とっておきの日常 -4ページ目

【石井くんを嗜む 12 】 早く君に

racoustik のスタッフも一時期やってくださっていた方が、ギター石井くんの命日を前に、アルバム全曲をオンラインにアップしてくれました。


なんか、ライブも近いですし、個人的に盛り上がってきたのと、ごく一部の方がとても楽しみに待ってくださっているようなので、今週はライブまで、毎日ご紹介を目指します。


昨夜のアップは夜中過ぎてほぼ発見されてないですが。笑


次は、2009年発売(録音は2007年〜)の、アルバム「たわんだ大気圧」から4曲め、「早く君に」


この曲は、いちおう今や「名刺がわり」的な曲です。


アルバムに先行して配信シングル発売されたときは、本人もちょっと引くくらい(といっても大した量じゃないですが)あちこちのラジオで流しまくっていただき、ふと入った100円ショップの有線で流れて、街のビルの大画面でミュージックビデオが流れ、TOKYO FMとFM福岡でレギュラー番組を持ったり、雑誌に連載持ったり、大わらわでした。


本人的には、事務所を離れて自分でレーベルを立ち上げて、ディストリビューターとしてユニバーサルミュージックの敏腕担当者の方と組んだりした頃で、


「うおりゃー、自分で段取ったほうが断然売れるじゃナイカ」


と息巻いたりしておりました。しかし、その演奏以外の活動の疲労感がハンパない…。つくづく「売れることに向いてない」ということが分かりましたね。


すぐに息切れしちゃって続く一手も打てなかったし。


作曲は、実は、自転車に乗ってる間に、歌詞もメロディも同時に出てきて、最初から最後まで10分くらいで作れてしまったので、個人的には強い思い入れはないのですよね。あと、歌詞が青臭いので、いい年すると恥ずかしくて歌いにくい。まあ、そういう曲のほうが受けるのですかね。


ギター石井くんは、「これぞ石井」という、迷いのない音色、タッチ、フレーズで存分に弾いております。


特に、大サビ?的なブルース進行になるとこで、呼応して弾いてるブルージーなギターが聴きどころです。


ライブでは、別のいいギターソロもあったので、そちらも合わせて。


公式録音バージョン

https://youtu.be/d0BPVCEA4dw


ライブバージョン

https://youtu.be/9DGlc_JB7ZM


MV撮影懐かし。






【石井くんを嗜む 11 】 ちいさな可笑しさ

racoustik のスタッフも一時期やってくださっていた方が、ギター石井くんの命日を前に、アルバム全曲をオンラインにアップしてくれました。


なんか、ライブも近いですし、個人的に盛り上がってきたのと、ごく一部の方がとても楽しみに待ってくださっているようなので、今週はライブまで、毎日ご紹介を目指します。


次は、2009年発売(録音は2007年〜)の、アルバム「たわんだ大気圧」から3曲め、「ちいさな可笑しさ」


この曲は、歌詞を最初から最後まで全て書いて、その後に曲をつけた、というものです。(高校生の頃はそのパターンが多かったけど、その後、歌詞とハナウタ同時、の作り方というか“でき方”が定番化した。曲はいつも、作ろうと思うとできず、布団の中とか自転車乗ってる時とか、お風呂の中とか、ギター持てない時にばかりできる)


作った頃は石井くんと毎日一緒にいたので、最初に曲をつけた時も、石井くんにまず聞かせました。石井くんの顔がなんとなくピンと来てなさそうだったのと、自分でも歌っててイマイチ萌えなかったので、別日に、歌詞をそのままに、全く別のコードとメロディをつけました。


そうしたら、数少ない、自分でもとても好きな曲のひとつとなりました。


石井くんには、そういう、表情ひとつで作者を動かす、鏡のような批評的感性があったので、頼りにしてました。


この曲、公式レコーディングでは弾き語りにしてますが、ライブでは主にバンド編成でやってました。


検索してみたら、いい感じの石井くんの彼らしい、土っぽいプレイが聴けるバージョンがありましたので(私はこの日イマイチですが)、ぜひ合わせてお聞きください。


公式録音の方は、当時、アートワークのほとんどをコラボ的にやってくれていたタキ・コーポレーションのお2人とのフォトセッションを、映像作家のウエダくんが、PV風にまとめてくれたものです。


