2012年12月8日(土)



TBSラジオ「土曜ワイド」の今日のゲストは、青森県出身で青森県在住の伊奈かっぺいさんでした。


津軽弁ではSEIKOの時計が7時を知らせることを「セイコーがシチズン(7時)をお知らせします」と発音するんだ、と笑わせます。


総選挙も投票まで1週間になりました。「津軽の選挙は、すごいんですよ」と選挙の話を始めました。


具体的に、どうすごいのでしょうか。


例えば、開票所でライバル候補の票が多そうだと見ると、その票を食べてしまう人がいるんだそうです。「ポケットに入れるくらいだと分かっちゃうでしょ。だから、食べちゃうんです」という内容のことを津軽弁で話します。


でも、開票所にいるということは選挙管理委員会が信頼して依頼した人のはず。そんな人が票をたべちゃうんですか?「今も、その食べちゃった人は青森にいますよ」と真顔で話している感じです。


もっと驚いたことがあります。定数20人の町の議員選挙で、新しい候補者が1人出てきたことがあったそうです。


「定数20に対して、立候補者も20人で無風選挙が続いていたので、その20人が1100万円ずつ出して、計2000万円を新たに立候補しようとした人に渡して、立候補しないことになったこともあります。なぜか。選挙になったら、100万円では済まないので、100万円ずつの方が費用はかからないからです。私は、その町を知っています」


こんな話もありました。選挙になると、おにぎりが配られます。中には、梅干もシャケも入っていません。「お札が入っているんです。これは津軽では、当たり前の話です」エーッ、本当?


孫がおばあちゃんに自転車を買ってと、おねだりしました。そうしたら、おばあちゃんは「もうすぐ選挙があるから、ちょっと待て。選挙が終わったら買ってあげる」と答え、実際に選挙後、孫は自転車を買ってもらったそうです。


「選挙のたびに、孫に自転車を買ってあげられるんですよ」


軽妙な津軽弁で面白おかしく話すので、ついつい笑って聞いてしまいました。でも、すごい選挙違反が青森では平気で行われているということを暴露しているんですよね。


「ウソだと思うでしょ。でも、ホントなんです。冗談めかしているけど、冗談ではないんです。これは『津軽選挙』といって有名なんです。『津軽選挙』の本が何冊も出ているんですよ。東京だから話しますが、青森では話せません」へー、まんざらホラ話でもないんだ。


一瞬、私も伊奈かっぺいさんの話のニュアンスを伝えていないのでは?と不安になりました。でも、細部は多少違っているかもしれませんが、大筋はここに書いたことで合っていると思います。


そういえば、大相撲や野球の勝ち負けを賭けの対象にすることを日常的におこなっている地方もあると聞いたことがあります。でも、選挙をめぐる金銭のやり取りは禁じ手です。


この話には、永六輔さんもあっけに取られたのではないでしょうか。返す言葉がありませんでした。