベートではまずないなあと思いつつ、クローゼットを開いて大量の「マイベストコレクション」テープを発掘しました。

アニメの歌を(いったん)卒業して、オトナの音楽を聞き出したのは小学生の後半戦でしたが、時はJ-POP華やかなりし90年代半ば。
土曜深夜のCDTVをVHS(これも過去の遺物になりつつある)に予約録画して、気に入った曲を見つけては、自転車で30分行ったところにあるツタヤにシングルを借りに行ったものです。
当時のシングルは、ご存じの通り8センチCDが幅を利かせていたわけですが、今と違ってリリース日の同日か翌日にはレンタル解禁していたのです。
お小遣いも1000円に満たない時代のことですから、そうそうCDを買うわけにはいかない。当日100円とか1泊2日150円で借りて、茅屋に帰るなりテープにダビングしていました。
それが習慣化するにつれて、録音レベルを調節したり、テープの種類「ノーマル」「メタル」「ハイポジ」を気にしたり、ついには念願だったウォークマンを買って、落として壊し、また買い直し……。
テープからMDに移行したのが、結構遅くて2002年になるんだったかと思うので、10年弱の間、音楽はテープとともにあったわけです(そこからフラッシュメモリ型に切り替えたのは、この記事によると2006年らしい。まだ最近だなあ)。

このテープからMDへの切り替わりというのは、ちょうどJ-POPへの興味が薄れて、映画やアニメのサントラを聴くようになる時期に当たります。ちなみに、MDからフラッシュメモリに引っ越した頃から、今日に至るメタル嗜好が始まっているので、メディアの変化と音楽の嗜好がシンクロしているよう。不思議な縁です。
なので、J-POP=テープであり、ティーンエイジャーだった90年代のたくさんの名曲を思い出すのです。
懐古趣味炸裂ではありますが、ツタヤに小遣いをつぎ込んで作成した「マイ・ベスト・コレクション」を聴き直しつつ、紹介したいと思います。

記念すべき処女テープとでも申しますか、第1号はこちら。
六畳幻想パノラマ館-no0
へたくそうな字で慣れない横文字を書いておりますが、これが誰の曲かをわかったあなたは相当の90's J-POPマスターだ。
今回聴き直しても誰だかわからず、GOOGLE と YOUTUBE を頼りました。

No.0 93年夏頃 60分テープ(片面30分)
都合により、No.0 としておきます。

A面
1.愛したい愛せない/BAAD→ドラマ「ララバイ刑事'93」OP
2.アイデンティティ/SPLASH→ドラマ「新幹線物語’93夏」主題歌
3.If You Wish.../To Be Continued→テレ朝の夕方ニュース枠「ステーションEYE」エンディング
4.真夏の夜の夢/松任谷由実→ドラマ「誰にも言えない」主題歌
5.もう少し、あと少し…/ZARD→ドラマ「ララバイ刑事'93」ED
6.エロティカ・セブン/サザンオールスターズ→ドラマ「悪魔のKISS」主題歌
7.ラスト・クリスマス/ワム!(外部マイク録音)→映画「未来の想い出」主題歌
8.ゴーストバスターズ/レイ・パーカー・ジュニア(外部マイク録音)

B面
なし。

93年夏にダビングしたと思われるこの頃、まだCDTVを見る習慣はついておらず。そんな音楽に疎い小学生の耳に入ってくる楽曲というのは、親きょうだいが見ているドラマの主題歌だったり、さしおいて自分が夢中になって見たり、要はテレビから流れてくるものでした。
ラスト二曲の例外をのぞけば、すべてテレビタイアップであることがわかります。
BAADS とZARD の二曲で絡んでいる「ララバイ刑事'93」は、今日の「相棒」につながるテレ朝伝統の刑事ドラマ。主演は片岡鶴太郎、前作「'91」から好きでした。

BAAD は、当時隆盛を誇っていたビーイング所属。この後も「スラムダンク」のOP「君が好きだと叫びたい」などがスマッシュヒットしました。WIKIによると、99年に解散。ギターの人は doa の一人として第一線で活躍されているようです。


BAAD「愛したい愛せない」[YOUTUBE]
サビでタイトルを歌う、わかりやすいメロディ。商業ロックと罵られてもいいじゃないか。
検索したら、東方神起というグループ歌に「愛せない愛したい」というのがあるようで。

BAAD 以上に今では所属不明なSPLASH という人たちですが、この曲「アイデンティティ」は今聴いても素晴らしい。「新幹線物語'93夏」は、東海道新幹線に「のぞみ」が導入されたのに合わせて制作されたドラマでした。飛行機よりもまず新幹線の客室乗務員に憧れ得た時代ですよ。年号がついたドラマが好きだったのかと思われるかもしれませんが、当時はそういうの流行りだったんですよ。一時期の「2.0」みたいなもんですよ。最近だってなんでもかんでも「スマート」をつけたがるじゃないですか、と。


アイデンティティ/SPLASH[YOUTUBE]
東京駅長:丹波哲郎 東京駅では悪さはできねえ……。
宮崎ますみは、まだ好感度が高かった。島崎和歌子若いな。キャストもスタッフも「ホテル」の流れを汲んでるようです。
あと、上の動画ではこの曲はカップリングとしてB面に入ってた「ジャーニー」ってことになってるらしいですが、スタッフロールからも歌詞の内容からも、どう聞いても「アイデンティティ」ですよ!

そしてTo Be Continued か……。
この「If You Wish...」は、ヒットした「君だけを見ていた」の半年前のシングルらしいので、この時期はまだそれほど知名度はなかったんじゃないかしら、
金曜19時のドラえもんを見るために少し早くテレ朝をつけると「ステーションEYE」というニュース番組のエンディングで流れていて、なんていい曲なんだ! と。ツタヤでも探すのに苦労した覚えがあるので、やっぱりそんなにヒットしなかったんだろうな。
でもいい曲だ。趣味嗜好こそ変われども、昔好きだった曲というのは今聴いても愛着があります。


If You Wish.../To Be Continued [YOUTUBE]

ユーミン・ZARD・サザンについては、ここで触れるまでもないでしょう。でも、21世紀まで生き残ったのはこいつらだけなわけで、音楽業界は厳しいなあ。
最期の二曲は「外部マイク録音」と書きましたが、ラジカセをテレビの前に置いて録音スイッチを押すという、ある世代以上はティーンの時に誰もがやっただろうアレです。
「ゴーストバスターズ」や「未来の想い出」(原作藤子・F・不二雄・監督森田芳光)をテレビで見て主題歌を気に入っても、そのCDを入手する方法が思い浮かばなかったんじゃなかったかと。

こんな感じで、印象的な何曲かをYOUTUBE から引っ張ってきつつ、紹介していけたらなあと思います。
結構時間かかるので、続かなそう感じがプンプンしますが……。
次回は94年夏頃です。