今年の目標の1つでもある「読書」
今日は興味のあるデジタル教科書についての一冊を読みました。
「ほんとうにいいの?デジタル教科書」新井紀子
岩波ブックレットという70P弱の薄い本ですが、内容は本当に濃い。
ウサコはミーハー気分で「デジタル教科書」について考えていましたが、この本は「デジタル教科書」の表も裏も、みっちりと教えてくれます
ウサコの中では反論したい点もありましたが、最終的にはう~んと考え込んでしまう内容が多かったです。
おもしろかった点を要約すると。。
デジタル教科書の弱みは一覧性
タブレットの場合はその画面サイズにより、複数の資料を広げて一覧出来ず、ウィンドウを都度切り替えていかなければいけない。テキスト、地図帳、資料を並べてみるという一覧性は多数の情報をつなげたり、全体を貫く構造を理解することを促す。
→確かに私の前いたIT起業ではパソコンのディスプレイを2つ平行してデュアルモニタが浸透していて、とても便利でした。それを考えると確かにスマホやタブレットでは画面を一覧することはサイズ的に難しい。
ハイパーリンクの功罪
ハイパーリンクが文章に含まれていると、読者は無意識に「クリックする、しない」の選択を迫られ、リンクにあうたびに認知的負荷が発生し、理解力が下がるという研究結果がある。
自動採点の限界
デジタル教材で自動採点出来るものが増えると、選択問題と穴埋め問題が増えて、考え方よりも答え重視になり、思考力、判断力、表現力、問題解決能力を向上させる問題が減少する。
→今ある学習系のアプリもやはり選択か穴埋めです。では思考力を養うような教育ってどういうものなんでしょうね。
学力向上に効果はない?
デジタル教科書で、ゲーム性、エンターテイメント性を加えた教育は学習意欲がない子どもに学習させるのには適するが、学力向上にはあまり効果がない。
そして作者は「なぜ高校ではなく小中学校にデジタル教科書を導入しようとしているのか」についても考察しています。
個人的にはこの考察は事実である気がするんですが、とても怖い
国や経済界が諸手をあげて推進しようとするプロジェクトには、やはり理由があるんですね。
勉強になりました。
- ほんとうにいいの? デジタル教科書 (岩波ブックレット)/岩波書店
- ¥588
- Amazon.co.jp