14) ディスコのコピー・キャット | BIG BLUE SKY -around the world-

14) ディスコのコピー・キャット

14) ディスコのコピー・キャット  Copycat, Met in a Disco

Janis のメルセデス・ベンツではなく、Lily の原付きバイクでディスコへと向かう。ディスコは、カウボーイ・バーから東へ数百メートルほど行ったところで、路地の外れに位置している。
Lily は、Erika と私を後ろに乗せて、3人乗りでバイクを走らせる。騒ぐ Erika を尻目に、酔っ払い運転で少々蛇行しながらも、危なげ無くディスコに到着した。Lily がもう一度カウボーイ・バーへ戻ってAnnie を乗せて来るのを待って、店の中へ入る。

店内は、外観から予想したよりも広く、400平方メートルくらいは有りそうだ。入口から向かって右手にステージが有り、バンドがライブ演奏を行っている。ステージ正面は 10メートル四方くらいのダンス・スペースで、日本よりも狭い距離感で客がひしめき合っている。その周囲には 4人がけのテーブル席が並んでいて、話すも良し,飲むも良し,踊るも良しといった雰囲気だ。

私たちは、店に入って正面の、ステージを上手側から見る席に陣取る。Annie は、カウボーイ・バーから持って来たウィスキーを取り出して、氷と水を頼み、Lily はワインクーラー SPY をオーダーする。

「Annie に気をつけて下さい。駄目だって言っておきます」

Erika はそう言うと、強い口調で Annie へ何か言うが、Annie はお構いなしといった風で、何か言い返している。二人が何を言い合っているのか全く分からない。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-1401_job2do
[Warning: World Warming/Job 2 Do] (2008)  "Copy Cat" 収録


ステージのバンドには男女のシンガーがいて、数曲ずつ交互に歌っていた。全てタイ語の曲で、客はタイ人ばかりのようだ。バンコク,パタヤー,プーケット等の、外国人客がメインのディスコとは全く違う雰囲気だが、居心地の悪さは感じない。

バンドは、レゲエ・シンガー Job 2 Do の "Copy Cat" の演奏を始めた。女性シンガーが歌ったので、 最初は聴き慣れたナンバーに気付かなかった。Erika に手を引かれてステージ前へと向かい、熱狂と煌きの中に身を投じる。ここにいると、Erika の躁状態も気にならない。今日一番の心地良さを感じていた。


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