03) アユタヤの歩哨 | BIG BLUE SKY -around the world-

03) アユタヤの歩哨

03) アユタヤの歩哨  A Sentry of Ayutthaya

チェンラーイからスワンナプーム空港に到着すると、いつものように 3階バス乗り場横の喫煙所で一息つきながら、アユタヤまでどうやって行こうかと思案する。直行の VIP バスも有るとは思うが、気まぐれに路線バスを乗り継いで行くことにした。

#554番バスに乗ってラーミンタ (Ram Inthra) にほど近いミンブリー (Min Buri) まで来ると、見慣れた景色に地元に帰ってきたような気がする。ラーミンタのバス停を通り過ぎる時に、路地の見知った顔が見えた。アユタヤから戻ったら、又路地に寄って行こうと思う。

チャトチャックの北側にあたるバーンケーン (Bang Khen) まで行って、ワゴン車サイズの小さいバスに乗り換える。行き先を叫んでいる人に誘導されて乗ったワゴン車は、おそらく白バスだろう。アユタヤまで 21THB (≒64JPY) という安さだ。道路は少し渋滞していたが、一時間ほどで到着する。


BIG BLUE SKY    ~旅の空の下で~-0301_アユタヤ郊外
[アユタヤ郊外] (2010)


アユタヤ・テクニカル・コマーシャル・カレッジの少し手前で停めて貰い、歩道橋に上って周囲を見渡すと、ワット・ヤイ・チャイ・モンコンの大仏塔が見えた。多分、1km は離れているだろう。反対側には工業団地の屋根が光っているのが見える。アユタヤ島部と工業団地の中間にあたるのだろう。歩道橋を渡って麺屋台の婦人に尋ねてみて、ここが Erika がいるという場所に間違いないことを確認した。

露店の中を歩いて行くと、ソイ (路地) へ入る角の食堂から刺すような視線を感じる。店を覗く風を装って見ると、視線は見知らぬ若い女性のものだった。彼女は携帯で話しながら、私を目で追っている。まるでアユタヤ王朝の歩哨が、王宮に近付く者を見つけて報告しているかのようだ。私は、危険地帯を歩く時のように五感を研ぎ澄まして、路地へと足を踏み入れて行った。

(注: 料金は 2010年当時のもの)


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