公式録音バージョン

https://youtu.be/dK89_5GAbwI


ライブバージョン

https://youtu.be/LU7l4vw8QMo




【石井くんを嗜む 10 】昼間の月

racoustik のスタッフも一時期やってくださっていた方が、ギター石井くんの命日を前に、アルバム全曲をオンラインにアップしてくれました。


次は、2009年発売(録音は2007年〜)の、アルバム「たわんだ大気圧」から2曲め、「昼間の月」


この曲は、大学生の頃に、誰とも接することなく過ごしていたころの妄想・夢想の曲。こんな大学ライフ全然なかった!でも「妄想でポジティブな曲が書ける」とその後の曲づくりの一つの切り口になった曲。


TWELLVE の前のバンドFLOOR 時代から、とにかく演奏し倒していた曲で、私が初恋の嵐の西山くんと出会ったり(FLOORの頃)、その後、カフェでデモ音源(TWELLVE のやつ)がかかってるところを某プロデューサーが見つけてくれて親しくなったり、「世に出る」きっかけとなった曲でもあります。(リリースはずっとされてなかった)


TWELLVE 時代は、60年代後期のR&Bを意識したアレンジでやっていました。


racoustik 時代になり、今成、樽木という新たなリズム隊の影響と、私の当時やりたかったイメージが合わさり、こんなアレンジになりました。(この録音ほど湿った暗い演奏ではなかったはずだけど…)


racoustik は「ザ・迷いのない石井フィーチャリング」の時期だったのですが、この曲ばかりは、そういう新たなニュアンスに慣れるのに、石井くんは苦労してた様子。(ギターソロ死ぬほど録り直してたの思い出します)


思えば、このレコーディングは、石井くんがracoustik に正式にレギュラーとして参加することになって、1ヶ月後、とかそういう感じだったような。


その前に、racoustik は3,4人のギタリストに参加してもらっていて、ライブもやって施行錯誤してました。


このイントロフレーズは、フジファブリックやムジカラグーというバンドでギターを弾いていた萩原くんが発明したもので、それを石井くんに弾いてもらっています。


まだ自分のフレーズにできていないところが、たどたどしくてむしろ好印象。


TWELLVE デモ録音バージョンと合わせて是非聞いてみてください。


racoustik バージョン

https://youtu.be/PdTHD0vH1dA


TWELLVE デモ録音バージョン

https://youtu.be/BLDYkL0JNQ4




【石井くんを嗜む 9 】手を伸ばす!

racoustik のスタッフも一時期やってくださっていた方が、ギター石井くんの命日を前に、アルバム全曲をオンラインにアップしてくれました。


ここからは、2009年発売(録音は2007年〜)の、アルバム「たわんだ大気圧」をご紹介します。 まずはオープニング曲「手を伸ばす!」


曲調のわりにアレンジ、演奏、録音、ミックス(妙に湿っぽい)など、今聴くと悔やまれる部分もありますが、この湿っぽさが、このアルバムを通底するトーンとなっています。(そしてこのアルバムは、一応、私が発表した全作品の中で一番売れた)


この曲は、演奏も歌も含めて、全て「一発録り」です。(仮歌のつもりで歌ったのが本採用になった)結果として、録音当時の感覚を反映した「スタジオライブ」になりました。


まさに、「ザ・迷いのない石井フィーチャリング」の時期ですので、ありのままに暴れまわる石井くんをお楽しみいただけるかと思います。


https://youtu.be/YeyGy_3ihKE




【石井くんを嗜む 8 】音楽

racoustik のスタッフも一時期やってくださっていた方が、ギター石井くんの命日を前に、アルバム全曲をオンラインにアップしてくれました。


次は、2012年発売のアルバム「ざわめく木々の音楽」より、阿部弾き語りの「イメージ」を飛ばして、最後の10曲目「音楽」。


「音楽」という曲名で、音楽についての曲を作りたい、それを自分が「音楽的」と胸を張れる音像で録音したい、という思いが昔からあり、それが成就したのがこの曲でした。


この録音はまさにそれで、自分では何か「やりきった感」を覚えてしまい、それで燃え尽き症候群になり、活動休止したとも言えるかな、という個人的思い入れの強い曲です。


どっしり支えるリズム隊、全体の基調を形づくるピアノ、軽やかにオリエンタルなスチールパン。そして、その間を絶妙にふわふわとろとろと浮遊する石井くんのスライドギター。


これをぜひ聴いていただきたい。


私にとってはこれらが全て絡み合い、「完璧な」音像となっています。


さて、2012年のアルバム「ざわめく木々の音楽」はこれでおしまいで、次回からは2009年発売(録音は2007年〜)の、「たわんだ大気圧」をご紹介します。


その頃はまさに、「ザ・迷いのない石井フィーチャリング」の時期ですので、ありのままに暴れまわる石井くんをお楽しみいただけるかと思います。


https://youtu.be/oeoI5Hq_ov4