01) プーケットで雨ごもり
01) プーケットで雨ごもり Caught in the Rain at Phuket
2010年の夏、4度目の訪タイにして、初めてプーケットへと足を運んだ。
プーケット空港を出ると、湿度の高い空気が体にまとわり付き、ペナン島を思い出す。
灰色の空を見上げながらパトンへと向かった。
雲は次第に厚くなり、雷鳴が轟いて稲妻が光った。
道路沿いのワットに手を合わせて、天候回復を願う。
パトンへ着く頃には雨が降り出し、宿に入った時には滝のような豪雨となっていた。
そのうち止むだろう ...
そう思っていた雨は、三日経っても降り続いていた。
昼のビーチも、夜のバーも、客足は途絶えてしまっている。
私はプーケットをあきらめて、他へ向かうことにした。
[誰もいない雨のパトン・ビーチ] (2010)
どこへ行こうかと考えて、昨年のチェンマイの美しさを思い出し、チェンマイの隣りのチェンラーイへ行くことに決めた。
北タイへ行けば、こことは天候も違うだろう。
豪雨の中、Rat Uthit 通りを渡ってチケット・オフィスへ駆け込み、明日のチェンラーイ行きのチケットを購入する。
[ホテル前のカフェから、人通りの無い土砂降りの Rat Uthit 通りを眺める] (2010)
宿へ戻ってロビーの TV を見ると、洪水のニュースが映っていた。
南タイのどこかかな?
そう思って、ロビーの椅子に座ってよく見ると、どうもチェンラーイ県のようだ。
「あなたの行くところは雨ばっかりだねぇ」
カフェで雨ごもりの毎日で、仲良くなった店員が溜め息混じりに言う。
私は、購入したばかりのチェンラーイ行きのチケットを眺めて、唖然とするしかなかった。
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